土木学会論文集F5(土木技術者実践)
Online ISSN : 2185-6613
ISSN-L : 2185-6613
70 巻, 2 号
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和文論文
  • 進藤 魁仁, 柳沢 吉保, 加藤 博和, 高山 純一, 増尾 昭彦, 坂爪 武
    2014 年 70 巻 2 号 p. 11-25
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル フリー
     利用者の減少が続いた長野電鉄屋代線は2012年3月に廃止され,代替バスが翌年4月1日から運行された.本研究は,代替バスの利用状況を調査分析し,導入時の検討課題の整理と利用促進を図るための運行改善策を検討することを目的としている.具体的な調査は,(1)3回の乗降調査,(2)代替バス利用者アンケート調査,(3)代替バス非利用者アンケート調査,(4)代替バス走行実態調査を集計分析し,代替バスからの乗客逸走の原因および運行サービスの改善案を検討した.その結果,非利用者の多くは自転車を利用していた.
  • 沼尻 了俊, 神田 佑亮, 藤井 聡
    2014 年 70 巻 2 号 p. 26-45
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     コミュニケーションを中心とした一連の交通政策を指すモビリティ・マネジメント(MM)は,交通問題の本質的改善のために,長期的・継続的な展開が不可欠である.我が国で取り組まれて10年以上が経過し,数多くのプロジェクトが実施されてきたが,実際にはその多くが短期間で終了している.
     本研究では,MMが継続的に行われており,その効果が顕著であると評価されている都市の実態をヒアリングによって明らかにした.その結果,自治体の首長の政策的判断,MMの取組の中心に位置するキーパーソンの存在と取り組む姿勢,プラットホームの存在,関係者の「まちを良くしたい」という強い意志,そして,MMの実施戦略がMMを継続させるために必要であることが示唆された.
  • 南 正昭, 添田 文子, 平井 寛
    2014 年 70 巻 2 号 p. 46-55
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/20
    ジャーナル フリー
     東日本大震災からの復興まちづくりが進められつつある.しかし,壊滅的な被害を生じた地域ではコミュニティの機能が停止し自治会組織等の合意形成の素地を失っている場合もあり,生活の再建や安全なまちづくりに向けて,未だ課題が山積している.被災地・被災者の状況に応じたコミュニティ基盤再生の支援技術が求められている.
     本論文では,住民主体によるコミュニティ基盤再生の支援を目的とし,宮古市田老地区での実践に基づき,被災現場の観察と被災者との対話を重視した「7段階コミュニケーション技法」とよぶ支援技術の開発を進めてきた成果をまとめた.被災地における観察・対話・場起こし・言葉起こし・糸口探し・実践プラン作成等のプロセスを通して,被災コミュニティの状況把握や被災住民の主体的な取り組みへの支援が可能になることを示した.
  • 高田 知紀, 豊田 光世, 梅津 喜美夫, 桑子 敏雄
    2014 年 70 巻 2 号 p. 56-68
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,公共工事の展開が難しい水辺空間において,具体的な自然再生を実現するための手法として「市民工事」を提案することである.「市民工事」の概念は,新潟県・佐渡島の加茂湖における実践活動から導出した.加茂湖は制度的に法定外公共物として位置付けられており,公共事業によって自然再生を実現することが困難であった.そこで,加茂湖再生に向けた市民組織を設立し,地域住民が自らの手で具体的な湖岸再生事業を実施した.本研究ではその経緯に考察を加え,地域の自然環境を「コモンズ」として,地域に根ざすかたちで再生していくための有効な方法論として「市民工事」を位置付けた.
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