土木学会論文集E1(舗装工学)
Online ISSN : 2185-6559
ISSN-L : 2185-6559
76 巻, 2 号
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舗装工学論文集第25巻
  • 久保寺 貴彦, 郭 慶煥
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_1-I_9
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     地中レーダは,表面から電磁波を地中に照射して,埋設管からの反射を利用して,画像判読により埋設管の土被りを測定する.画像判読の向上のため,埋設管の内径50mmと100mmについて,それぞれ埋設管上面に鉄板,塩ビ板,アルミテープを設置して実験を行った.その結果,鉄板の幅が50mmでも,画像判読の向上に効果があることがわかった.形状より材質の違いのほうが画像判読の向上に期待できることがわかった.アルミテープは鉄板と同等に画像判読の向上が期待できることがわかった.土被り測定精度の検証について,管径が大きいと測定精度が向上することが定量的にわかった.

  • 渡邉 真一, 前川 亮太, 永塚 竜也, 藪 雅行
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_11-I_19
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     平成28年に策定された舗装点検要領では,道路の路盤層以下の構造的健全性が重視されている.交通規制を伴わずに構造的健全性を把握することを目的として,ひび割れとわだち掘れという路面の損傷形状に関する情報と,機械学習を組合せることにより,新たな構造的健全性の推定手法を構築した.機械学習手法として,画像認識分野にて実用化が進められている深層学習を用いた畳み込みニューラルネットワークを用いることとした.ひび割れ形状としてひび割れ図,わだち掘れ形状として横断プロフィル,アスファルト混合物層の厚さを用いて,構造的健全性の指標であるFWDたわみ量D0を推定した.その結果,従来管理指標であるひび割れ率,わだち掘れ量を用いた手法よりも,本手法は誤差の少ない良好なD0推定精度が得られた

  • 竹内 康, 西澤 辰男, 川名 太, 桑原 正明, 小梁川 雅
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_21-I_28
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究では,国土交通省が実施した車両重量調査結果をコンクリート舗装の版厚設計に適用するために,国内9箇所で計測したコンクリート版の温度計測結果を分析して温度応力が正負となる時間帯を求め,車両重量調査結果よりその時間帯に走行する大型車交通量と輪荷重別の通過輪数(輪荷重群)を抽出した.そして,これを用いてコンクリート版の疲労計算に及ぼす影響について検討した.その結果,車両重量調査で12時間毎に集計される輪荷重群は,温度応力が正負となる時間帯に合致しており,版厚設計に直接的に使用できることがわかった.一方で,現行の設計法にしたがって24時間の輪荷重群と大型車交通量の比率を使用した場合に求められるコンクリート版の疲労度は,12時間の輪荷重群を用いた場合に比べて大きく算定されることがわかった.

  • 大庭 健太郎, 大脇 真也, 高橋 茂樹, 西澤 辰男
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_29-I_37
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     普通コンクリート舗装の横目地において,ダウエルバー(鉄筋)が破断する損傷事例が報告されており,そこでは腐食による鉄筋の断面欠損や横目地直下の路盤のエロージョンによる空洞が確認されている.そこで,断面欠損や空洞をモデル化してFEM解析を行い,ダウエルバーに及ぼす影響を検証した.その結果,断面欠損と空洞が複合的に発生し一定規模まで進行すると,ダウエルバーに作用する曲げ応力度は断面欠損と空洞がない健全な状態と比較して約18倍に増加することを確認した.よって,ダウエルバーには耐食性に優れる材料を採用することと,明かり部の目地直下にはエロージョンを起こしにくいアスファルト中間層などを設けることで,横目地を保護することを提案する.また,ダウエルバーの長さについても検証を行ったので併せて報告する.

  • 松下 郁生, 植田 知孝, 田中 志和
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_39-I_44
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     普通コンクリート舗装として舗設されていたが,何らかの理由によりアスファルト舗装でオーバーレイを施された構造となっている路線は,高度成長期に整備された路線を中心に数多く存在している.このような舗装構造の場合,表面のひび割れは路面調査により損傷状況を把握することができるが,アスファルト混合物に覆われたコンクリート版の目地部は直接調査を行うことができない.さらに路線一体が同様の舗装構造となっていることが多く,補修範囲が広範囲に及ぶことから効率的な調査が求められている.

     本報文では,アスファルト混合物に覆われたコンクリート版の目地部の健全度を評価するために,目地部を評価する項目の一つである荷重伝達率を効率的に調査する方法について検討した内容を述べるものである.

  • 西澤 辰男, 小梁川 雅, 竹内 康, 寺田 剛, 藪 雅行
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_45-I_52
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究では,コンクリート舗装の長期的な耐久性を確認するために,土木研究所円形走行路に建設した試験舗装に49kN換算輪数120万輪を走行させて構造評価を行った.試験舗装においては,コンクリート版中央に横ひび割れを発生させるとともに,中間層と鉄網の効果を調べるためにそれらの有無の区間を設けた.荷重履歴に伴う構造的な変化を評価するために,走行試験中定期的にFWD試験を行い,その結果を使ってコンクリート舗装の劣化状況を考慮した逆解析を行った.その結果,49kN換算輪数120万輪の時点で,中央部での劣化はほとんど進行していないが,ひび割れ部での劣化の進行は非常に早いと推定された.目地部ではわずかなダウエルバーは切断されているが,コンクリート版下の空洞は無いかあって狭い範囲にとどまると判定された.

  • 上野 千草, 木幡 行宏, 丸山 記美雄
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_53-I_60
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     積雪寒冷地のコンクリート舗装では凍上により路盤面に不陸が生じると,コンクリート舗装版と路盤の間に空間が生じ,舗装寿命低下の要因となることが明らかになっている.このため,積雪寒冷地におけるコンクリート舗装の設計においては,凍結深さを適切に評価し,凍上対策に反映させる必要がある.

     本研究では,コンクリート舗装の凍結深さを熱電対温度計にて計測し,既存の設計法で用いられている凍結指数から求める凍結深さとの比較を行うとともに,新たな手法としてAMeDASによる気象データ,コンクリート舗装版のアルベド,および舗装材料の熱伝導率等を用いて熱収支解析・熱伝導解析を行い,凍結深さの推定を行った.この結果,既存設計法で求めた凍結深さと熱電対温度計にて計測した凍結深さの間に最大200mm以上の差が確認され,既存設計法の問題点が抽出された.また,新たな手法では,熱電対温度計にて計測した凍結深さと概ね一致した凍結深度が得られることが明らかになった.

  • 長山 清一郎, 越川 喜孝, 橋本 理, 島﨑 利孝, 石田 征男
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_61-I_67
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     一般的な超高強度繊維補強コンクリート(以下,UHPFRC)は,粗骨材を用いていないため,製造直後は流動性が高い.このUHPFRCを用いて橋梁床版を増厚して補強する場合,UHPFRCの配合や打継面処理方法,施工機械の仕様,養生方法などを検討する必要がある.本研究では,床版上面増厚工法に適したUHPFRCの配合を検討し,コンクリート床版を模擬したコンクリート版の上面にUHPFRCを薄層で打継ぐ施工実験を行い,UHPFRCの施工性やUHPFRCとコンクリート版の付着性の検討を行った.その結果,現場施工が可能な配合を選定し,コンクリート床版上面の打継面処理方法として湿潤処理あるいは接着剤塗布処理を施すことで良好な付着性能が確保できる可能性を確認した.

  • 新見 龍男, 吉本 徹
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_69-I_76
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     コンクリート舗装はアスファルト舗装と比較して走行する大型車の燃料消費量を削減できるとの報告があることから,大型車のCO2排出量の低減が期待できる.一方,これまでに実施されているコンクリート舗装のCO2排出量の評価は構造物に関してのみであり,大型車の燃料消費量削減の影響は考慮されていない.そこで,燃料消費量削減を考慮したコンクリート舗装のCO2排出量を算出し,アスファルト舗装との比較を行った.コンクリート舗装による大型車の燃料消費量削減分を環境貢献とみなした場合,コンクリート舗装のCO2排出量は大きく削減され,大型車の燃料消費量削減はCO2排出量の低減に大きく貢献することが示された.また,比較的交通量が多い範囲ではアスファルト舗装よりコンクリート舗装の方がCO2排出量は少ないことが示された.

  • 田中 俊輔, 丸山 記美雄, 亀山 修一
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_77-I_84
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     積雪寒冷地である北海道地方の一般国道や高規格幹線道路では,2000年以後,排水性舗装の導入が進んだ.しかし,供用開始から短期間の内に局部的な破損が生じ,近年では融雪期にポットホールなどの大きな破損が問題となり,耐久性の面で課題が生じている.本研究は,北海道地方の一般国道および高規格幹線道路における排水性舗装の供用状況を明らかにした.さらに,2017年以後,排水性舗装の代替として適用され,普及が進んでいる北海道型SMAについて,その適用の有効性を明らかにするためにライフサイクルコスト分析を行った.その結果,積雪寒冷地における排水性舗装の供用年数や補修状況と気象条件との関係などを明らかにできた.また,北海道型SMA適用の有効性について経済的観点から明らかにすることができた.

  • 野本 陽, 齊藤 一之, 山本 啓
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_85-I_91
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     多機能型排水性舗装は,表層1層内の表面付近に排水性舗装と同等の排水機能を持ち,下部はSMAと同等の防水性能を併せ持つハイブリッド舗装の構造となっている.また,この舗装は舗装表面に4cm間隔で縦溝を形成することを特徴とした舗装であり,この縦溝によって横すべり抵抗を高める効果があることから,カーブ箇所でのスリップ事故を抑制し,車両の安全な通行に寄与している.このことは,国道25号名阪国道のカーブ等での事故件数調査から事故件数が低減していることが実証されている.本報告は,この舗装のスリップ事故を抑制する効果について,特に制動時の車両の安定性に着目して定量的に評価を行ったものである.

  • 増戸 洋幸, 塚本 真也, 平戸 利明, 高橋 修
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_93-I_100
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     アスファルト混合物層内に補強材を敷設し,混合物層下面に生じる引張ひずみの低減を図る工法については,補強材の最適な物理的性状やひずみ低減のメカニズムなど不明な点が数多く残されている.本研究では,再生材としての利用を考慮して,バサルトグリッドを補強材として選定し,物理的性状が異なる3種類を敷設したアスファルト混合物層に対して,基本的な力学的性状と下面に生じる引張ひずみの低減効果を評価した.その結果,敷設するメッシュ状グリッドの開口部寸法とメッシュ部の硬さが不適当な場合,混合物層間の引張抵抗性とせん断抵抗性が低下する傾向が認められた.また,ひずみ低減効果に対しては,敷設するグリッドの引張強度が支配的な要因ではなく,グリッドによる骨材粒子の拘束効果が主要な影響要因であることがわかった.

  • 藤本 明宏
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_101-I_108
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究では,凍結防止剤として溶液散布された塩化カルシウムによる路面すべり摩擦係数μの低下を調べるために,密粒度アスファルト混合物とポーラスアスファルト混合物を対象に室内実験および野外実験を実施した.室内実験では,塩化カルシウム溶液を散布した路面のすべり抵抗値と塩化カルシウムを析出させた後に散水した路面のすべり抵抗値をそれぞれ測定した.その結果,塩化カルシウム溶液散布直後のμは,たとえ高濃度で散布してもいずれも0.4以上あり,湿潤状態の値と大差がなかった.一方,塩化カルシウムが路面に析出した場合,密粒度アスファルト混合物とポーラスアスファルト混合物ともにμは湿潤路面のそれより0.2程度低くなった.さらに,野外実験から塩化カルシウムの析出やそれに伴うμの低下は実際の道路でも起こり得ることを示した.

  • 寺田 剛, 藪 雅行, 岩永 真和
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_109-I_113
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     土木研究所構内の無人荷重車を走行させている舗装走行実験場において,層間すべりと思われる損傷が発生した.表基層の接着状況を調べるため引張接着試験とせん断試験と供試体を採取する際に切断した断面の目視調査を行うとともに,表基層のはく離や路盤の状況を開削調査で調べ,層間すべりの発生原因を調査した.その結果,層間すべりが発生した原因は,表層と基層の間に水が入ったことによる剥離であること,表基層の間にタックコートを散布していなかったことも,接着不良となり早期に破損した原因と思われる.

  • 若林 由弥, 川名 太, 渡邉 一弘
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_115-I_122
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     近年,早期に損傷が生じたアスファルト舗装において,アスファルト混合物層内の層間はく離が確認されており,その対策が求められている.一方,層間はく離がどのように舗装の劣化に影響を及ぼすかについては明らかにされていない.本研究では,多層弾性解析により層間はく離が生じた場合の舗装内部に生じる応力を計算し,従来の舗装の構造設計では考慮されていない損傷が発生しうることを示した.また,舗装構造を非破壊で診断する手法として多くの調査で使用されているFWDのたわみに着目し,層間はく離が生じた場合のたわみ量の変化や逆解析を行った場合に生じる誤差について明らかにした.さらに,層間はく離を考慮することで誤差を補正できる可能性があることを示し,実道で取得したFWDデータを対象に逆解析を行い,手法の妥当性について検証した.

  • 浅田 拓海, 居駒 薫樹, 長屋 弘司, 亀山 修一
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_123-I_131
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究では,深層学習モデルU-netを用いたひび割れスケッチ手法を開発し,それを導入した簡易カメラ搭載型の舗装点検システムについて検証試験を行った.本システムでは,市販のGPS機能付きカメラで走行しながら路面を動画撮影する.まず,手書きでひび割れスケッチした画像を用いて,モデルの学習とテストを行い,自動かつ高速にスケッチ画像を生成できることを示した.次に,検証試験では,路面性状測定車による10km区間のひび割れ診断結果を正解値として精度を評価した.その結果,精度は,検出率(区分II以上)はAランク,検出率(区分III),的中率(区分II以上),的中率(区分III)はBランクとなった.最後に,目視点検や同型の既往技術との比較を行い,本システムでは,それらよりも舗装劣化箇所の見逃しが少なく,高い精度で点検できることを示した.

  • 窪田 諭, 木下 広翼, 丸山 明, 岡村 正, 中川 均
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_133-I_141
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     地方公共団体による道路パトロールでは,高齢化に伴う技術職員不足,道路の経年過や老朽化の急速な進展により,その需要に対応できない課題があり,道路損傷箇所を効率的かつ早期に発見することが要求される.そこで,本研究では,道路損傷箇所を効率的に発見するために,道路を毎日利用する宅配便事業者の集配車両にGNSS,カメラと加速度のセンサ機器を取り付け,それらのデータを活用して,舗装の損傷を抽出し維持管理することを考えた.そこでは,2017年と2018年に収集したGNSSデータを分析し,走行による地域の網羅性を明らかにした.そして,GNSS,カメラおよび加速度の各データから舗装の損傷を発見する手法を考案し,データ分析によってその可能性と課題を示した.

  • 稲田 裕, 加藤 雅裕, 岩﨑 有佑
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_143-I_151
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     地方自治体の道路の維持管理の課題解決に向けて,実用的な道路の診断/予測技術の開発が求められている.著者らは自治体のアセットマネジメント手法の導入が進む英国に注目し,そこで用いられている道路管理技術の調査,検討を進めてきている.本報告では,英国の画像計測による道路診断技術について,国内の市道において実証試験を行った結果を示す.横須賀市が管理する市道の6割以上の画像データを取得し,損傷診断と劣化予測を実施した.道路診断結果については,一般的な路面性状調査結果との比較を行い,国内での活用可能性を検討するとともに,診断の考え方の共通点や差異を示した.また,現状の診断に留まらず,詳細な診断結果を劣化予測や管理計画に活用するスキームに関して基礎的な検討により有効性を確認した.

  • 坂口 浩昭, 森 飛翔, 菊地 俊明, 入江 健夫, 植田 知孝
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_153-I_160
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究は,地域別・条件別の代表箇所に関する舗装劣化曲線の構築と検証を行った研究1)にて明らかとなった課題である「舗装劣化曲線の管理現場での活用性」を考慮して代表路線の選定し,舗装のひび割れ劣化曲線の構築および検証を行ったものである.これまで,舗装の劣化予測に関する研究成果の多くは,劣化過程の不確実性に対応するため,確率的な劣化予測を用いてきた.しかしながら,分析した劣化予測の結果に対して実測結果にて検証した研究成果は少ない.舗装劣化曲線の管理現場での活用性を考慮し,関東地方整備局管内の国道事務所毎・路線毎の代表箇所を抽出し,路面性状測定結果を用いて劣化曲線を構築し,実測結果により検証した.検証にあたっては既往研究との比較を行うとともに,管理現場で活用可能なツールの作成を行った.

  • 窪田 諭, 畑 亮輔, 西 皐太郎, 何 啓源, 安室 喜弘
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_161-I_168
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     道路構造物は経年過による損傷などの不具合が問題となっており,適切な点検や補修による維持管理が重要である.道路維持管理では2次元データの利用が主流となっていたが,点検者が点検箇所を把握しづらいことや現場の状況を正しく理解できないことがあり,2次元データのみで点検や損傷の状況を理解することは難しい.そこで,点群データを用いて,道路維持管理の高度化を期待できる.本研究では,3次元データを用いた舗装の維持管理の環境を構築するために,地上型レーザスキャナを用いて舗装面を計測して,3次元データを構築し,その精度を評価した.その結果,舗装面の3次元データの結合箇所における点間距離の平均誤差は約3.7~4.7mmであり,勾配は実空間と同程度の値であった.そして,3次元データを点検や補修の情報の管理基盤とする舗装維持管理システムにおける機能を検討した.

  • 森石 一志, 富山 和也, 西川 啓一, 山口 雄希
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_169-I_177
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     ICT舗装工において点群計測に用いられる三次元計測機器は,計測性能や解析プログラムに依存するとともに,活用範囲が限られていることから,さらなる運用の効率化が求められている.そこで,本研究では,代表的な三次元計測機器である地上型レーザースキャナー(TLS)と無人航空機(UAV)に,2基の測位アンテナを有する高性能な全地球航法衛星システム(GNSS)を搭載し,ミリメートルの精度が要求される路面プロファイルを対象に,効率的な点群データの処理方法について検討した.その結果,2基のGNSSアンテナ間隔を最適化し,計測機器に高精度な位置情報と方向角を付与することで,従来手法と同等の計測精度を有しつつ,計測前後の作業工程を省略した三次元計測機器の効率的な運用が可能となることを明らかにした.

  • 田中 志和, 植田 知孝, 成田 健浩
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_179-I_186
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     遮熱性舗装は, 通常のアスファルト舗装と比較して路面温度を低減させることが出来る. しかし, この路面温度低減効果を発揮するために塗布されている遮熱材が経年変化によりはがれることが確認されている. この遮熱材のはがれの評価方法では, 既往文献では撮影した遮熱材の画像を手動でカウントや目視レベルを設定した上で算出する方法が検討されている. しかし, 施工延長が長い現道においてそのような方法で算出することは難しい. そこで, 路面性状測定車により撮影した路面画像を用いて, 現地での遮熱性舗装の遮熱材の定量的なはがれ率の算出に向けた手法を検討した.

  • 岡部 光樹, 髙橋 清, 富山 和也, 萩原 亨
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_187-I_194
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     我が国では,全国的にサイクルツーリズムを推進しているため,自転車走行環境の改善が求められる.しかし,自転車走行環境に大きく影響する路面平坦性の評価手法は確立されていない現状にある.そこで,本研究では,振動台を用いて体感評価実験を行うことで,先行研究で使用した路面プロファイルとは異なる特性を持つデータを使用した場合の,乗り心地との関係性を把握した.また,構築した評価指標を用いて路面管理手法の検討を行った.その結果,構築した評価指標は振動台のデータを適用した場合でも自転車の乗り心地を反映できることが明らかとなった.さらに既存研究をもとに路面管理の基準となる値を求め,良い路面及び悪い路面を判断する基準値を提案した.

  • 白井 悠, 川上 篤史, 寺田 剛, 姫野 賢治
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_195-I_202
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究は,ラフネス波長領域と転がり抵抗の速度依存性に関する要因分析を目的に検討を行った.検討では転がり抵抗係数を1m区間毎に細分化し,速度,およびラフネス波長領域との関係について分析した.その結果,ある特徴を持った路面形状の通過時に発生する抗力が速度依存性の要因の一つであると推察した.この検証のために,ウェープレット解析のリフティングスキームを用いた方法により転がり抵抗が増加する特徴的な形状の検出を試みた.その結果,検出点と転がり抵抗が増加する箇所が概ね一致した.上記検証により,特徴的な路面形状が転がり抵抗に影響を及ぼしていたとともに,速度依存性の影響要因一つであったことを明らかにした.

  • 川島 陽子, 新田 弘之
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_203-I_209
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     アスファルトの構成成分であるアスファルテンが凝集して塊になると,舗装材料としての性能を低下させる恐れがあるため,アスファルテンの凝集特性を解明することは,アスファルトの品質を確保する上で重要であると考えられる.著者らはこれまでに,アスファルテンの荷電特性が劣化や再生によって変化し,それに伴い凝集分散特性も変化することを明らかにしてきた.本研究では,アスファルテンの荷電特性に影響し得る要因を整理し,各条件下でのアスファルテンの荷電特性を検証した.その結果,繰り返し再生による酸化劣化の進行により,ゼータ電位の絶対値が高くなることが示された.また,アスファルテンとレジンの混合懸濁液の荷電特性は劣化した成分の影響が反映されるが,劣化していない成分を含むと,低pHで凝集沈殿した.さらに,非水系溶媒中では,アスファルテンの相互作用において静電的斥力の寄与が小さくなることが示唆された.

  • 佐々木 厳, 新田 弘之
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_211-I_216
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     アスファルト舗装のひび割れは,接着剤であるアスファルトバインダが脆化した場合に交通荷重や温度変化等により生じる.アスファルトの劣化は主に酸化反応であるが,施工時や夏季等の高温状態のほか,特に舗装表面では紫外線による影響が懸念される.バインダ単体での試験や現場採集材の分析等の知見は多いものの,アスファルト混合物での紫外線劣化を評価した研究は少ない.本研究では,アスファルトコンクリート平板への強い紫外線の照射を行い,アスファルトとその混合物の劣化挙動を検討した.その結果,表面近傍ほど劣化が大きいこと,アスファルト劣化は混合物の締固め度の影響が大きいこと,積算紫外線量に応じて舗装表面での劣化が進行することがわかった.また,表面処理材を塗布して紫外線遮蔽することにより劣化抑制できることを確認した.

  • 竹林 宏樹, 馬場 弘毅, 近松 稔之, 高橋 茂樹
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_217-I_225
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     アスファルト舗装の長寿命化を図る上で,雨水の浸透を抑制することと,層間接着力を高めることは重要であり,かつ最もシンプルな対策方法である.しかし,これらの手法を適切に評価できる手法はまだ確立されていない.そこで本検討では,アスファルト舗装のコールドジョイントに対する負荷を想定し,走行車両を模擬した半断面ホイールトラッキング試験を提案し,せん断試験と加圧透水試験の結果から施工継目における接着性と止水性について評価を行った.一方,アスファルト舗装の各層間に用いられるタックコートについては,引張接着試験など混合物に荷重を与える試験が用いられることが多いが,実道における長期的な接着力の評価が適切に行えているか懸念が残るため,アスファルト混合物の層間に繰返し水圧を加え,水による付着切れを再現する試験装置を新たに開発し,これを用いた試験方法を検討した.

  • 横田 慎也, 澁谷 啓, 鎌田 修, 久利 良夫, 青木 康素
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_227-I_235
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     既設アスファルト混合物の劣化性状を確認するためには,現地採取コアを用いた試験が必要と考えられるが,橋面舗装のように比較的薄層のコアを評価しようとする場合,既存の試験が適用できない場合がある.これまで筆者らは,薄層供試体でも試験可能な繰返しねじりせん断試験機を開発し,アスファルト混合物の力学的特性を十分に評価できることを示してきた.本研究では,供用時の劣化を模擬した室内作製供試体による繰返しねじりせん断試験を実施し,各種劣化の違いが試験結果に与える影響を明らかにした.そして,アスファルト混合物の劣化による力学的特性の変化を評価できることを示した.また,得られた知見から,アスファルト混合物の劣化評価指標策定方法について検討した.

  • 今井 宏樹, 高橋 修, 中西 弘光
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_237-I_244
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     実舗装から採取した切取コアに繰返し圧縮引張試験を行って,アスファルト混合物層のダメージ状態を考察するためには,供試体の疲労ダメージ状態が試験データから得られる特性値によって評価できることが必要とされる.本研究では,Superpave Gyratory Compactorによって締め固めたアスファルト混合物を使用して繰返し圧縮引張試験を実施し,供試体の疲労ダメージ状態を関係づける粘弾性パラメータを導出して,その妥当性について検討した.その結果,アスファルト混合物の疲労ダメージ状態は,繰返し載荷過程におけるエネルギー履歴を評価することによって,ある程度の説明ができることを確認した.その評価には,供試体内部に散逸したエネルギーの総和となる累計散逸エネルギーと位相角の関係が有効であった.

  • 上野 千草, 井谷 雅司, 丸山 記美雄
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_245-I_250
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     平成22年の舗装再生便覧改訂において,再生アスファルト混合物の新たな設計法として,設計圧裂係数を用いた配合設計法が追加された.しかし,この中では北海道地域で用いられている針入度規格80-100(1/10mm)に対応した設計圧裂係数は定められていない.このため,北海道地域においては圧裂係数を用いた配合設計,および圧裂係数を用いた再生骨材の品質管理が進んでいないのが現状である.本研究では,既存の設計針入度による配合設計法で作製された針入度規格80-100(1/10mm)の再生アスファルト混合物における圧裂係数を把握し,圧裂係数を用いて再生混合物の配合設計を行う上で必要となる設計圧裂係数の検討を行った.この結果,針入度規格80-100(1/10mm)に対応する設計圧裂係数は0.25~0.40MPa/mm程度が妥当との結論に至った.

  • 川上 篤史, 新田 弘之, 藪 雅行, 掛札 さくら, 川島 陽子
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_251-I_259
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     わが国のアスファルト舗装の再生利用は40年程度行われており,再生骨材は場所によっては複数回は再生利用されていると考えられる.舗装のリサイクルを永続的に実施していくためには,繰り返し利用を前提にした,再生用添加剤や再生骨材配合率の影響を明らかにする必要がある.そこで,本研究では,成分組成の異なる2種類の再生用添加剤および4水準の再生骨材配合率の再生アスファルト混合物を繰り返し劣化・再生させ,その性状変化や影響を室内実験により検討した.その結果,再生用添加剤の組成や再生骨材配合率によって,新規混合物からの性状の変化に差異が生じ,特に,高温時のひび割れ抵抗性が低下することが明らかになった.さらに,高温時のひび割れ抵抗性の評価法として高温カンタブロ損失率や圧裂強度比の適用可能性について検討した.

  • 安藤 政浩, 亀山 修一, 門田 誠也, 向後 憲一
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_261-I_267
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     わが国の中温化技術は開発後20年以上を経過しているが,中温化アスファルト混合物の年間製造実績は,全体の約0.3%に留まっており,その要因は中温化剤の添加に伴う製造コストの増加が考えられる.製造コストに優れた中温化技術としてはフォームドアスファルト(以下,フォームドAs)があるが,再生混合物に適用する場合は新規アスファルト量が少ないため,中温化効果が低減する課題がある.本研究では再生混合物の中温化を行うため,フォームドAsに発泡補助剤と締固め改善剤を併用する方法を開発した.その結果,再生骨材配合率60%の混合物に関して,製造温度を30℃低減しても,標準温度の混合物と同等の締固め特性が得られた.また,この方法を実機プラントに適用し,良好な締固め度と作業性を確保できることを明らかにした.

  • 山中 光一, 峯岸 邦夫, 小野寺 貴史, 黄 亮, 柳沼 宏始
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_269-I_277
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     透水性舗装のフィルター層には,従来では良質な砂が用いられてきたが,フィルター層としての役割に加え路床土の路盤への侵入を防ぐことを目的に不織布を利用する場合がある.この場合での不織布の必要性能は,既往研究より目付量200g/m2が必要とされているが,運搬時の重量や路面施設周辺におけるカッティングの容易性が課題となっている。本研究では,不織布の目付量を減らし表面を割繊維で強化した不織布に対して,ローラコンパクタ試験機を用いた損傷試験による耐久性評価,実施工による現場試験の路面性状より表面強化不織布の必要性能の検討を行った.その結果,表面を割繊維で強化した不織布のフィルター層としての必要性能は,損傷試験による耐久性および現場試験の結果より,目付量131g/m2以上が望ましいということがわかった.

  • 若月 洋朗, 木幡 行宏, 玉山 大助, 三田地 利之
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_279-I_287
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     本研究は,応力依存性と排水条件の違いが路床土の変形係数に及ぼす影響を適切に反映させた変形係数推定法の提案をめざしたものである.まず,ベンダーエレメント併用繰返し三軸試験(以下,CTX-BE試験)を物理特性の異なる土質材料(豊浦砂,洪積砂,まさ土,沖積粘土,ローム)に適用して,排水・非排水両条件下でのせん断剛性率G,変形係数Eと平均有効主応力σmの関係を得た.さらに,せん断剛性率Gが間隙比eの影響を強く受けることを踏まえ,CTX-BE試験で測定されたGを間隙比関数f(e)で補正して,土質毎のG-e-σm関係の特徴と傾向をより明確に把握した.その上で,異なる排水条件下での材料固有の関係式E/f(e)=Aσmnを求め,間隙比と応力だけをパラメータとした変形係数の簡易な推定式を提案した.

  • 川端 伸一郎, 亀山 修一, 内海 正徳, 足立 浩, 中村 強
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_289-I_296
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     凍上被害がみられた舗装に路上路盤再生工法(CAE工法)を試験的に施工し,寒冷地におけるCAE工法の適用について検討した.室内試験から,CAE工法によって路盤のCBRを200%以上に改良することが可能であることが分かり,既往研究との比較からCBRを150%以上改良すると十分な凍上抑制効果が期待できることを示した.CAE工法の凍上抑制効果を直接的に検証するため,凍上性の試料に対してCAE工法を実施した結果,凍上性が40%以上低下することを明らかにした.また,原位置観測からもCAE工法には明確な凍上抑制効果が確認され,CAE路盤の剛性が凍上抑制に寄与した可能性が高いと考えられた.さらに,融解期にみられる平たん性の悪化や支持力の低下に対してもCAE工法は有効な結果を示した.

  • 高石 将平, 海野 寿康, 馬場 弘毅, 飯高 裕之
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_297-I_304
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     アスファルト安定処理路盤材料に含まれるアスファルト乳剤の添加量が粘着力c'と液状化抵抗に与える影響について非排水三軸圧縮試験および繰返し三軸試験を実施して把握を試みた.その結果,乳剤添加量を増やすことで粘着力c'は増加し,乳剤添加量17%の時,粘着力はc'=12.0kN/m2と最大値になった.一方,繰返し載荷回数20回で液状化するせん断応力で液状化抵抗を規定する液状化強度比RL20を用いて評価した場合,乳剤添加量10%の時RL20=0.27となり,これ以上添加量を増やしても液状化強度比RL20に変化は認められなかった.ただし,載荷するせん断応力が小さい場合においては,乳剤添加量の増加にともない液状化抵抗は増加する結果となった.

  • 伊藤 壱記, 桃谷 尚嗣, 木次谷 一平, 高橋 貴蔵
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_305-I_313
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     バラスト軌道の保守コスト削減のため,既設線省力化軌道が開発されたが,軟弱地盤上に敷設された一部の既設線省力化軌道では,供用数年で修繕が必要な状態となり,保守に苦慮している現状がある.そこで,本研究では新たに敷設する既設線省力化軌道を対象とした路盤改良工法を開発するため,実物大軌道模型を用いた繰返し載荷試験を行い,路盤改良後の既設線省力化軌道の変形特性を評価した.その結果,実物大軌道模型に用いた路床土の繰返し三軸圧縮試験により,路盤改良を適用した場合の既設線省力化軌道の塑性沈下を推定できることがわかった.さらに,路盤改良を適用した場合のてん充道床に生じる応力の低減効果を確認した.

  • 渕上 翔太, 中村 貴久, 高橋 貴蔵, 桃谷 尚嗣
    2020 年 76 巻 2 号 p. I_315-I_323
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/02
    ジャーナル フリー

     砂州地域に敷設されている砂路盤上のバラスト軌道においては,バラストの細粒分および外部から飛来した砂が道床内に堆積することにより排水性が低下し噴泥を生じている事例がある.当該区間ではバラスト軌道に係る保守量の低減のために超微粒子セメントミルクを道床内に注入するSFCてん充道床軌道の適用を検討しており,本研究では実験的および解析的な手法により砂路盤上における同軌道の沈下特性を検討した.現地の軌道を再現した実物大のSFCてん充道床軌道の繰返し載荷試験,円柱供試体の繰返し三軸圧縮試験および有限要素解析の結果から,検討対象とした砂路盤上に敷設された明かり区間のバラスト軌道に対してSFCてん充道床軌道を適用できる見通しを得た.

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