土木学会論文集F1(トンネル工学)
Online ISSN : 2185-6575
ISSN-L : 2185-6575
74 巻, 2 号
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特集号
  • 日下 敦, 砂金 伸治, 北川 洋平, 河田 皓介, 原 翔平
    2018 年 74 巻 2 号 p. I_1-I_17
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/23
    ジャーナル フリー
     山岳トンネルは,坑口部や断層・破砕帯等の特殊な区間を除き,一般に地震に強い構造物とされているが,これまでにも一般部でも覆工の崩落をともなうような比較的規模の大きな被害を受けたトンネルが存在する.一方で,地震による被害事例や実トンネルにおける地震時の計測事例は限られており,山岳トンネルの地震時の挙動は明らかにされていないのが現状である.そこで本研究において,動的計測を行うための加速度計およびひずみ計を実トンネルに設置したところ,最大でトンネル周辺で震度6弱を観測する地震が発生し,地震時の覆工の挙動等のデータが得られた.その結果,地下では地表に比べて揺れ自体が小さいこと,構造物が周辺の地山と一体となって動き震動の増幅がないこと等,経験的に言われる山岳トンネルの地震時挙動を裏付ける知見が得られた.
  • 中村 明彦, 國近 光生, 中村 秀明
    2018 年 74 巻 2 号 p. I_18-I_29
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/23
    ジャーナル フリー
     トンネル覆工コンクリートの施工段階あるいは施工後1~2年で発生するひび割れの多くは,覆工コンクリートの力学的機能に支配的な影響を及ぼすものではないが,コンクリート片の剥落や漏水等へつながる潜在的な初期欠陥となる恐れがある.そのため,これらのひび割れを防止することは,トンネルの品質確保や維持管理において非常に重要である.
     トンネル覆工コンクリートの初期ひび割れを正確に予測するためには,まず始めに覆工コンクリートの温度変化を正確に予測する必要がある.覆工コンクリートは部材厚が通常のマスコンクリートに比べ薄いため,現行の規準をそのまま適用するには限界がある.そこで,本研究では覆工コンクリートの初期ひび割れ予測を行う上で重要となる温度解析に関して考察を行い,入力パラメータを提案する.
  • 鎰谷 賢治, 押切 幸治, 菊地 太郎, 牧野 晶, 清野 義人, 戸本 悟史
    2018 年 74 巻 2 号 p. I_30-I_39
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/23
    ジャーナル フリー
     市販のデジタル一眼レフカメラで撮影した画像を用いてトンネル壁面のひび割れ幅を高い精度で測定する方法を開発した.平滑化によるノイズ除去とエッジ抽出を同時に行う二種類のサイズの二次微分カーネルを用いることにより,露光量不足やノイズの存在などの悪条件下でも精度よくひび割れの方向とエッジ位置を特定することを可能とした.また,ひび割れ近傍に貼付した校正用チャートを用いて撮影角度による画像の歪みと撮影倍率誤差の補正を行い,正確な実寸長(mm)への変換も可能となった.さらに,この変換誤差から画像ごとのひび割れ幅の測定精度を決定できるため,より精緻な解析を行うことも可能となる.本報告では,ひび割れ幅測定の新たなアルゴリズムと,実際のトンネルで撮影された画像を用いた検証結果について報告する.
  • 松浦 將行, 杉山 純, 西野 寧
    2018 年 74 巻 2 号 p. I_40-I_52
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/23
    ジャーナル フリー
     シールドトンネルの大深度,高水圧下の施工では,大きな地下水圧の作用に対抗するためジャッキ推力,裏込め注入圧,テールグリース圧,テールブラシ圧など様々な施工時荷重がセグメントに作用する.近年のシールドトンネルの大深度化に伴い,とくに曲線部においてこれらの施工時荷重が原因と推定されるセグメントの損傷事故が報告されていることから,施工時荷重を考慮したセグメントの設計を行った.
     本論文では,施工時荷重の一つであるテールグリース圧に着目し,施工時に収集したデータから設計時に設定した与条件の妥当性について検証するとともに今後の大深度,高水圧下のシールドトンネルの設計手法,施工法について提案するものである.
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