慢性活動性EBウイルス感染症児10例について, EBウイルス特異的キラーT細胞(EBV-CTL)活性,各種lymphokine賦活EBV-CTL活性を測定し,以下の結果を得た.
患児のEBV-CTL活性の平均値は10.7%で,対照55例の22.9%に比して有意に低値であったが, 10例中9例は対照の-2SD内に含まれた. Interleukin 2 (IL-2)賦活EBV-CTL活性, interferon α (IFN-α)賦活EBV-CTL活性の平均値はそれぞれ21.4%, 14.1%で,いずれも対照の38.0%, 35.5%に比して有意に低値であった, IL-2, IFN-αで増強されたEBV-CTL活性の程度(net EBV-CTL)は患児の方が低値であったが,対照の40~50%で増強がみられず,患児2例でも10%以上の増強がみられた.
患児のEBV-CTL活性は, IFN-γで2例, OK-432で1例が10%以上増強されたが, indomethacinでは増強されなかった.
EBウイルス非接種効果細胞キラー活性, IL-2, IFN-α賦活キラー活性は患児と対照で差がなく, IL-2, IFN-αによる増強もみられなかった.
以上のことから,慢性活動性EBウイルス感染症児のEBV-CTL活性は, IL-2, IFN-αによって増強され難いが,一部の例では増強されたことから,治療に応用できる可能性が示唆された.
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