本研究は、幼児期から青年期までの女子を対象に身長発育と
スピード、方向転換能力、瞬発力および敏捷性の発達との関連
性について検討するために行った。本研究において、4 歳から
15 歳までの2,552 名の活発な女子がテストされた。スピード、方
向転換能力、瞬発力および敏捷性を示す体力・運動能力として、
20 m 走速度、プロアジリティテスト速度、立ち幅とび、反復横とび、
垂直跳びおよびリバウンドジャンプ指数を測定した。アロメトリー式
“y = bx
a”を得るために、身長に従って分類した測定値を両対
数グラフにプロットした。変移点を考慮しない場合、20 m 走速度、
プロアジリティテスト速度、立ち幅とび、反復横とび、垂直跳び
およびリバウンドジャンプ指数の係数”a”の値はそれぞれ0.923、
0.874、1.619、2.032、1.598、1.921 であった。また、変移点を
考慮した場合では、いずれの測定種目においても1 つの変移点
をもつ2 相の一次関数で示された。しかしながら、変移点までの
係数a の値はいずれの体力・運動能力でも変移点からの係数”a”
の値を上回っていた。なお、変移点での身長は、122.1 cm から
128.3 cm の範囲であった。本研究の結果から、女子では身長
が約125 cmまではスピード、方向転換能力、瞬発力および敏捷
性が著しく発達するが、その後発達は鈍化することが示唆された。
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