TFT探査はトンネル掘削発破を起振源とすることで,掘削施工サイクルに影響を与えることなく,坑内で実施できる弾性波探査システムである.本システムにより,直達波を測定することで切羽付近の地山状況をリアルタイムに評価すると同時に,切羽前方からの反射波を測定し,断層などの位置を予測する切羽前方探査が可能となる.
本研究では,TFT探査を花渕山2号トンネル工事の全発破区間で適用し,切羽付近の弾性波速度を測定することで,地山変化を的確に評価できることを確認した.また,同一の条件下において既往の切羽前方探査技術と比較検討を行い,同等の計測性能を有することを確認した.さらに,切羽前方予測のための最適な計測データ数および解析パラメーターの検討を実施した結果,予測の約70%において実際の地質状況との合致が認められた.
抄録全体を表示