日本小児看護学会誌
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最新号
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研究
  • 増田 由美, 別所 史子
    2018 年 27 巻 p. 1-8
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、看護学生のボランティア活動の受け手となる特別支援学校の保護者や教員がとらえた活動の現状とニーズや課題を明らかにすることを目的とした質的帰納的研究である。対象は、A看護大学のボランティアサークルがかかわるB特別支援学校の行事等に参加した子どもの保護者と教員32名である。結果、【子どもの安心と安全】、【子どもの社会性の広がり】、【学生への親しみと感謝】、【学生の成長への期待と応援】、【子どもへの理解で深まるふれあい】の5つのカテゴリーが抽出された。ボランティアの受け手は、安心・安全のもとで学生とのふれあいを通じて子どもの社会性の広がりを期待し、また活動を通じ学生の成長を応援したいと考えていることから、学生はボランティアの担い手と同時に受け手でもあった。そして、子どもの社会性の広がりと学生の成長は、ふれあいの深まりで進展するため、相互が主体的・継続的に活動していくことが課題とされた。

  • 鈴木 江利子, 中垣 紀子
    2018 年 27 巻 p. 9-17
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、在宅で学童期から青年期にある障がい児 (者) を育てている父親9名を対象に父親の体験を明らかにすることを目的とした。半構造化インタビューを行い、質的記述的研究を行った。結果、7つのカテゴリーを抽出し、カテゴリー間の関連性を図解化した。【我が子の障がいに対する苦悩】を体験した父親は、【障がいの有無に関係なく、ひとりの人間としての尊重】をすることを基盤とし【周囲の人々からの支援による心身の負担の緩和】がされ【子どもの存在、成長の実感により親であることの充実感】を感じていた。【父親役割の遂行による家族の保守】や【我が子のQOLを向上させるための社会との調整】を図ることに発展した。この体験は、【発達課題の克服による自己成長】に至っていた。人間尊重を基盤に障がい児 (者) をもつ家族を支えていくことが、在宅での生活を継続していくために重要と考える。

  • 久保 仁美, 今井 彩, 阿久澤 智恵子, 松﨑 奈々子, 金泉 志保美, 佐光 恵子
    2018 年 27 巻 p. 18-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、NICU入院児の母親への退院支援に対する熟練看護師の認識を明らかにすることである。5年以上のNICU勤務経験を有する熟練看護師12名を対象に、退院支援の認識について半構成的面接調査を行い、Berelson. Bの内容分析を行った。結果238コードから、49サブカテゴリー、15カテゴリー、6コアカテゴリーが生成された。6コアカテゴリーは、【母子関係・母親-看護師関係を構築し深める】、【出産後のプロセスを支える一貫した支援】、【退院後の育児を見据える】、【退院調整に多職種でかかわる】、【退院後の母子の生活を知りNICUでの退院支援を評価する】、【妊娠中から退院支援が始まる】であった。熟練看護師は、出産後のプロセスを支える一貫した退院支援の認識を基盤とし、各時期における退院支援の認識を相互に補完し合い、母親への退院支援に結びついていることが示唆された。

  • 森 浩美, 飯﨑 あずさ, 佐々木 俊子
    2018 年 27 巻 p. 27-35
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、短期入院で計画手術を受けた学童期の子ども (以下、子ども) の思いを明らかにすることである。研究協力が得られた子ども13名に半構成化面接を行い、質的記述的に分析した。その結果、【入院・手術に向きあえない】【入院・手術は自分の問題として臨みたい】【入院・手術に負けそうだ】【入院中は周りの人に支えられた】【つらくても取り組んだから入院・手術は肯定できる】【退院後の生活に自分なりに向きあう】という6つのカテゴリーが抽出された。短期入院で計画手術を受けた学童期の子どもは、困難な状況にあっても自分にできることとやるべきことをやりながら、前に進むものととらえられた。看護師の役割は、入院・手術という体験が子どもにとって成長の機会となるとように支援することであると考えられた。

  • 清水 美恵
    2018 年 27 巻 p. 49-56
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、アレルギー疾患をもつ思春期にある子どもの病気経験の語りからアレルギー疾患患児のレジリエンスの特徴を明らかにすることを目的とした。アレルギー疾患児22名を対象に、半構成的面接を実施し、質的分析を行った。分析の結果、【病気を受容できない自分】【親へ依存している】【将来への不安】【他者から理解されない】【良好な対人関係を形成する】【支援を受ける】【病気の自己管理ができる】の7つの主要カテゴリーを抽出した。アレルギー疾患をもつ思春期の子どもは、病気の不安や恐怖を抱え、さらに、病気と病気がもたらす結果から生じる不適応な出来事を経験していることから、病気の自己管理の継続や病気の受容、対人関係の良好さを促進する支援が重要であることが示唆された。

  • 原口 昌宏
    2018 年 27 巻 p. 57-64
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、先天性心疾患の子どもの父親の語りから、子どもや妻にどのような思いを抱いているのかを明らかにすることを目的として、質的記述的研究法により父親の語りを帰納的に分析した。結果、先天性心疾患の子どもの父親が抱く思いは、9つのカテゴリーとそれらを構成する27のサブカテゴリーから構成されていた。父親は、出生直後から子どもの状態によって気持ちが大きく揺れ動き、幼児期にかけて子どもの将来を心配し、さらに妻に対して気を配り、父親として周囲の期待に応えようとしていることが明らかになった。以上より、父親が抱くこれらの複雑な思いを理解し、その思いに沿った支援をすることは、看護の重要な役割であると考える。

  • 杉本 智美, 奈良間 美保
    2018 年 27 巻 p. 65-72
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、突然の病で障がいをもった子どもの母親の体験を、親子の相互作用に着目して明らかにし、看護援助について検討することである。結果【子どもと過ごしてきた日常が思いがけず突然変わる】【変わらない家に戻り、改めて子どもと自分に起きた変化を感じる】【自分の気持ちや行動を調整する】【子どもと一緒に過ごす中、母親としての気持ちや考えに気付く】【子どもにとっても自分にとっても良い時間をもつようになる】【子どもが障がいをもって初めて知ることや思うこと】【子どもの本当の心を知りたい】を含む10カテゴリーが抽出された。看護師は、突然の病の発症後、親が子どもと積み重ねていく日常を大切にしていくこと、そして、子どもの状態や生活が安定しても依然残る ‘子どもの本当の心を知りたい’ という親の思いを大切にしていく必要性が示唆された。

  • 佐藤 朝美, 小村 三千代, 堀田 昇吾
    2018 年 27 巻 p. 73-82
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、仲間とともに学び合う学習法であるピア・ラーニングを活用した “ペア受持ち制” 小児看護学実習における学生の体験を明らかにすることを目的に、学生14名にグループインタビューを実施し、質的帰納的に分析した。その結果、1. ペア学生の存在が、子どもとかかわる原動力になった、2. 子どもとの関係性を深める方法をペア学生と学べた、3. 2人だから、子どもにとってより良いケアが追究できた、4. ペア学生との学び合いにより、子どもを多角的に理解できた、5. 役割を果たす中でペア学生と互いの関係性が構築できた、6. ペア学生と互いの違いや偏りを受け入れバランスをとった、7. 共有学習の個別評価を曖昧に感じた、の7カテゴリーが抽出された。 “ペア受持ち制” によって学生は、安心感をもち実習に臨むことができ、ペア学生のモニタリング機能を活用した話し合いができることにより、子どもをより深く理解できたと考えられた。

研究報告
  • 北尾 真梨, 津田 聡子, 山口 智子, 高田 哲
    2018 年 27 巻 p. 83-90
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/31
    ジャーナル フリー

     医学上の倫理的意思決定の実態と、看護師の参加実態と参加に関連する要因を明らかにするために質問紙調査を行った。1. 対象疾患として超低出生体重児、18トリソミー、重症新生児仮死を含む29疾患があげられた。また、家族は意思決定の場に参加しないことや、決定の主体となっていないこともあることが明らかになった。2. 看護師が意思決定の際に 「よく理解していた」 ものは 「子どもの現在の状態」 であったが、子どもの治療の決定に最も影響を与えるものとしては 「両親の希望」 であった。3. 意思決定に参加した経験のある看護師は26.1%であった。参加に関連する要因は、 「東京女子医大のクラス分け」 と 「淀川キリスト教病院のガイドライン」 への認知度であった。以上の結果から看護師に求められる役割として、1. 家族が決定の主体となるために情報を提供し、思いを傾聴することで意思決定の過程をサポートすること、2. 子どもの立場に立った意思決定を行うこと、3. 看護師自身が意思決定に参加していくために、組織として学習システムを構築すること、があげられた。

資料
  • 加藤 依子, 三国 久美, 畑江 郁子, 木浪 智佳子
    2018 年 27 巻 p. 36-42
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

     食物除去の解除の段階にある食物アレルギーをもつ幼児 (以下、FA児) が安全な日常生活を送るための母親の行動を明らかにすることを目的に、FA児の母親10名に半構造化面接を実施し、質的記述的に分析した。その結果、【アレルギー症状の出現に気遣い慎重に食物除去の解除を行う】【アレルギー症状を観察し重症度に応じて対応する】【緊急性が高いアレルギー症状の出現時にエピペン®を使えるように備える】【FA児が安全に食べられる物を手配する】【誤食事故からFA児を守るために家庭内でのルールを作る】【FA児が原因食物を回避できるように働きかける】【FA児を取り巻く人々にFAに対する理解を求める】【受け入れ体制が整っている集団保育先にFA児を入園させる】の8カテゴリーが抽出された。母親は、生活範囲が拡大する幼児期のFA児が安全な日常生活を送るために、FA児や家族、集団保育先の職員や友だちの親子に多様な働きかけをしていた。

  • 井上 みゆき, 浅井 宏美
    2018 年 27 巻 p. 43-48
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー

     目的 : 出生体重1,500g未満の低出生体重児および早産児に対する母乳の効果を文献から明らかにする。

     方法 : 医中誌Web、CINAHL Plusを用いて、 (検索期間 : 2005年~2015年) 極低出生体重児、超低出生体重児、早産児、母乳、extremely low birth weight、very low birth weight、preterm infant、human milk、breast milk、maternal milk、colostrumなどのキーワードで検索を行い13件の文献を対象とした。

     結果 : 母乳は認知発達に対し肯定的な結果があり、NEC発症のリスクを低下させていた。感染症・免疫・ROPに関しては、エビデンスのある効果は得られなかった。

     結論 : 母乳は児の認知発達を促進し、NEC発症のリスクを低下させる可能性があることが示唆された。

  • 草野 淳子, 高野 政子
    2018 年 27 巻 p. 91-96
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は訪問看護師の介入に対する在宅療養児の母親の意識を明らかにすることである。独自に作成した無記名の自記式質問紙法で実施した。全国の訪問看護を利用している在宅療養児の母親を対象に調査を実施し、205部の有効回答を得た。母親の年齢は平均38.5歳で、在宅療養児の年齢は平均6.1歳であった。子どもの疾患は、脳・神経系疾患が最も多く、次いで染色体異常であった。呼吸器系疾患の児は7割以上であった。本研究では5歳以下の在宅療養児が多く、乳幼児期に訪問看護のニーズが高かった。訪問看護師の介入に対しては 「子どもの健康状態の観察に関する相談に応じる」 「子どもの生活に関する相談に応じる」 「子どもの心身の健康管理と病気の予防を行う」 「子どもの日常的ケアを行う」 などを高く評価していた。母親の満足度では 「他者に訪問看護をすすめたい」 「子どもの健康状態が安定・回復している」 などの項目で意識が高かった。

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