本工法は,シールド工法等の掘進機に二液混合噴流を用いた超高圧噴射システムを搭載し,地中支障物の切断・除去や地盤改良などを行う工法として多くの施工実績がある.一方,噴流による周辺地盤への影響は,実験的研究で確認しているものの,近接構造物への影響を明示するには至っていない.
本論文は,二液混合噴流の地盤掘削特性を,噴流の動圧の測定,模擬地盤の掘削過程の観測およびFVM解析により明らかにし,その影響範囲について数値的な根拠を示したものである.本研究の結果,噴流の動圧はノズルからの噴出直後で近接構造物を損傷する恐れがないこと,FVM解析によって地盤の掘削過程および掘削領域内の流動特性をよい精度でシミュレートできることなどが分かった.
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