臨床神経生理学
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40 巻 , 6 号
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原著
  • ~Wada testとの比較~
    丸田 雄一, 藤井 正美, 野村 貞宏, 井本 浩哉, 岡 史朗, 出口 誠, 吉川 功一, 米田 浩, 石原 秀行, 山川 烈, 鈴木 倫 ...
    2012 年 40 巻 6 号 p. 519-526
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2014/12/30
    ジャーナル フリー
    光トポグラフィーを無侵襲性言語優位半球同定に応用し, Wada testの結果との一致状況を検討した。対象は, 13歳から81歳の患者11例 (脳動脈瘤3例, 脳腫瘍6例, てんかん1例, 脳動静脈奇形1例), 男性7例, 女性4例である。課題はブロックデザインの単語想記記述課題を用いた。左右6種のROI (関心領域) を設定し, LI (Laterality Index) 算定によりWada testの結果との対比から判定に至適なROIの決定を行った。その後, 至適ROIのLIに基づき, 光トポグラフィー法で言語優位半球の判定を行った。光トポグラフィー法の結果は, 左側優位8例, 右側優位2例, 両側優位1例, 判定不能0例であり, Wada testの結果は左側優位8例, 右側優位1例, 両側優位1例, 判定不能1例であった。両検査法の一致率は, 90% (9/10例) であった。また, 光トポグラフィー法では, Wada testの実施が困難であった1例についても評価が可能であった。以上より, 本法は言語優位半球の同定法として臨床応用が可能と考えられた。
  • 松田 綾沙, 原 恵子, 太田 克也, 松浦 雅人, 松島 英介
    2012 年 40 巻 6 号 p. 527-534
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2014/12/30
    ジャーナル フリー
    絶対音感とは他の基準となる音を頼りにせず音名を言い当てることのできる能力である。我々はミスマッチ陰性電位 (MMN) を用い, 絶対音感保持の有無による「12音階の構成音 (音階内の音) 」と「それ以外の音 (音階外の音) 」の聴覚の前注意的な情報処理の差を調べた。絶対音階保持者 (AP) 群12名と非保持者 (NAP) 群14名を対象とした。刺激はヴァイオリン音で2セット作成し, 1セット目は「音階内」のみで作成し, 標準刺激を442 Hz (音名でラ), 逸脱刺激は496 Hz (音名でシ) とした。2セット目は「音階外」のみで作成し, 452 Hz (ラとシの間の音) と509 Hz (シとドの間の音) とした。NAP群では音階内の音と音階外の音で同程度のMMN振幅を示したが, AP群では音階内では音階外に比べてMMN振幅が低下した。今回の結果からAP群は音階に関する潜在記憶が発達していることが示唆された。
  • —電気生理学検査を用いて—
    今城 靖明, 舩場 真裕, 田口 敏彦
    2012 年 40 巻 6 号 p. 535-539
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2014/12/30
    ジャーナル フリー
    前根障害と診断した近位型頸椎症性筋萎縮症 (CSA) の頸椎術後成績を検討した。対象は, 対側の筋力が正常であるCSAで頸椎手術を行った25例中, 電気生理検査で前根障害と診断した10例とした。方法は, Erb点で最大上刺激し両側の三角筋, 上腕二頭筋の複合筋活動電位 (CMAP) 振幅, およびその患側/健側比と上肢中枢運動伝導時間を計測した。治療成績は術前後のMMTで, 二段階以上もしくはNまでの回復をExcellent (E), 一段階の回復をGood (G), 不変をFair (F) とした。その結果, Excellentは7例で, このうち三角筋CMAPと上腕二頭筋CMAPの振幅の平均患側/健側比が30%–50%であった症例は5例, 10%–30%であった症例は2例であった。Fairは3例で全例が10%–30%であった。前根障害の近位型CSAは予後良好と報告してきたが, CMAP振幅による患側/健側比が30%未満の重度の前根障害例では成績不良例があり, 多数筋腱移行術を考慮する必要がある。
  • 宮川 大毅, 浅川 徹也, 多屋 優人, 横山 浩之, 岡島 恵子, 林 拓世, 水野(松本) 由子
    2012 年 40 巻 6 号 p. 540-546
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2014/12/30
    ジャーナル フリー
    携帯端末を用いた情動ストレス刺激時の指尖容積脈波を解析し, 自律神経機能を評価することを目的とした。被験者として健常成人24名を対象とした。視聴覚刺激として, 安静刺激, 快刺激, 不快刺激の3セッション, 文章刺激として, 快文章刺激, 不快文章刺激の2 セッションの計5セッションを実施した。各セッションでは, 開眼状態で課題を40秒間行わせた後 (課題開眼), 閉眼状態で想起を180秒間行わせる (想起閉眼) という手続きを3回繰り返した。視聴覚刺激は, 携帯端末から画像と効果音を与えながら数字選択を行わせた。文章刺激は, 効果音を与えながらメール形式の文章黙読を行わせた。各セッション中に, 継続的に指尖容積脈波の測定を行った。セッション間, 課題開眼・想起閉眼間の脈波振幅値を比較した。その結果, 課題開眼時, 想起閉眼時に, 快刺激の振幅値は安静刺激と比較して, 不快刺激の振幅値は安静, 快刺激と比較して, 有意に低値を示した。安静, 不快刺激時に, 想起閉眼時の振幅値は課題開眼時と比較して, 有意に高値を示した。快文章刺激, 不快文章刺激時に, 想起閉眼時の振幅値は課題開眼時と比較して, 有意に低値を示した。以上のことより, 携帯端末に特有のメール形式の文章刺激による情動ストレスは, 視聴覚刺激とは異なる自律神経反応を引き起こすことが示唆された。
  • 林 悠佳, 西平 賀昭, 東浦 拓郎, 林 久仁則
    2012 年 40 巻 6 号 p. 547-554
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2014/12/30
    ジャーナル フリー
    7名の運動習慣を有しない健康な大学生・大学院生 (22.6±2.2歳) を対象に, 就床前に行う異なる様式の中強度運動がその後の夜間睡眠に及ぼす影響について, 睡眠ポリグラフィ (polysomnography: PSG) 記録を用いて検討した。本研究は, 運動を行わずにPSG記録を行うコントロール条件と, 就床3時間前から1時間の中強度運動 (有酸素運動, レジスタンス運動) を行う運動条件で構成された。その結果, 有酸素運動条件とレジスタンス運動条件ともにコントロール条件と比較して相対的な徐波睡眠量の増加と入眠潜時の短縮が認められた。また, その他の睡眠変数には有意な変化がなかった。以上の結果から, 中強度の有酸素運動, レジスタンス運動はともに睡眠の質を向上させることが示唆された。
総説
  • 飛松 省三, 湯本 真人, 橋本 勲
    2012 年 40 巻 6 号 p. 555-559
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2014/12/30
    ジャーナル フリー
    視覚誘発電位 (VEP) は, 誘発脳波計で容易に記録でき, 視覚路の情報処理機能をミリ秒単位 (高時間分解能) で評価できる。しかし, 異なる伝導率を有する容積導体を通して頭皮上から記録するため, 後頭葉の軽微な機能変化や機能の左右差を検出するには難がある。一方, 視覚誘発脳磁場 (VEF) は, 生体内の透磁率がほぼ等しく磁場のひずみが生じないため, 時間分解能のみならず空間分解能 (ミリメートル) にも優れ, 視覚野の一側性機能異常や軽微な左右の機能差などを鋭敏に検出できる。VEFの記録パラメータと刺激パラメータに関する文献レビュー (1995年1月〜2012年7月) を行い, 条件に一致する9論文を猟集した。その結果, 記録パラメータでは年代の違いによる測定機種の差が見られた。刺激パラメータでは刺激頻度とコントラスト以外は, 報告によりかなりのバラツキが認められた。VEFの今後の臨応用研究のため, 過去のVEP知見から刺激パラメータに関する現状分析を行い, 問題点を指摘した。
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