臨床神経生理学
Online ISSN : 2188-031X
Print ISSN : 1345-7101
ISSN-L : 1345-7101
42 巻 , 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著
  • 河原 靖典, 西平 賀昭, 福本 寛之, 八田 有洋, 碓井 外幸
    2014 年 42 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2014/02/01
    公開日: 2015/02/27
    ジャーナル フリー
    9名の健康な大学生・大学院生 (平均年齢24.2歳, 全員右利き) を対象に, 運動関連脳電位 (movement-related cortical potential: MRCP) を指標に用いて随意的な筋弛緩動作時の脳内準備処理過程を検討した。実験に先立ち, 全被験者の利き手の最大随意収縮 (maximum voluntary contraction: MVC) を求め, 各参加者のMVCの10, 20, 30%を算出した。本研究は随意的な筋弛緩課題として30%MVCのハンドグリップ把持の状態から (1) 完全脱力する課題, (2) 10%MVCに脱力する課題, (3) 20%MVCに脱力する課題の3条件で構成された。筋張力の調節が必要な課題に伴うMRCPは, 完全に脱力する課題と比較してMRCP振幅が増大し潜時が延長する結果が得られた。これらの結果から, 力の調節が必要な課題と完全に脱力する随意的な筋弛緩課題では, 脳内の運動処理過程が異なる可能性が示唆された。本研究で得られたMRCPの変動の背景には, 筋弛緩動作時に筋発揮張力の調節が必要とされる困難性の違いが影響していると考えられる。
総説
  • 中村 真樹, 井上 雄一
    2014 年 42 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 2014/02/01
    公開日: 2015/02/27
    ジャーナル フリー
    ナルコレプシーは, 視床下部に存在するオレキシン神経の脱落・変性がその病態の中心にあることが確認されて以来, これを視野に入れた多くの脳機能・形態画像研究がなされている。情動脱力発作を伴うナルコレプシーのPET/SPECTによる機能画像研究では, 安静覚醒時においては視床下部をはじめ広範囲での脳血流低下・代謝低下が示唆されており, 一方, 情動脱力発作時には帯状回や扁桃体での局所的な血流増加が確認されている。また, fMRIを用いた研究では, 情動脱力発作時の視床下部の活動低下と扁桃体の過活動が報告されている。一方で, 構造画像研究であるVBMでは一貫した結果を得るにはいたっておらず, この理由として, MRIの撮像条件や, 解析プログラムの精度が影響している可能性が指摘されている。しかし, DTI拡散テンソル画像を用いた構造画像研究では, 情動脱力発作に扁桃体が重要な役割を果たしている可能性が示唆されている。
  • 園生 雅弘
    2014 年 42 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2014/02/01
    公開日: 2015/02/27
    ジャーナル フリー
    刺激の波及 (current spread) の現象は神経伝導検査 (NCS) における重要なpitfallである。これらに周知していないと, ルーチン検査でも間違った結果を得る場合があり, 特に運動神経伝導検査 (MCS) では伝導ブロックについての誤診につながりやすい。正中–尺骨神経間のspreadはErb点では必発, 手掌, 腋窩・上腕部でも高頻度に起こる。手首刺激でも不用意に強い刺激でspreadが起こり得る。正中神経MCSの近位刺激ではcollision法が必須である。また手根管症候群での手掌刺激MCSの解釈には注意を要する。橈骨神経MCSでも腋窩, Erb点で正中神経にspreadするので対処が必要である。感覚神経伝導検査 (SCS) でもspreadは問題となり得る。母指比較法, 環指比較法でのフタコブラクダ徴候 (Bactrian sign), 示指刺激順行法正中神経SCSでの橈骨神経へのspread, 逆行法尺骨神経SCS手首刺激の背側皮枝へのspread, 外側前腕皮神経SCSでの橈骨神経へのspreadなどについて解説する。
関連講習会だより
feedback
Top