土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
76 巻 , 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
和文論文
  • 疋田 智, 玉田 正樹
    2020 年 76 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/20
    ジャーナル 認証あり

     本研究の目的は,我が国喫緊の課題である南海トラフ巨大地震に伴う津波からの避難に,自転車,中でも電動アシスト自転車の有効性を検討することである.検証方法としてマルチエージェントシミュレーション(MAS)を用い宮崎県日南市の油津地区をモデルとした.MASの結果,自転車による避難は,電動アシストの有無によらず避難者自身が助かる可能性を高めること,渋滞が軽減されることによりクルマの避難完了率も向上する可能性があるという結果が得られた.また電動アシスト率が高いほど避難完了時間が短くなることが分かった.電動アシスト自転車のみならず通常の自転車も避難に有効であるという結果は,国や自治体の津波避難計画において,徒歩とクルマだけではなく自転車を想定することが有益である可能性を示唆している.

  • 坂本 淳, 原 忠, 松本 洋一
    2020 年 76 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/20
    ジャーナル 認証あり

     本研究は,突発的な深夜の集中豪雨発生後における,地域防災リーダーの対応行動と平時からの備えに関して,事例調査に基づき考察することを目的とする.自主防災組織の地域防災リーダーによる迅速な意思決定と主体的な対応行動で人的被害を免れることができた地区に対してインタビュー調査を行った.

     その結果,リーダーは今回の被災を事前に予測できていなかったにもかかわらず,起床後に周辺状況から瞬時に危機を察知し,迅速かつ組織的な避難行動を行っていたことがわかった.また,この行動に至った背景には,平時から行政の限界を理解し,横のつながりなどを生かして自分たちの地区は自分たちで守る姿勢があった.

  • 中島 由貴, 佐藤 健宗, 羽原 敬二, 中村 孝明
    2020 年 76 巻 1 号 p. 28-36
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/20
    ジャーナル 認証あり

     設計者には,技術基準を遵守すれば損害賠償責任も足りるという安心感がある.しかしながら,設計者の裁量で目標性能水準を付加的に引上げることは可能であり,損害賠償責任の視点から,目標性能水準を模索する試みもみられる.このような中,設計者にとって,損害賠償裁判の判断構造の把握は,不可欠な見識である.本論は,構造物の地震動被害の裁判に着目し,損害賠償に適用される複数の法律について,学説と判例を検討し,設計者が把握すべき,裁判の判断構造について,技術基準との関係も含め,考察した.そして,信頼性設計法が許容する通常予測地震動以下での被害について所有者に無過失責任が残ることを示し,瑕疵と被害の因果関係の有無並びに瑕疵と作用地震動との競合について,フラジリティカーブを介して,立証する可能性について推論した.

和文報告
  • 山田 忠, 後藤 雄太, 松枝 心路
    2020 年 76 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/20
    ジャーナル 認証あり

     本報告は消防団が今後の風水害活動で注意すべき事項について検討することを目的に行った.具体的には,消防団員が殉職した1969年から2018年の風水害の事例を消防白書や新聞記事,既往研究などから把握し,殉職時の状況を分析した.

     結果として,消防団が今後の風水害活動で注意すべき3点を示した.1点目に,風水害は出動途上から帰宅中までの一連の活動において殉職者が出ており,一連の活動で安全に配慮する必要がある.2点目に,河川を中心に夜間の強い雨が観測されているときに殉職者が多い傾向にあり,夜間で雨が強い場合は活動しない,もしくは団員の安全が確保できた状態で活動に取り組む必要がある.3点目に,昼間で雨のピークが過ぎた後の活動でも殉職者が出ており,昼間で雨が弱くなっても周囲の状況に細心の注意を払って活動する必要がある.

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