土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
72 巻, 1 号
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和文論文
  • 小泉 勝彦, 平井 俊之, 村上 巧一, 菅野 高弘, 森川 嘉之, 二宮 裕介, 山中 稔
    2016 年 72 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
     地震津波に対する海岸護岸などの要求性能として,護岸が地震によっていくらか損傷を受けても津波の侵入さえ防げれば良いとする考え方がある.本論文は,このような考え方による鋼矢板壁を用いた津波対策に関する研究である.本論文に示す鋼矢板壁は,非液状化層まで打設した長い鋼矢板と津波を防ぐ壁を成す短い鋼矢板を組み合わせて施工し,櫛状とした鋼矢板壁である.本論文では,既往の模型振動実験に対する鋼矢板に発生する曲げモーメントの解析,本研究で行った遠心場模型実験の結果と鋼矢板に発生する曲げモーメントの解析結果について記す.結論として,遠心場模型実験の結果から鋼矢板壁が津波対策として有効であること,鋼矢板壁に作用する最大および最小モーメントを解析によって概ね計算可能であることを示す.
  • 阿部 慶太, 名取 努, 小湊 祐輝, 関口 琢己, 山野 明義, 王 林
    2016 年 72 巻 1 号 p. 21-40
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
     鉄道橋梁橋脚では,河床低下や近接施工等により,橋脚の安定性に関する健全度の低下が生じる.現状,この健全度の評価は,河川の澪筋の変化等を目視確認する定性的な評価や衝撃振動試験から得られる固有振動数で評価されているが,橋脚に常設した計測器で健全度を状態監視する手法により,検査の効率化等による維持管理コストの低減や高頻度の健全度診断による高安全性な鉄道の実現が期待できる.本研究では,橋脚の安定性に関わる健全度の状態監視手法の構築を目的として,橋脚の固有振動数と相関を有する健全度診断指標を新たに提案し,橋脚に常設した加速度計で長期計測したデータから橋脚の健全度を評価する手法を提案した.また,骨組み解析モデルを用いて,橋脚の健全度を推測する手法を提案した.
  • 中村 秀治, 山崎 智之, 本郷 榮次郎, 大野木 亮太, 土田 陽一
    2016 年 72 巻 1 号 p. 47-60
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
     近年の大地震を契機として,基幹送電線などの重要な既設送電鉄塔については,レベル2地震動に対する耐震性を動的解析により確認し,対策を施す事例が増えている.減衰定数は人工加振による自由振動試験などの観測データを参考に,鋼管鉄塔で1%,山形鋼鉄塔で2%が用いられるが,レベル2震源断層と地下構造の設定次第では極端に厳しい検討用地震波となり,減衰定数の設定が評価結果を大きく左右することも稀ではない.本論文においては.送電鉄塔の耐震性能向上を図る一環として,主柱材と斜材の接合部に鉛充填せん断ボルト継手を用いた鉛ダンパーの履歴特性を明らかにし,鉛ダンパーを実鉄塔に用いた場合の応答低減効果を解析的に検討して,レベル2地震時に期待される等価減衰定数について解析的に明らかにしている.
  • 関屋 英彦, 横関 耕一, 木村 健太郎, 小西 拓洋, 三木 千壽
    2016 年 72 巻 1 号 p. 61-74
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     MEMS加速度センサを用いた社会基盤モニタリングが注目されている.加速度センサを用いたモニタリングによって得られる活荷重に対する変位応答は損傷箇所および損傷原因の特定を可能にし,橋梁の維持管理を効果的に行う上で重要である.ただし,加速度を数値積分することで変位を算出する方法は,加速度センサの測定誤差が変位応答算出結果に大きく影響を及ぼす上,境界条件の設定が困難である.本研究では,まず対象周波数帯およびその周波数帯における加速度センサのノイズレベルの把握を行った.次に,橋梁の自由振動に着目することによって,活荷重に対する変位応答を算出する手法を提案し,加速度センサの測定誤差が変位応答算出結果に及ぼす影響を数式的に明らかにした.そして,実橋梁において実証実験を行い,提案手法の有効性を示した.
  • 橋本 国太郎, 大塚 浩介, 杉浦 邦征, 杉山 裕樹, 金治 英貞
    2016 年 72 巻 1 号 p. 75-91
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,実構造に適用された鋼管集成橋脚のせん断パネルに着目し,せん断パネルの幅厚比パラメータやアスペクト比,さらには,フランジウェブ板厚比などの構造パラメータが変化した場合の本橋脚の耐震性能を検討することを目的としている.本論文では,既往の実物大のせん断パネルの実験結果を基にせん断パネルの解析モデルを構築し,せん断パネルの各種構造パラメータを変化させた正負交番挙動解析および地震応答解析によって,本構造の変形性能やエネルギー吸収能などの耐震性能を解析的に検討した.
     パラメトリック解析に基づき,アスペクト比の影響を考慮したせん断パネルの限界せん断ひずみの推定式を新たに提案した.また,地震応答解析結果よりせん断パネルの各構造パラメータと応答値との関連性を見出した.
  • 森山 仁志, 田畑 晶子, 山口 隆司, 藤林 美早
    2016 年 72 巻 1 号 p. 119-132
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     高力ボルト摩擦接合継手の支圧耐力を考慮した限界状態設計法の適用を考えた場合,具体的な支圧限界状態の定義とそれに対応した合理的な支圧耐力評価法の確立が必要となる.しかし,すでに限界状態設計法に移行しているEurocodeにおいてもボルト孔の変形などの変形性状に関する規定はなく,わが国においても規定されていない.著者らはこれまでに,1行1列継手の引張試験を行い,ボルト孔の変形量に基づく支圧耐力を明らかにした.本研究では,この試験結果を踏まえ,ボルトピッチおよび列数をパラメータとした1行2, 3列継手の引張試験を行い,継手全体の支圧耐力と各ボルト孔の変形量の関係を明らかにした.その結果,ボルトピッチと軸平行部径の比p/dを4.5以上とすれば,継手全体の支圧耐力はボルト1本あたりの支圧耐力のボルト本数倍となることを示した.
  • 岩田 直泰, 山本 俊六, 野田 俊太, 是永 将宏
    2016 年 72 巻 1 号 p. 133-147
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     地震時において施設の被災等が懸念される場合,鉄道事業者は安全確保のため可能な限り早く列車を停止させる.地震時の早期列車停止では,特に新幹線に対し停止信号の即時的出力を目指す早期警報用地震計を用いた地震防災システムが導入されている.このシステムは過去の地震において迅速に警報を出力するなど有効に機能した実績を持つ.一方,近年の地震防災に対する社会的要請の高まりを受け,地震計の機能強化による安全性の向上が望まれている.早期警報用地震計では,即時的に地震の位置と規模を推定する機能,ならびに誤警報防止の観点から計測された振動が地震動かそれ以外かを識別する機能が特に重要である.本論文では,両機能の強化に向けた新たなアルゴリズムを示すと共に,現行手法に対する提案手法の有効性の検証結果について述べる.
  • 河野 哲也, 山野辺 慎一, 曽我部 直樹, スンワリパン シャンヤコン , 真田 修
    2016 年 72 巻 1 号 p. 148-165
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     ここで提案するRC構造は,高密度ポリエチレン管(PE管)で被覆されたRC製ダンパ部と,ダンパ部の固定機構と円弧拘束機構を有するRC製取付ブロック部で構成される.本構造の1つめの特徴として,ダンパ部を円弧形状で拘束する機構を取付ブロック部に配置することで,ダンパ部を設定曲率で曲げ変形させることを可能とし,2つめの特徴として,ダンパ部をPE管で被覆することで,塩害等に対する耐久性向上と,ダンパ部のかぶりコンクリートの横拘束効果と剥落防止効果の向上を図っている.本研究では,繰返し載荷実験により,本構造が従来RC部材の2倍以上の最大変形量での繰返し変形性能と,数十回以上の多数回繰返し載荷に対して安定した変形性能を有することを確認し,シミュレーション解析により本構造の変形メカニズムを評価した.
  • 村越 潤, 石原 大作, 澤田 守, 山口 隆司
    2016 年 72 巻 1 号 p. 166-175
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     部材の簡素化,構造の合理化を図った鋼橋の普及により厚板の部材が使用されるようになり,現場継手部にも厚板・多列の高力ボルト摩擦接合継手が適用される場合がある.本検討では,接触面を無塗装とした高力ボルト摩擦接合継手を対象としてすべり耐力試験を行い,母板厚やボルト列数等の構造諸元が,すべり係数に与える影響について検討を行った.母板厚を50,75mmと変化させ,ボルト列数を3,8,12列とした試験体を系統立てて試験した結果,すべり係数は0.4を上回ることを確認した.ただし,ボルト列数の増加に伴い,すべり耐力時の母板と連結板間のずれ挙動が継手内において不均一となること,8列と12列の試験体を比較した場合,母板厚50mm,75mmの場合ともに,すべり係数(平均値)が約3%低下することが確認された.
  • 高橋 良和, 小林 望
    2016 年 72 巻 1 号 p. 176-191
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,同一設計・同時製作16体のRC柱供試体の一斉加振実験を行うことにより,動的応答の不確定性を評価することを目的としている.定量的評価の前提となる供試体における不確定性を整理するとともに,実験において供試体に入力された地震動の不確定性を評価した.次に,非線形応答加振における供試体の地震応答・破壊特性や16体の供試体の挙動のばらつきに関して考察し,平均・標準偏差・変動係数,そして分布形状について評価した.また,特に耐震設計において重要な指標となる最大応答・残留変形・減衰特性について,それらを定量的に評価し,骨格曲線上を移動する最大応答値は,非線形応答であっても,そのばらつきは大きくないこと,また減衰特性は線形応答時に5%程度であるものの,そのばらつきは大きいこと,などを明らかにした.
  • 松本 理佐, 石川 敏之, 塚本 成昭, 粟津 裕太, 河野 広隆
    2016 年 72 巻 1 号 p. 192-205
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     鋼床版の垂直補剛材上端の溶接部から多数の疲労き裂が報告されている.本研究では,当該溶接部に発生したき裂を対象とした各種補修法の補修効果を板曲げ疲労試験によって比較・検討した.比較する補修法は,グラインダー処理によるき裂の切削法,ICR処理工法,ストップホール法である.疲労試験結果から,グラインダー処理によるき裂の切削法,ICR処理工法では,低応力範囲では疲労き裂の再発生を予防できることがわかった.一方,ストップホールでは,デッキプレート側のストップホール縁をグラインダー処理で仕上げを行わない場合,低応力範囲でもストップホール縁から疲労き裂が再発生することが示された.また,有限要素解析を行い,各種補修法の疲労寿命延命効果を定性的に評価した.
  • 白旗 弘実, 上栗 拓真
    2016 年 72 巻 1 号 p. 206-219
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     鋼床版溶接部の疲労損傷において,本研究は閉断面縦リブとデッキプレートとの溶接部に発生する疲労き裂を対象としている.対象の疲労き裂検出に特化したフェーズドアレイ超音波探傷システムを構築することが目的である.フェーズドアレイ超音波探傷は可変角で入射波を送信したり,任意の点に入射波を収束させることができる.1素子ごとの送受信の組み合わせで波形を収録し,コンピュータ上でソフト的に収束を再現する方法も検討されている.両探傷法でスリットを有する試験片による実験を行い,開口合成による画像化手法を構築した.疲労試験および探傷試験を行い,疲労き裂の検出性能を調べた.1素子ごとの送受信で波形を収録し,ソフト上で重ね合わせる方法のほうが精度が高く,デッキ進展き裂でき裂高さ2~3mmから検出できるという結果が得られた.
  • 立花 嵩, 白土 博通, 岡本 光生, 和田 光平, 張 東明, 角 和夫, 八木 知己, 服部 洋, 古賀 光彦
    2016 年 72 巻 1 号 p. 220-233
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
     強い横風に起因する車両の横転事故は今もなお全国各地で発生している.本稿は走行中の大型車が横風により転倒する際,車両へ作用する空気力に着目することで,風特性・車両特性相互の視点から総合的に車両横転のメカニズムを解明することを目的とした.地面による風速欠損の影響を考慮した空気力係数,及び現地の風特性に基づく閾値超過確率を踏まえたガストファクターを算出し,また角運動方程式による横転発生時の風況検討,風洞試験・現地車両走行試験に基づく過渡空気力の考察を行うことで,車両が横転に至る際の現地風況条件(平均風速・風向)をまとめた横転リスク判断図を作成した.風況予測の精度確認手法をも併せて示し,横転判断システムの現場適用性について考察した.
  • 末崎 将司, 岡田 太賀雄, 星隈 順一
    2016 年 72 巻 1 号 p. 234-249
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
     2011年の東北地方太平洋沖地震では,短周期帯で強い加速度応答スペクトル特性をもつ地震動が観測された.このような地震動に対して橋脚自体が単独で振動する高次モードでの共振が懸念される上部構造をゴム支承で支持した橋を対象に,その動的挙動を明らかにするため,1/4縮尺模型による振動台実験を行った.その結果,動的解析結果と同様に短周期でRC橋脚自体が振動する挙動が確認された.一方,RC橋脚自体が短周期で振動する地震応答は,ひずみ速度効果及びディープビーム効果により,主にRC橋脚のせん断耐力を高める挙動となることを示した.また,結果の分析から,曲げ破壊型のRC橋脚は,仮にRC橋脚自体の振動で柱基部が曲げ降伏したとしても,長周期化することでRC橋脚の応答は増幅しにくくなり,破壊に至りにくいことを示した.
  • 党 紀 , 五十嵐 晃, 村越 雄太
    2016 年 72 巻 1 号 p. 250-262
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
     水平2方向の地震動を受ける免震橋の合理的な耐震設計手法を確立するため,水平2方向に載荷を受けるゴム支承の履歴復元力特性を検討するとともに,新たな2方向復元力モデルを提案する.まず,静的載荷実験から水平2方向載荷された高減衰ゴム支承(HDR-S)の履歴復元力の特性を抽出した.さらに,既存の履歴復元力モデルによる荷重と載荷実験の結果の間に相違が生じる原因を分析し,それに基づき修正Park-Wenモデルを提案した.修正Park-Wenモデルはバイリニアモデルと比較し,高減衰ゴム支承の2方向載荷に特徴的な復元力特性を表現できる優位性を持ちながら,パラメータ数は少ないことが特徴である.ハイブリッド実験の結果により,修正Park-Wenモデルによる高減衰ゴム支承の地震時復元力の評価と動的応答解析の妥当性を確認した.
  • 青木 康素, 石川 敏之, 河野 広隆, 足立 幸郎
    2016 年 72 巻 1 号 p. 263-278
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
     道路橋での鋼床版上面において,橋面舗装のひび割れや舗装と床版界面との付着切れに起因する雨水の浸入や,冬期の凍結防止剤の散布による塩分供給の影響で,デッキプレート上面で腐食減肉が生じることが確認されている.これまで,短時間で施工し交通影響を小さくすることが可能な片面当て板接着補修に着目し,小型試験体を用いた曲げ試験とFEAにより,補修効果について検討してきた.
     本研究では,腐食減肉を想定した断面欠損を有する実物大鋼床版試験体を用いて,輪荷重載荷試験(静的・疲労)とFEAにより,輪荷重載荷時の断面欠損の大きさや位置の違いによるデッキプレート近傍の応力の変化と片面当て板接着補修の補修効果を検討した.また,小型試験体検討での力学モデルによる必要板厚設計法が整合することを確認した.
和文報告
  • 松村 政秀, 小野 潔, 吉山 純平, 山口 隆司
    2016 年 72 巻 1 号 p. 92-106
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,薄肉箱形断面部材の耐荷力および荷重-変位関係を載荷実験により明らかにしている.まず,短柱を対象とした純圧縮力載荷実験を実施しその耐荷力特性を明らかにする.つぎに,両端が回転支持された長柱を対象として偏心軸方向力を単調漸増および繰返し作用させる載荷実験を実施し,板パネルの局部座屈,部材の全体座屈およびそれらの連成,軸方向力の繰返し作用が,耐荷力性状に与える影響を明らかにする.その結果,今回実施した実験結果に基づくと,軸方向力の載荷方法の違いが長柱の耐荷力に及ぼす影響は小さく,柱の耐荷力を単調漸増させる載荷方法により算定できること,板の局部座屈が生じない場合には柱の耐荷力は骨組解析により算定できることを明らかにした.
  • 坂井 公俊, 本山 紘希, 室野 剛隆, 盛川 仁, 荒木 正之, 松田 滋夫, 浦口 尚貴
    2016 年 72 巻 1 号 p. 107-118
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/20
    ジャーナル フリー
     地震時の地盤・構造物挙動の詳細な把握および地震応答解析等の各種シミュレーションの精度検証のためのデータ取得を目的として,地盤~高架橋の高密度地震観測システムを構築した.本観測システムの構築においては,実用ダイナミックレンジ24bit,サンプリング周波数200Hzのデータロガーを活用することで,極めて高精度な観測を実現している.また本システムでは,地震計を地中,地表および高架橋上に設置し,耐震設計で用いられる地盤応答解析,地盤~構造物の一体解析の検証材料となるデータの蓄積を実施した.さらに,連続した4スパンのラーメン高架橋の両端部(計8箇所)に地震計を設置することで,地震時の走行性に影響の大きな角折れ,目違いを直接計測可能とした.
  • 今井 道男, 太田 雅彦, 露木 健一郎, 今井 浩, 三浦 悟, 村田 一仁, 高田 巡
    2016 年 72 巻 1 号 p. 279-289
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
     デジタル画像相関法は,二時点の画像情報をもとに全視野内における変位分布を計測でき,非接触で広範囲な情報を得られるため,建設分野においてもその有用性が期待されている.本研究では,コンクリート構造物をフレームレート 100fps で高速撮影し,フレームごとにデジタル画像相関法を適用,変位分布の時刻歴変化をもとに動的挙動を把握した.まず,室内でコンクリート桁試験体の繰り返し載荷試験に適用し,デジタル画像相関法から算出したたわみ量やひび割れ開口変位の妥当性を確認した.つぎに,供用中の橋梁で試験を実施し,活荷重を利用してたわみ量の変化やひび割れの抽出を試み,本技術の適用性を検証した.高速撮影動画を用いて重量車両通行時に生じる瞬間的な現象をとらえ,ひび割れ開閉挙動をもとにしたひび割れ抽出の可能性を確認した.
和文ノート
  • 高橋 和也, 本田 敦, 山極 伊知郎, 野澤 剛二郎, 土肥 哲也, 小川 隆申
    2016 年 72 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
     高速列車がトンネルに突入するとトンネル内に圧縮波が形成され,その圧縮波は反対側坑口に向かって伝播する.超高速鉄道ではトンネルの枝坑が多く計画されているため,圧縮波が枝坑を通過するとその一部が分岐し,枝坑坑口から微気圧波が放射されることが懸念される.そこで,本報告では超高速鉄道における枝坑坑口からの微気圧波対策として,多孔板の吸音効果を利用した多孔板対策工を提案する.その効果を検証するため,様々な多孔板の面積をもつ対策工を設置した枝坑に圧縮波を入射させ,枝坑坑口から放射される微気圧波を模型試験によって調査した.次に,実際に山梨実験線において多孔板対策工を枝坑に設置し,その効果を現地計測によって確認した.これらの結果,提案した多孔板対策工は高い微気圧波低減効果があることが明らかになった.
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