インテリジェンス・マネジメント
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1 巻 , 1 号
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解説
  • ~未来予測力と危機管理力の強化~
    中川 十郎
    原稿種別: 解説
    2009 年 1 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2009/09/05
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    インテリジェンスを活用して競争優位を確保するためには収集した情報を整理,分析し,未来予測力を強化し,さらに正確な情報を活用した危険(リスク),危機(クライシス)管理力を涵養することが必須である。このような極めて基本的なことを等閑視したことが,先の太平洋戦争のミッドウエイ海戦での日本海軍の壊滅的大敗,戦後の90年代のバブル崩壊よる長期経済不況,現今の世界金融,経済危機に日本が翻弄されている原因ではないか。このままでは日本は戦後長年保持してきたGDP(国内総生産)世界第2位の座を2010年にも中国に明け渡すことになるのは自明である。21世紀は情報と知識が世界を主導する。今こそわが日本はインテリジェンス活用による未来予測力と危機管理能力の強化に尽力することが強く要請されている。そのためには欧米に対抗し,ビジネスインテリジェンス,コンぺテイテイブインテリジェンスの研究と教育を早急に強化することが先決である。
論文
  • 北岡 元
    2009 年 1 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2009/09/05
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    情報分析の世界で最先端の技法,シナリオ分析は,突然現れたのではなく,インテリジェンスを生産するという人類の営みの中で試行錯誤を経て生み出されたものだ。古代中国の孫子は「彼を知りて,己を知れば,百戦してあやうからず」と言ったが,インテリジェンスの歴史で圧倒的に重視されてきたのは「彼(ライバル)を知る」の方である。しかし特に90年代以降ビジネスの世界では,違う業界からのライバルが突然現れる等「彼」が見えにくくなって,「己を知る(自社の脆弱性を分析する)」から始めるというアプローチがとられるようになってきた。さらに「未来予想」がたびたび失敗する中で,複数の未来に関するシナリオを作り,「未来に備える」というアプローチもとられるようになった。双方の流れが合流して現れたのが,シナリオ分析である。実践する上では,自社の弱点を充分に分析し,自社の利害に関わるシナリオのみ作る,不確実な未来に翻弄されることなく,確実なもの(既定要素)を出来るだけ数多く発見し重視する,シナリオを動かすドライビング・フォースを明らかにする,などがポイントとなる。
  • 9-11テロとグローバルな金融危機を触媒に
    保井 俊之
    2009 年 1 巻 1 号 p. 23-34
    発行日: 2009/09/05
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    金融インテリジェンスは国家安全保障のために,金融に特化した組織により,金融の手法により要求・収集・分析され,金融のフォーマットで政策決定者に提供されるインテリジェンスと定義される。金融インテリジェンスは主として1990年代、マネーロンダリング対策のための法執行活動として出現した。そして2001年9月11日の米国における同時多発テロは金融インテリジェンスの活動分野を,非伝統的な脅威と戦う非対称な戦争の分野へと拡大した。さらに2005年から米国は北朝鮮及びイランを重大な安全保障上の脅威とみなすようになり,これらの国に金融インテリジェンスを活発に適用するようになった。2007年秋に発生したグローバルな金融危機により,米国のインテリジェンスコミュニティは金融サービス及び金融市場をインテリジェンス活動の主要な領域とみなすようになっている。
  • ~企業の租税政策における意思決定モデルの体系化に関するヒューリスティクアプローチ~
    大泉 寛
    2009 年 1 巻 1 号 p. 35-45
    発行日: 2009/09/05
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    本稿は、企業の経営意思決定に必要とされる重要な税務情報のインテリジェンス化に着目し、事業の競争環境を探知する一連の理論と手法であるコンペティティブ・インテリジェンスを企業の租税政策へ援用し、その不偏的フレームワークのモデル化を意図している。しかしこの分野での先行研究は少なく、税務はブラックアートの部分も存在することから、手法として、ヒューリスティクアプローチにより、問題を発見的に探査しながら研究の目的に迫る。また単に従来ある節税の観点からでは問題に到達することができない。したがって近年注目されつつある超領域的研究、すなわち既存の諸科学の知見を相互に自由に統合し、既存の学問体系の枠組を超え新しい学問の体系を生じさせる研究と位置づけ、タックス・コンペティティブ・インテリジェンスを学問領域とする新たな地平を開拓する。
  • ―半導体先端技術産業を中心に―
    高橋 文行, 菅澤 喜男
    2009 年 1 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 2009/09/05
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    企業が国際競争力を維持していくためには,持続的なイノベーションが不可欠である。企業はグローバル競争が激化する中で,研究開発のあり方も大きく変化してきた。過去に定型とされた研究開発のリニアモデルの「中央研究所時代の終焉」とオープン・イノベーションの新しい時代の研究開発マネジメント方法論が議論されている。グローバル競争の激化と製品・技術のライフサイクルの短縮化により,研究開発に投じる資金・人材・技術などの経営資源が,全てを一企業で賄うことが困難な状況になった。企業は産学連携、外部機関の活用などオープン・イノベーションの重要性は認識されつつある。その場合,競合または潜在的競合と連携する場合もあり,ライバル企業と自社の技術力を比較し,競合する企業の技術情報に関る収集・分析・評価する一連の分析プロセスと理論を体系化したコンペティティブ・テクニカル・インテリジェンス(Competitive Technical Intelligence, CTIと略す)手法の活用が重要である。本論文では,オープン・イノベーションを中心とした新たな研究・開発のあり方とその傾向に注目し,半導体先端技術産業の研究開発企業に焦点を当って,戦略的技術提携の構築と外部技術の活用において,CTIの意義と重要性を明らかにすると共に,CTIはどのように活用するかについて考察を行う。最後に企業の技術戦略構築に必要な競争優位性の確保について議論するものである。
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