FRPは軽量かつ腐食環境において腐食しないという,他の材料では得難い特長を有するが,製造方法が鋼やコンクリートとは異なる点などから,これを適切に活かす設計手法の確立にあたり,FRP部材の実情にあった情報・データの取得と,これらに基づく部分安全係数の設定が必要となっていた.しかし,FRPは土木構造材料としての活用はまだコンクリートや鋼に比べてまだ日が浅く,土木構造材料としての適用を前提としたFRP部材の挙動に関するデータの拡充と整理が課題となっていた.
このため,FRP複合構造研究小委員会(H208)においては,FRPの性状変動要因など,FRPの部分安全係数設定に必要な事項を検討・データ収集を,実験をはじめ,文献調査,実態調査などを通して実施した.本報告ではこれらの活動の主たる成果をまとめた.
抄録全体を表示