トレーニング指導
Online ISSN : 2434-3307
Print ISSN : 2433-6742
3 巻, 1 号
トレーニング指導 第3巻第1号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著研究論文
  • 寺田 梨奈, 仲 立貴, 島 典広, 菅野 昌明
    2020 年 3 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/11
    ジャーナル フリー
    下肢長の影響を考慮した椅子立ち上がり動作のパワー指標は、椅子立ち座り動作の所要時間よりも筋力、パワー、筋横断面積と関連性が高いことが報告されている。本研究では、10回椅子立ち座りテストの所要時間(STS Time Index :STS-T)と、身長と椅子の脚長から算出したパワー指標(STS Power Index:STS-P)が移動能力と関連しているかどうかを明らかにすることを目的とした。20~97歳の男女2055名を対象に測定を実施した。その結果、STS-TおよびSTS-P と10m速歩、階段昇段に関連性が認められた。年齢別で検討したところ年齢の増加に伴い相関係数も高値を示した。また、10m速歩の相関係数は階段昇段よりも高値を示した。したがって、測定による危険性が伴う高い年齢層において、STS-TおよびSTS-Pの椅子立ち座り動作の計測は歩行能力や階段昇段能力に関連する指標として有用であり、特に歩行能力を間接的かつ簡易に評価するものとして利用可能であることが示唆された。
原著実践論文
  • 菊池 雄太, 砂川 力也, 増澤 拓也
    2020 年 3 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/11
    ジャーナル フリー
    本研究は、大学ラグビー部に所属する健常な男子大学生18名を対象に、スラックライン上での歩行トレーニングがバランス制御能力に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験参加者を3群(スラックライン群;SL 群、フロント・サイドブリッジ群;FS 群、コントロール群;Cnt 群)に分け、週に2 回のトレーニングを4 週間実施した。トレーニング前後に、重心動揺、筋力および反応ジャンプテストを測定し、各トレーニングセッションの終了直後に、主観的運動強度(RPE)を聴取した。その結果、SL群とFS 群において、トレーニング後に、重心動揺速度が有意に低い値を示した。SL 群およびFS 群の背筋力の変化は認められず、Cnt 群では、トレーニング後に低下する傾向であった。また、主観的運動強度はFS 群に比べSL 群が有意に低い値を示した。このことから、スラックラインを活用したトレーニングを行うことで、スタビライゼーション型の体幹トレーニングと同等にバランス制御能力が向上し、実践者は、トレーニング強度として主観的に小さく感じていることが明らかとなった。
  • 井川 貴裕, 岡崎 祐介
    2020 年 3 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/11
    ジャーナル フリー
    本研究は、運動教室に参加する幼児15 名を対象として、コーディネーション運動が疾走、敏捷性および跳能力にどの様な影響を与えるかを目的に検証した。運動教室は3 か月間で毎週計15 回行い、1 回目、8 回目、15 回目に測定を行った。測定項目は、10m 走、プロアジリティ2.5m 法、4 センサーアジリティ、垂直跳び、リバウンドジャンプとした。その結果、リバウンドジャンプ以外の項目で、PreよりもMidまたはPost の記録が向上した。効果量を算出した結果、多くの測定項目で運動教室前半の方が後半よりも高かった。4 センサーアジリティにおいては男女ともに最も高い値を示した。以上のことから、幼児に対するコーディネーション運動は疾走、敏捷性および跳能力向上に一定の効果があり、運動の初期段階でより効果が高くなることが明らかとなった。リバウンドジャンプにおいては、短い接地時間の中で行われるバリスティックな跳躍動作を長期的にプログラムに加える必要がある。
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