本研究では,大規模地震災害が発生した際,首都圏郊外部に通勤している者の帰宅/滞留の選択意識についてモデル分析を行い,想定帰宅者数を明らかにした.その結果,「家族の安否確認が取れないこと」,「家族に小学生以下の子供がいること」,「運転免許を保有していること」が,帰宅の選好意識を高めることが明らかとなった.一方,「車道混雑」,「歩道混雑」,「鉄道の復旧の目途なし」「火災に巻き込まれる危険」,「建物倒壊による被害の危険」,「周囲にケガ人がいること」,「自宅までの距離が遠くなること」は,帰宅の選好意識を低下させる要因であることが明らかとなった.また,想定帰宅者数は最も多い場合は,自動車が28,950人,自転車,徒歩利用者が,57,840人という結果となった.
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