日本臨床免疫学会会誌
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3 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 相川 崇史, 谷本 潔昭
    1980 年 3 巻 2 号 p. 57-63
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 輝彦
    1980 年 3 巻 2 号 p. 64-69
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    いずれの膠原病の診断基準にも当てはまらず,一過性反復性の症状を呈する1群の膠原病が存在するが,これについてまとめられた報告はほとんどない.そこでこれらをunclassified connective tissue disease (UCTD)としてその臨床的,免疫学的特徴について検討を加えた.その結果, UCTDの臨床的特徴は一過性,ないしは反復性のnonerosive polyarthritis, Raynaud症状であり,免疫学的には各種の抗核因子,抗リンパ球抗体等の自己抗体が認められ,腎生検ではmesangial proliferation,基底膜へのimmunoglobulin沈着が認められた.これらのことはSLE, PSSないしはMCTDに類似した傾向を示しているが,いずれも明らかなおのおのの膠原病への進展が認められていない. UCTDが何故にそこにとどまっているかを明らかにすることは膠原病全体の解明にもつながるものとして,おろそかにすべき疾患ではないと考えられ,さらに細胞免疫の面からの追求も必要である.
  • 多種皮膚反応の総和評価
    陳 鋼民, 荻野 健次, 曾我 浩之, 松本 伸, 岡崎 哲郎, 和田 豊治, 清水 信義, 田中 聰, 寺本 滋
    1980 年 3 巻 2 号 p. 70-75
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    遅延型皮膚反応は比較的簡便に生体の細胞性免疫状態を測定できる方法であり,今回著者らは岡山大学第2外科に入院治療を受けた患者373例,健常者31例に四種皮膚反応(PPD, PHA, candida, SK-SD)を施行し,全症例を良性疾患と悪性疾患別に検討した.また,多種類皮膚反応を総合評価できる方法を考え,各種皮膚反応の発赤直径を対数にとり,その平均値でskin test index (STI)を定め,その結果の検討を行った.その結果: (1)各種皮膚反応の平均
    値は悪性疾患でPPD, SK-SDが低下していた. (2)各種皮膚反応の陰性率は悪性疾患でPPD, candida, SK-SDが高かった. (3)STIの異常率は悪性疾患44%,良性疾患25%,対照群3%であった
  • 悪性疾患の多種皮膚反応について
    陳 鋼民, 荻野 健次, 松本 伸, 岡崎 哲郎, 和田 豊治, 小西 洋, 清水 信義, 田中 聰, 寺本 滋
    1980 年 3 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    悪性疾患の細胞性免疫機能の抑制は従来より指摘さており,最近では免疫と栄養状態の相関性が注目されている.今回著者らは岡山大学第2外科に入院治療を受けた悪性疾患151例(内訳は呼吸器悪性疾患77例,消化器悪性疾患44例,その他の悪性疾患30例)に四種皮膚反応(PPD, PHA, candida, SK-SD)を施行し,第1報同様にSTI値を算定し,各疾患の臨床的パラメーター(albumin, hemoglobin,リンパ球教,体重身長比)との相関性を検討した.また手術内容(operability)を4群に分けて検討を加えた.その結果は(1)皮膚反応STI 1.0以下症例は呼吸器悪性疾患44%,消化器悪性疾患39%,その他の悪性疾患47%であった. (2)STIは呼吸器悪性疾患でhemoglobin,体重身長比, albuminとの間に,消化器悪性疾患でリンパ球数,その他の悪性疾患では体重身長比, albuminとの間で相関を認めた. (3)STIの低下と悪性疾患のoperabilityには相関が認められた.
  • 藤谷 貴文, 蔵 和夫, 畔柳 武雄
    1980 年 3 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    The large lymphocytes of peripheral blood increased in patients with autoantibodies and reduced in patients with the cancer. They were rich in azur granules, PAS granules, acid phosphatase granules and β-glucuronidase granules. They had the well developed mitochondria, many ribosomes and central dense bodies. They had a lot of microvilli on their surface membrane. Most of them were null lymphocytes and they contained no Tγ. They did not develop the immunoglobulin producing cells by the PWM stimulation. They increased the development of immunoglobulin producing cells from the normal blood B lymphocytes by the PWM stimulation. Their increasing effect on the development of immunoglobulin producing cells was not influenced by SLE lymphotoxin. These facts suggest that their effect might be due to the helper effect.
  • 荒尾 俊夫, 西 弘己, 笠原 宏, 斉藤 昌信
    1980 年 3 巻 2 号 p. 88-95
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    胃癌根治手術18ヵ月後に発病し,単球著増性類白血病反応を合併した皮膚筋炎の1例を報告した.当初, 132,000と著明な白血球増多,幼若顆粒球の末梢血出現および単球増多を呈し,白血病を疑われ,皮膚筋炎の診断のもとにステロイド投与し,臨床症状の著明な改善とともに血液像の正常化がみられたが,数ヵ月後再発し心不全を合併し死亡した.
    本症例は第281回内科学会関東地方会において発表した.
    稿を終えるにあたり,ご校閲いただきました恩師畔柳武雄教授に感謝いたします.
  • 川村 肇, 権田 信之, 押味 和夫, 隅谷 護人, 狩野 庄吾, 高久 史麿, 川田 克也, 宮田 道夫, 若林 邦夫, 金森 弘明, 斎 ...
    1980 年 3 巻 2 号 p. 96-103
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例. 31歳,女性.顔面紅斑,手掌紅斑,関節痛,蛋白尿,顆粒円柱尿,血小板減少症,抗核抗体陽性よりSLEと診断され, 2年前からステロイド治療を続けていたが, 2ヵ月前に俗信のためプレドニゾロン17.5mgの服用を中断した. 3週間後より腹痛・腹部膨満・大量下血が出現し,緊急開腹手術により回腸末端壊死がみられた.術後DICの合併,腎不全のため死亡した.病理組織学的検査で回腸病変部に細小動脈壁のフィブリノイド壊死と血栓形成がみられ,腎糸球体係蹄にもフィブリノイド壊死と一部ボウマン嚢に半月体形成を認めた.脾・膵の細小動脈壁にもフィブリノイド壊死がみられたほか,多くの臓器の細小動脈に内膜肥厚と血栓形成が認められた.本症例は,ステロイド治療中断後,全身臓器にフィブリノイド壊死を伴う血管炎が再燃し,回腸末端壊死,急速に進行する腎不全をきたしたものと考えられた.
  • Albumin-IgG, C3PA-C3A, SC-SIgAの分離定量法とその応用
    香坂 隆夫, 朝比奈 利憲, 小林 登
    1980 年 3 巻 2 号 p. 104-112
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2009/08/24
    ジャーナル フリー
    物質の同時定量方法として2方向ロケット法を試み,いくつかの物質の同時測定に応用し,良好な結果を得たので報告した.もっとも簡単なものはalbuminとIgGの組合せである.移動度も抗原性も異なる物質であり,たんにagaroseとagarの比を変え, electroendosmosisを適当に調節してやることによって分離定量が可能である.ついでC3PAとC3Aは,同一抗原性を有するが, agarにEDTAを添加することによって, C3PAのみ陽極側に移動し, C3Aは陰極側にひかれるので同様に分離定量が可能であった.
    SCとSIgAの分離定量はheparin-Ca EDTAを添加することによって, SCの移動度をβ1領域からα1領域へ移動させた後, agarとagaroseを適当に混じることにより, SCとSIgAをそれぞれ,原点を中心に陽極側,陰極側に分けることによって達成された.このheparin-Ca EDTAの効果は, heparinのpolyanionとしての作用が関係していると考えられる.その理由は他の陰イオン界面活性剤でも上記のような電気移動度の相違が見出され,しかもこの移動度の変化は, pH,イオン強度の影響を強くうけるからである.
    著者らは,この2方向rocket法を応用して志太地区において唾液による液性免疫不全症のmass screeningを3年間行ってきたが,乳児16,000名中IgA単独欠損症2名,乳児-過性低γ-globulin血症2名を見出した.唾液によるmass screeningは,試料採取の容易さ, SIgAの局所免疫の重要性を考えあわせると,今後さらに普及してよい方法と考えられる.
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