日本臨床免疫学会会誌
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8 巻, 3 号
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  • 鈴田 達男
    1985 年 8 巻 3 号 p. 127-137
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 福嶋 建三, 四宮 範明, 矢田 純一
    1985 年 8 巻 3 号 p. 138-145
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Pokeweed mitogen (PWM)刺激の持体産生, one way mixed lymphocyte culture (MLR), natural killer (NK)活性, Raji株化培養細胞あるいはEB virus (EBV)で株化した自己リンパ芽球(EBV transformed autologous lymphoblast: EBV-TL)に対するキラーT細胞活性のおのおのを抑制する抑制T細胞を誘導する血清因子が,食道癌患者血清中に存在するか否かについて,患者血清処理TnonG細胞添加の影響により検討を行った.
    One way MLR, NK活性の抑制T細胞誘導因子は認めなかったが, EBV-TLに対するキラーT細胞の細胞障害活性の抑制T細胞誘導因子の存在を認め,この因子がsephadex G 100 gel chromatographyによる分子量の検討でMW 43,000~50,000画分に存在することを認めた.また,この因子はPWM刺激抗体産生の抑制T細胞誘導因子と異なると考えられた.
  • 種市 幸二, 今野 孝彦, 芝木 秀俊, 本間 行彦
    1985 年 8 巻 3 号 p. 146-152
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    農夫肺15例の免疫組織学的検索を行い以下の結果を得た. 1) 臨床症状としてアルサス型が多かった(9/13). 2) ほぼ全例に特異沈降抗体が検出された(14/15). 3) 免疫複合体が5例に高値であった(5/12). 4) 細胞性免疫が低下していた. 5) CH50は正常から高値を示すものが多かった(10/12). 6) 組織像としてほとんどが肉芽腫とリンパ球浸潤を示した. 7) 免疫組織学的検索で肺胞壁,毛細血管への免疫グロブリンの沈着が1例もみられなかった. 8) 組織像で肉芽腫像を示しているにもかかわらず,免疫組織学的検索では2例に血管壁に補体の沈着を認めたことは皿型アレルギーからIV型アレルギーへの移行像を示唆した. 9) HLA抗原の分析では有意差は認められなかった. 10) 農夫肺の発症機序はGell and Coombs分類の皿型およびIV型アレルギー反応がともに関与していることが示唆された.
  • 小倉 俊郎, 高岡 道夫, 緒方 玲子, 味埜 泰明, 槇野 博史, 平松 信, 高橋 香代, 西谷 皓次, 鈴木 信也, 太田 善介
    1985 年 8 巻 3 号 p. 153-160
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    金療法により尿異常をきたした慢性関節リウマチ患者(RA) 7症例を臨床病理学的に検討した.尿異常としては, 7例中5例は血尿症例であり,金療法中止により尿異常は比較的速やかに減少ないし消失した.腎機能はクレアチニンクリアランス50ml/min以下の低下症例を4例に認め, 2例は金療法中止によっても改善を認めず,金療法が血尿出現後も継続された1例は腎不全に陥った.腎組織所見は,微小糸球体変化2例,巣状糸球体腎炎1例,びまん性増殖性腎炎2例,膜性腎症1例,硬化性腎炎1例と多様であったが,全例の近位尿細管にエネルギー分散型解析電顕で金の沈着を証明した.一度生体内に投与された金塩は長期間腎組織内に沈着して腎障害の原因となっていることが考えられ,金療法中は尿細管機能検査を中心とした腎機能の十分な観察が重要であ
  • 波多野 誠, 西谷 皓次, 篠原 佳年, 山村 昌弘, 天野 哲基, 鈴木 信也, 太田 善介
    1985 年 8 巻 3 号 p. 161-167
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は20歳女性で小児期に易感染性も薬剤の投与もなかった.最近,発熱・反復する呼吸器系感染・貧血を主徴として来院し検査所見にて低γ-グロブリン血症(0.08g/dl),血清中のすべてのクラスの免疫グロブリン量(lgG 182mg/dl, IgA 0.7mg/dl以下, IgM 5.0mg/dl, IgD 2.0mg/dl以下, IgE 0.2u/ml)が低値を示し,白血球数3,600/cumm, Ly 35%, T-Cell: 85%, B-Cell: 12%, OKT3+: 73.1%, OKT4+: 26.6%, OKT8+: 40.3%, OKT 4/8比: 0.66であり成人にて発症したcommon variable immunodeficiency (CVI)と診断した.
    患者の末梢血リンパ球(1×106/ml)をPokeweed Mitogen (PWM, 10μl/ml)で刺激し, 6日間培養後の上清中に産生されたIgG量をEnzyme-linked immunosorbent assayにて測定したところ42ng/mlと対照の690, 452ng/mlに比して低値を示した.患者B-細胞と健常人T-細胞を1:4に調整しPWM刺激混合培養したところ, IgG産生は増強された.同様に,健常人B-細胞と患者T-細胞の組み合わせで培養したが健常人T-細胞に比して患者T-細胞は有意な促進効果を示さなかった.また,患者T-細胞は健常人PBMあるいはT-, B-細胞混合培養に第三の細胞群として加えてもIgG産生に抑制を示さなかった.これらの実験結果より患者T-細胞のhelper機能の低下によりIgG産生の低下がもたらされたと推測された.また,本症例に合併した鉄欠乏性貧血とリンパ系組織が腸管からの鉄吸収の役割を有することを考え合わすと患者に認められたhelper T-細胞機能低下が貧血の一因として推測される.
  • 小阪 昌明, 斉藤 芳国, 井石 安比古, 岡川 和人, 宮 恵子, 星島 康男, 伊藤 淳子, 後藤 哲也, 斎藤 史郎
    1985 年 8 巻 3 号 p. 168-171
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Leu-7+細胞の表面形質の多様性とNK細胞活性を骨髄腫17例と正常人20例について解析した. T細胞抗原をco-expressするLeu-7+細胞はtwo-color immunonuorescenceにより, NK細胞活性は末梢リンパ球をeffector, 51Cr標識K-562をtargetとして検索した.末梢リンパ球のLeu-7+細胞は正常人の20.5±4.9% (mean±1SD)に比べ骨髄腫では31.5±10.3%と増加し, Leu-1またはLeu-2aをco-expressするLeu-7+細胞は正常人でそれぞれ7.3±4.3, 5.8±2.1%に対し,骨髄腫では14.4±6.4, 17.0±7.3%と2-3倍に増加していた.この成績は骨髄腫で報告されたOKT-8+/Leu-2a+細胞の増加もLeU-2a+Leu-7+細胞によることを示している.また末梢リンパ球のNK細胞活性は正常人53.1±15.0に対し,骨髄腫44.7±21.5%で軽度低下していたが有意差はなく,増加したT抗原をco-expressするLeu-7+細胞のNK細胞活性の低いことを示唆した.これらT抗原をco-expressするLeu-7+細胞はB細胞のIg産生を抑制することが知られており,骨髄腫におけるresidual Ig減少などの免疫不全に関連があると考えられる.
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