日本臨床免疫学会会誌
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4 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 藤沢 武彦, 山口 豊
    1981 年 4 巻 4 号 p. 153-160
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 丹野 恭夫, 荒井 澄夫, 滝島 任
    1981 年 4 巻 4 号 p. 161-167
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Serum levels of immunosuppressive acidic protein (IAP) of various diseases were measured by single radial immunodiffusion method. 2 to 10 times higher levels than normal values (394μg/ml) were found in patients with various cancers, SLE, scleroderma, cryptogenic pulmonary fibrosis, chronic bronchitis, pulmonary tuberculosis, pneumonia and bronchial asthma at these exacerbation or active stages. There were good correlations between IAP levels and blood sedimentation rate, α2-globulin values (p<0.001). The higher IAP levels of patients with cancer than 2, 000μg/ml were reflected the decreased ability of hypersensitivity to PPD or DNCB and poorer prognosis. It is suggested that serum IAP levels could be one of good indicators for evaluating the immunological activities of patients with various diseases.
  • 江口 勝美, 福田 孝昭, 峰 雅宣, 佐藤 聡
    1981 年 4 巻 4 号 p. 168-175
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    抗リンパ球抗体の測定に, 51Cr release assay法を導入し,従来のmicrocytotoxicity testと対比して検討した. 51Cr release assayとmicrocytotoxicity testによる抗体価はよく平行し,強い相関がみられ,感度も従来の方法と比較して,遜色はなかった.
    再現性の検討では,変異係数(coefficient of variation)は15%以内と良好であった.
    測定方法は,簡便で熟練を必要とせず,同時に多数の検体を処理でき,最終判定が客観的である点など優れていた.
    以上のような利点から, 51Cr release assayは臨床研究にも応用できる有用な方法である.
    各種自己免疫疾患における抗リンパ球抗体の抗体価を51Cr release assayで測定した.全身性エリテマトーデスでは87%,慢性関節リウマチ,全身性進行性硬化症とショーグレン症候群では約60%,多発性筋炎では30%,重症筋無力症では49%に陽性をみたが,ベーチェット病では,検索した11例すべて陰性であった.
  • 江口 勝美, 福田 孝昭, 峰 雅宣, 佐藤 聡, 宇佐 利隆, 金沢 一
    1981 年 4 巻 4 号 p. 176-186
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ,ショーグレン症候群,全身性進行性硬化症,多発性筋炎および重症筋無力症)で抗リンパ球抗体を51Cr release assayにより測定し,高率に本抗体を検出した.これらの疾患で検出される抗リンパ球抗体はTリンパ球を特異的に傷害した.
    T cell subsetsに対する反応性は,全身性エリテマトーデス(SLE)血清では20例中14例にTγ細胞を,慢性関節リウマチ(RA)8例中5例,重症筋無力症9例中7例にTnon-γ細胞を強く傷害し,残りは両者に対する反応性に有意の差を認めなかった.
    次に,抗リンパ球抗体がcell-mediated lympholysisのprekiller, killer T細胞に及ぼす影響について検討した. prekiller T細胞に対しては, SLEおよびRA血清では影響を及ぼさず,中にはむしろ% cytolytic activityが著明に充進する例を認めた.
    一方, killer T細胞に対する反応性では, SLEおよび重症筋無力症の抗リンパ球抗体は% cytolytic activityを有意に低下させ,高い反応性を認めた.しかし, RA血清はkiller T細胞に影響を及ぼさなかった.
    以上の結果から, SLE, RAおよび重症筋無力症の抗リンパ球抗体は, Tリンパ球を特異的に傷害するが, T cell subsetsやcell-mediated lympholysisのkiller T細胞に対する反応性の面において差異を認めた.
  • 四宮 範明, 矢田 純一
    1981 年 4 巻 4 号 p. 187-194
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    MG患者のT細胞とTG細胞の免疫グロブリン産生に対するサプレッサー能およびTG細胞の細胞障害性について臨床経過とともに検討した.発病初期例にはサプレッサー活性は認められなかったが,経過とともにサプレッサー活性が出現した. T細胞によるサプレッサー能はTG細胞画分に認められた.健康人のTG細胞はICで処理することによりサプレッサー活性が出現した.したがって,抗体産生に対してフィードバック機序が作用すると予想される。MG患者TG細胞がサプレッサー能を示したことは, in vivoでTG細胞がICと結合し活性化されたと思われた. ICはMG発病初期から増加するため, MG患者では免疫学的フィードバック機構の発現が遅れていることによると考えられた. MG患者TG細胞は発症時すでに細胞障害活性が証明され,神経筋接合部のICを介して, TG細胞が組織障害をおこす可能性が考えられた.
  • I. SLEのサプレッサー機能とB細胞の異常
    中村 善一, 浅野 太郎, 矢野 啓介, 大藤 眞
    1981 年 4 巻 4 号 p. 195-205
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    SLEの末梢単核球をconcanavalin A (ConA)添加あるいは非添加で48時間培養することにより,正常同種単核球によるpokeweed mitogen (PWM)刺激免疫グロブリン(Ig)産生を抑制するところの, Con A-induced suppressor細胞およびpreculture-induced suppressor細胞を正常ヒトと同様に誘導することができた.しかし, SLEにおいて誘導されたこの両suppressor細胞は,正常ヒトのB細胞機能を抑制したが,自己のB細胞に対しては十分に抑制効果を示さないことが判明した.すなわち, SLEのsuppressor活性の異常は,むしろその情報を受けるB細胞の側に欠陥があることが示唆された.
  • 天野 哲基, 宮島 啓人, 三橋 康彦, 佐藤 昌史, 大藤 眞, 高杉 潔, 仲原 泰博, 吉野内 猛夫, 小倉 俊郎, 北村 肇
    1981 年 4 巻 4 号 p. 206-211
    発行日: 1981/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    臨床症状を有する3例の補体第9成分欠損症(C9D)を報告する.第1例は72歳男性で慢性関節リウマチ(classical RA, stage III, class 2)を合併している. RAは60歳の発症で経過に特異な点はない.第2例は25歳女性で頸部リンパ腺炎で来院したが,特異な炎症は否定された.第3例は20歳女性で四肢紅斑のため来院したが,組織診にて特異所見は認められなかった. 3例とも,易感染性はない. 3例の血清補体価(cH50)は正常の1/2~1/3であり,補体第9成分(C9)の活性,蛋白ともに検出不能であった.これらの血清に精製C9を添加するとCH50が正常値に回復することより完全補体第9成分欠損症と診断された.第2例の夫のC9が正常の112で, heterozygous C9Dと診断され,長女と二女はそれぞれhomo-, heterozygoteであることより, C9Dの遺伝形式は常染色体性共優性(autosomal codominant)であると推察された.
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