土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
70 巻 , 2 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
特集号(和文論文)
  • 羽鳥 剛史, 二神 透
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_1-I_6
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     本研究では,自然災害に関わる想定の限界についての認識不足を「メタ無知」と呼称し,地震火災を対象として,人々の想定意識やメタ無知の程度を実証的に検討すると共に,メタ無知を緩和するための方策として災害シミュレーションを提示した効果を検証する.この目的の下,愛媛県松山市久枝地区住民を対象として,地震火災時の延焼状況を再現したシミュレーション実験を行った.その結果,地震火災に関わる想定意識の低い人は自分の想定の低さを感知しておらず,メタ無知に陥る傾向が示唆された.また,行政への依存傾向が高い人ほど,メタ無知に陥る傾向が高いことが示された.さらに,災害シミュレーションを閲覧することにより,そうしたメタ無知が緩和される効果が確認された.一方,災害シミュレーションの閲覧は,行政への依存傾向を却って高めるという副作用も持ち得ることが示された.
  • 金井 純子, 照本 清峰, 中野 晋
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_7-I_14
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     東日本大震災では,障害者や要介護者の避難生活は困難を極めた.本論文は,地方自治体がBCPを策定する上で,保健福祉に関する災害対応業務をどのように位置づけて計画すべきかを検証することを目的とする.調査は,鳴門市の自治体職員468名を対象に,南海トラフ巨大地震を想定した場合の被災者生活支援業務について,業務を開始すべき時期と業務への関わり認識度を問う意識調査を実施した.その結果,保健福祉業務の開始時期に対する意識が3日以内に集中する傾向や,部署毎で業務への関わり意識に相違があることがわかった.これらの傾向を踏まえ,BCPの中に保健福祉業務をしっかり位置づける必要がある.
  • 高橋 亨輔, 白木 渡, 岩原 廣彦, 井面 仁志, 磯打 千雅子
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_15-I_22
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     大規模広域災害では,各組織の単独対応ではなく地域全体での防災・危機管理対応が求められる.そのためには,各組織が事前に合意形成を図りながら,発災直後から戦略的に連携して行動するための地域継続計画の策定と計画の実行性を担保するアクションプランの作成が必要である.しかし,アクションプランの検討にあたっては,複数組織間の合意を得るための意思決定支援が課題となる.地域継続計画策定の実践を進める上では,この課題解決のための地域インパクト分析手法の確立が強く望まれている.本研究では,この課題を解決するため,遺伝的アルゴリズムを用いた地域インパクト分析手法を提案し,ライブデザインに基づいた地域インパクト分析手法によるアクションプラン作成の考え方を示す.提案手法を用いて災害発生直後の道路のアクセス機能並びに物流機能の復旧戦略を検討し,手法の有効性を示す.
  • 二神 透, 今西 桃子, 井出 皓介
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_23-I_30
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     近い将来の発生が想定されている南海トラフ巨大地震では,大きな揺れに伴う建物の倒壊と同時多発による地震火災の危険性がある.特に,木造住宅の多い市街地では,気象条件によっては,甚大な物的・人的被害が想定されている.そのため,著者らは,地震時の火災延焼シミュレーション・システムを開発し,愛媛県松山市の自主防災組織・消防署職員・防災士を対象に,リスク・コミュニケーションを通じて,本システムの提示・提供・使用方法の研修を実践している.それらの結果,地域で起こりうる地震火災のイメージが高まり,地震火災に備えるための自助意識が高まることを示唆することができた.
  • 磯打 千雅子, 白木 渡, 岩原 廣彦, 井面 仁志, 高橋 亨輔
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_31-I_36
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     近年,我が国では洪水被害が頻発しており,年々大規模化・広域化している.このような大規模広域災害に対処するためには,地域全体が被災することを前提として,地域継続の観点から複数の地域組織が戦略的に連携して地域の重要機能を維持する必要がある.そのためには,地域組織が事前に合意形成を図って被害軽減方針を決定し,発災直後から各組織が戦略的に行動できるようにしておく必要がある.この地域の重要機能維持に関する戦略的計画が地域継続計画(DCP)であり,その策定が強く求められている.
     本研究では,香川県の土器川流域を対象に気候変動に適応した強靭な社会づくりを事例として,水災害に対するDCPのあり方を検討する.さらには,災害対策基本法改正によりボトムアップ型の制度として展開されている地区防災計画制度の活用についても述べる.
  • 竹之内 健介, 中島 秀明, 田中 耕司, 中北 英一, 矢守 克也, 養老 伸介, 羽生 雅則
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_37-I_44
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     中小河川群周辺における洪水や浸水のリスクは,河川だけでなく水路や地域性などの複合的な要因を評価する必要があるため,その判断と予測が難しいのが現状である.
     本研究では,高解像内外水氾濫解析モデルを利用し,詳細な浸水リスクを確認した上で,その情報を地域性の高い身近な情報として利用することの可能性を確認するとともに,気象情報との関係性について評価した.実際に福井県大野市において地域防災計画が想定する災害の一つである1965年の奥越豪雨の降水パターンを事例にその評価を行った.
     またこの氾濫解析の結果を,身近な災害情報として利用し,災害のイメージを事前に住民間において構築することの効果について,大野市立有終西小学校で実施した実践型防災教育における児童達の災害イメージ調査から評価を行い,その有効性を確認した.
  • 中野 晋, 鳥庭 康代, 武藤 裕則, 宇野 宏司, 金井 純子
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_45-I_52
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     養護と教育を一体的に実現することを責務とする保育所では家庭や学校以上に安全管理の高度化が求められている.近年,頻発する集中豪雨時のリスクマネジメントは保育所にとって喫緊の課題となっている.2011年から2013年までに発生した豪雨による保育所の被災状況と保育を再開するまでの取り組みについて保育所職員を対象としてインタビュー調査を実施した.インタビューで得られた内容を分析した結果,豪雨災害時の保育所での児童・職員の安全管理の点では避難を開始する水位の合理的決定や職員の緊急参集時の安全確保で問題があることや保育業務を早期に再開するための業務継続計画の策定が進んでいない状況など多くの課題が抽出された.
  • 上久保 祐志, 藤野 和徳, 岩部 司, 堂薗 俊多, 的場 孝文, 村岡 薫
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_53-I_58
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     2012年,熊本高等専門学校(熊本高専)と八代河川国道事務所は連携協定を結び,特に球磨川流域における防災・減災について共同で研究・教育を実施してきている.熊本県の球磨川流域にある球磨村渡地区では,出水時に家屋浸水被害が多く発生しており,この地区に対する防災減災対策を共同で検討した.該当地区における水理模型実験を実施し,その対策工を検討する一方で,実験には多くの住民や学生にも参加してもらい,被災のメカニズムや対処方法といった点を中心に防災教育も並行して実施した.この官学連携の取り組みを通し,渡地区には実験結果を元にして導流堤が実際に施工された一方,参加した学生の防災減災に対する意識も向上しており,ハードとソフトの両面から成果を挙げられた.
  • 保田 敬一, 白木 渡, 井面 仁志
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_59-I_66
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     普段の仕事の中で異常時または災害時の対応を意識することはほとんどないが,通常業務の状態が長く続くと異常時対応を忘れてしまう結果になりやすい.緊急時にはマニュアルの通り迅速に行動すべきであるし,何より,行動前チェックなどは緊急のため時間的に確保できないため,各自がその対応を思い出し,確実に履行できるかが焦点となる.業務継続計画(BCP)でもこの異常時対応をいかに適切に実行できるかがポイントとなる.本論文では,どうすれば異常時対応を風化させずに普段の仕事の中で組み入れていくかについての試行と対策について提案した.最後にその試行の効果についてアンケートにより確認した.
  • 坂田 朗夫, 川本 篤志, 伊藤 則夫, 畠山 愼二, 白木 渡
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_67-I_72
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     大規模広域災害を想定した場合,従来の行政機関の単独対応を前提とした地域防災計画では効果的な災害対応ができないことを,東日本大震災の貴重な教訓として受け止める必要がある.東日本大震災後に公表された中央防災会議の中間報告では,行政機能の中枢を担う庁舎の業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)策定の必要性を指摘している.しかし,被害が広域に及ぶ場合は地域全体や複数の行政機関に跨る業務継続計画(DCP:District ContinuityPlan)の策定が不可欠で,災害発生後の早期復旧・復興を目指した危機管理対策の実施が求められている.
     本研究では,中山間地域に位置する大阪府北摂地域の町役場を対象として,職員参加型のワークショップ形式により策定したBCPをもとに,防災訓練を通じて,役場単独で行政サービスの確保が可能か,複数の行政機関に跨る広域連携の必要性について確認し,課題や問題点から改善点を,発災直後の緊急危機管理対応の視点に着目して提案する.
  • 古田 均, 中津 功一朗, 高橋 亨輔, 石橋 健, 香川 圭明
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_73-I_80
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     本研究では,地域のレジリエンスに着目し,人命優先の観点に基づく道路ネットワークの信頼性解析から地震対策の評価を試みる.そして,現行の緊急物資輸送に基づく対策と,住民の安全性の確保を考慮した本提案に基づく対策を比較する.このようにして,本提案の対策が,道路ネットワークの継続性を高め,道路の分断や住民の孤立を防ぐことで,地域住民の安全性向上に繋がることを示す.地震対策において,現行の計画を様々な観点から評価できることは,今後起こりうる震災の危機を把握し,被害を抑えていくために必要不可欠である.本研究より,人命を優先した地震対策の評価が,地域のレジリエンスを高めるための評価指標の1つとなりうることを示した.
  • 畠山 愼二, 坂田 朗夫, 川本 篤志, 伊藤 則夫, 白木 渡
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_81-I_86
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     これまで行政では,災害時において庁舎は使用可能で主要な施設・設備並びに行政機能は,支障なく発揮できることを前提として業務継続計画(BCP)が策定されてきた.しかし,東日本大震災のような大規模広域災害の場合,庁舎の機能不全,社会基盤施設の壊滅的被害,ライフラインの寸断,情報の途絶,物資不足,輸送ルートの途絶,避難所の不足等,想定を超える事態が発生した.このような事態に対しても,策定したBCPの実効性が担保できる対応策が求められている,本研究では,レジリエンス・エンジニアリングの考えに基づいてBCPの実効性を担保する方法を提案する.具体的には,発災時に特に重要となるリソースの確保の問題について,レジリエンス・エンジニアリングで組織が機能継続を果たすために必要とされているの4つの能力「対処能力」,「注意能力」,「予見能力」及び「学習能力」に着目し,実効性の高い行政機関BCPの策定手法を提案する.
  • 畠山 愼二, 坂田 朗夫, 川本 篤志, 伊藤 則夫, 白木 渡
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_87-I_92
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     東日本大震災による被害が大規模かつ広域的であったことから,企業自体の被災はもちろん市町村の行政機能が不全状態に陥り,企業BCPの発動が遅れ初動対応に支障を来した.この経験を教訓に,想定を超える事態に対して適切に対応可能で実効性が担保できる企業BCPの策定が求められている.本研究では,レジリエンスの考え方に基づいて企業BCPの実効性を担保する方法を提案する.
     災害時において組織のレジリエンスを高めるためには,時間経過に伴い逐次変化していく様々な事象について事前に防御対策を検討し,同時進行的な行動によって悪化を防ぎ,被災が発生した場合にはいち早く回復するための行動規範や能力を備えていることが重要である.本研究では,東日本大震災を教訓にレジリエンスが発揮できる組織の特性や有効な手段・方法を洗いだし,BCPの実効性を担保する考え方を提案する.
  • 後藤 浩, 筧 雄太, 石野 和男, 竹澤 三雄
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_93-I_98
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     近年,日本を含め世界各地において,気候変動によると考えられる激甚な洪水被害が多発している.このような洪水被害により,人命・資産が失われることが度々ある.その折,たとえ人命が救われたとしても,怪我を負った人々の治療に当たる医療機関などが,洪水被害により致命的なダメージを被ることは,罹災した人々の生への意欲を失わせる原因となる.本報告では,洪水による医療機関の罹災の可能性に注目し,その被災リスクをアンケートおよび過去に洪水被害を経験した医療機関にヒアリングを実施することによってその実情を明らかにした.そして,医療機関の洪水に対する減災対策に関して考察を行った.
  • 金子 雄一郎, 佐野 在人, 横山 茂樹, 井上 真志
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_99-I_106
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     本研究では,大規模災害時における鉄道の運転再開のあり方を検討する一助として,鉄道の運転停止や再開などの状況に基づきOD間(Origin-Destination:起終点間)の接続性を判定した上で,目的地への到達可能率を地域別に算定し,その結果を地理情報システム(GIS)上に表示するシステムを構築した.システムの特長として,経路選択肢集合の設定の際に鉄道ネットワークの代替性を考慮できる点,及びトリップ目的毎のODパターンを反映できる点が挙げられる.そして,構築したシステムの実用性を確認するため,東日本大震災時の首都圏鉄道の運転再開過程を対象し,地域別の帰宅可能率を算出するシミュレーションを行うとともに,災害時における運転再開線区に関する若干の検討を試みた.
  • 吉川 直孝, 伊藤 和也, 堀 智仁, 清水 尚憲, 濱島 京子, 梅崎 重夫, 豊澤 康男
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_107-I_114
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     建設機械のうち,国内の推定保有台数,死亡災害の件数ともに多いドラグ・ショベルに焦点を当て,同災害を詳細に分析した.その結果,ドラグ・ショベルに係る死亡災害は,ドラグ・ショベルが「墜落・転落」,「転倒」する災害,つり荷による「飛来・落下」,斜面,溝等が「崩壊・倒壊」する災害,ドラグ・ショベルに作業員が「激突され」「はさまれ・巻き込まれ」て被災する災害に大別された.また,斜面上での走行や旋回といった動的な状態によりドラグ・ショベルが不安定化すること,狭小な作業環境もあり作業員がドラグ・ショベルの最大掘削半径内で作業していた状況等が明らかとなった.再発防止対策は,転倒時保護構造(ROPS)を有したドラグ・ショベルの使用,シートベルトの着用の徹底,動的な状態を考慮した安定度の設定と遵守,作業員と運転者にお互いの接近を認知させるシステム等である.
  • 伊藤 和也, 菊池 信夫, 橋爪 秀夫
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_115-I_122
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     建設業における労働災害による死亡者数は従来から墜落災害によるものが最も多く,建設業全体の約4割を占めている.このうち,足場以外の作業箇所からの墜落災害を減少させるための対策が急務となっている.本論文では,足場以外に墜落災害が多い「崖・斜面」に関係する斜面工事の安全管理に関して,特に墜落災害を防止するための基礎的なデータ・技術的知見の収集を目的として,斜面工事に従事している企業を対象とした墜落防護設備に関する実態調査(アンケート調査)を行った.また,それらの結果と既往の災害分析の結果を踏まえて,今後検討すべき課題の抽出を行った.
  • 大上 俊之, 山本 祐輔, 豊田 政史, 小山 茂
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_123-I_128
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     長野市南部を対象として,計画高水位を上回る水位が観測された1999年8月の洪水の千曲川水位を基に氾濫解析を行い,マルチエージェントモデルを用いて破堤による河川氾濫時の住民の避難行動についてシミュレーションを実施した.シミュレーション結果に対して実験計画法により避難行動に影響を及ぼす要因を分析した結果,避難場所とは別に一時的に避難できる避難建物の有無が避難完了者,被災者,避難完了時間の全体にわたって高い主効果を示しており,洪水氾濫による災害に対して,避難建物を指定しておくことが有効であることが判明した.
  • 岡庭 翔一, 伊藤 和也, 末政 直晃, 海老澤 伸二, 橋爪 秀夫
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_129-I_136
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     我が国は様々な自然現象によって斜面崩壊等の斜面災害が多発している.このような斜面災害から社会インフラや住居を護るために吹き付け工などの法面工事が行われる.法面工事は斜面での作業を伴うため,作業員の安全を確保するために親綱と安全帯を使用した墜落災害防止対策を行っている.しかし,親綱の固定方法の目安は提示されているが,工学的根拠については明確ではない.そこで,本研究では親綱の固定方法の1つであるアンカーを打設して固定する方法について,適切なアンカー径や打設深さ,形状,親綱の擦れ防止方法などを検討し,法面作業時の安全性を確保することを目的とする.本報では,斜面工事現場をモデル化した実験盛土での衝撃載荷実験結果の一例について報告する.
  • 小林 秀一, 鈴木 哲也, 森井 俊広
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_137-I_142
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     低平湿地の開発には,鋼矢板水路に代表される水路施設が活用されてきた.長期供用されたこれら施設は,鋼材腐食に伴う構造安定性の低下が顕在化している.このため,既存施設の腐食実態評価が維持管理において重要な技術的課題となっている.本研究では,赤外線サーモグラフィ法により腐食鋼矢板の熱画像データを取得し,セミバリオグラムモデルを用いて評価した.セミバリオグラム解析は,物性値の空間分布特性を定量評価する手法である.検討の結果,セミバリオグラムは腐食実態の影響を受けたと考えられる明確なラグとセミバリアンスの関係が確認された.このことから,鋼矢板水路の腐食実態はセミバリオグラムにより簡易かつ定量的に評価できたものと推察された.
  • 鈴木 哲也
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_143-I_148
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     パイプランの効果的な維持管理や安全性診断には,管材損傷に加えて水撃圧に代表される圧力波の検出が不可欠である.本報では,事故後復旧過程の非破壊安全性診断に資する圧力波の非破壊検出について検討した結果を報告する.計測にはAE(Acoustic Emission)法と画像解析を用いた.実験的検討の結果,圧力波は制水弁閉塞時間を0.40~10.48sに調整したモデルパイプラインにおいてAE法と画像解析で検出された.圧力波のAE発生挙動は,水圧の最大値と関連し,AEパラメータにより評価可能であることが明らかになった.デジタル画像相関法(DICM)により画像解析を行った結果,最大水圧と管体変位量に関連性が確認された.これらの結果から,発生した圧力波はAE法や画像解析により検出可能であることが示され,現状において計測が困難であった配管内の圧力波を非破壊計測により検出可能であることが明らかになった.
  • 湯浅 恭史, 中野 晋, 粕淵 義郎
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_149-I_154
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     東日本大震災以降, 地域の中小企業でもBCP(事業継続計画)や BCM(事業継続マネジメント)への認知が高まってきている. しかし, 中小企業でのBCPの策定率は依然として低く, 地域の継続を考える上でも重要な役割を果たす地域中小企業へのBCMの支援については, 各地域での課題となっている. そこで本研究では, 徳島大学環境防災研究センターが徳島県や商工団体と協働で実施し, BCMの全体プロセスに応じて地域の中小企業にBCMの支援を行っている方策についての事例を紹介し, 地域での中小企業へのBCM支援方策と今後の課題について考察を行う.
  • 太田 和良, 近藤 伸也
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_155-I_160
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     人口が集中し,多くの機能が混在する都市部に比べ,過疎・高齢化が進み,集落が散在する地方部では地域によってその保有する機能に違いがあることから,大災害後の地域継続を図るためには地域の自立性と持続性を適格に評価し,そこに住む「人」に着目して総合的に防災・減災対策に取り組んで行く必要がある.そこで本論文では地域ぐるみで開催される地方イベントに着目し,地域継続のために地域で取り組むべき課題の抽出を試みたものである.具体的には,和歌山県で行われるイベントの特徴的な取り組みを整理し,都市部と地方部の特徴を比較することにより,自立性,持続性を踏まえた地域防災力の評価と防災・減災まちづくりのあり方について考察する.
  • 二神 透, 國方 祐希
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_161-I_168
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     著者らは,大震時における火災延焼シミュレーション・システムを開発し,住民とリスク・コミュニケーションを行っている.現在,松山市の連合自主防災会を中心にシステムを配布し,自主防災会の活動のためのツールとして利用いただいている.また,システムを用いて,著者等(専門家)と住民あるいは行政とのリスク・コミュニケーションを実践している.それらの過程で,行政,あるいは,住民から,システムに対する指摘あるいは要望をいただいている.本研究では,行政からいただいたシステムに対する要望の改善と評価,ならびに,連合自主防災会長からいただいたシステムの再現性に関する疑義に対して,実火災(酒田大火,福光大火)による検証を行う.そして,システムの改善ならびに再現性について検証を行うとともに,システムの公開と更なる利活用について展望を述べる.
  • 岩原 廣彦, 白木 渡, 井面 仁志, 高橋 亨輔, 磯打 千雅子
    2014 年 70 巻 2 号 p. I_169-I_174
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/10
    ジャーナル フリー
     南海トラフ巨大地震が発生した場合に備え,行政,企業などの個々の組織が事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定するとともに,各組織が連携して地域継続計画(District Continuity Plan:DCP)を策定推進する必要がある.地方大学としてこれらの一翼を担うべく,行政,事業者,地域住民等と連携して地域継続力向上に資する活動の試行として,香川大学危機管理研究センターでは,1)DCP策定に向けた産学官議論のプラットホームの創成,2)地域インパクト分析手法を活用したDCP策定ツールの提供,3)DCP策定過程から見えた行政企業BCPの実効性検証効果,4)防災・産業クラスター計画の提案などを実施している.この試みは連携している国の出先機関や香川県,各基礎自治体,ライフライン関連企業から高い評価と支援を得るとともに,これらの活動が内閣府発刊の「平成26年度 防災白書地区防災計画制度」に掲載されるなど,着実にその実績を挙げており,本稿ではその活動内容と取り組み成果について述べる.
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