土木学会論文集F5(土木技術者実践)
Online ISSN : 2185-6613
ISSN-L : 2185-6613
75 巻, 1 号
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和文論文
  • 前田 近邦, 兼子 隆右, 酒井 浩平, 黒須 秀明, 青木 一也
    2019 年 75 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

     経済発展が著しい開発途上国において新規道路建設と並行して維持管理の問題を包括的に考える道路アセットマネジメントの取り組みが進んでいる.アセットマネジメントシステムの導入には,定期点検の実施による信頼性を確保したデータの蓄積が必要不可欠であり,定期点検のための機材を導入する場合がある.しかしながら,これまで定期点検が実施されていない国において新たに機材を導入する場合,取得されるデータの信頼性を検証するプロセスが確立されていない.本論文ではエチオピア国アディスアベバ市が管理する道路を対象とし,道路舗装のコンディションを計測する点検機材を導入しその取得データの信頼性を検証した実践的取り組みを評価し,その結果から得られた知見を一般化しデータの信頼性を検証するプロセスを提案する.

  • 筒井 勝治, 冨岡 健一, 瓦崎 雅樹
    2019 年 75 巻 1 号 p. 10-21
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル フリー

     ラオス国のナムニアップ 1 水力発電所では,167mのコンクリート式重力ダムと27万kWの発電所を建設している.ダムの建設によって,大規模な貯水池ができる.そこには約500世帯 3,500人の住民が住んでいた.住民の多くは,少数民族のモン族で,山間部の電気,水道,電話もないところに住み,焼き畑,狩猟や森林からの産物の採取を収入源としていた.また,父系社会で一夫多妻制が続き,精霊崇拝に基づく独特の文化を継承してきた.住民との移転交渉は困難を極め,長い間なかなか進展しなかった.その反対理由は同国における過去の移転の失敗や,少数民族モン族の歴史的背景や,将来への不安であり,これらに対しどうやって住民が移転に了解するまでに至ったかを,調査・計画,補償のプロセスをたどりながら,明らかにした.

  • 小林 潔司, 中谷 昌一, Nam Toan TO , 大迫 湧歩, 青木 一也, 安部倉 完, Dinh Thao NGUYEN
    2019 年 75 巻 1 号 p. 22-41
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    ジャーナル フリー

     開発途上国に橋梁マネジメントを導入する場合,1)既存インフラに関するインベントリーデータが整備されていない,2)目視点検に関するデータが蓄積されていない,という問題がある.橋梁マネジメントを導入するにあたり,橋梁の建設時点に関するデータが入手可能であれば,目視点検を1度実施することにより劣化過程のモデル化が可能である.しかしながら,開発途上国では橋梁の建設時点にする情報が欠損することが少なくない.本研究では,一部の橋梁の建設時点に関するデータが欠損しているような不完全なデータベースを用いて,橋梁の劣化予測モデルを推計する方法論を提案する.さらに,ベトナムの橋梁を対象とした実証分析を通じて,本研究で提案した方法論の有効性について考察する.

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