臨床神経生理学
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42 巻 , 3 号
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原著
  • 辻 義弘, 浅川 徹也, 藤堂 敦, 吉田 俊子, 水野(松本) 由子
    2014 年 42 巻 3 号 p. 63-70
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    本研究では, 透析開始直前・直後における指尖容積脈波を10分間測定し, 血液透析による体外循環が慢性腎臓病患者の自律神経機能に影響を与えるかどうかを検討した。被験者は, 健常成人14名と慢性腎臓病患者 (糖尿病性腎症患者7名, 非糖尿病性腎症患者7名) とした。被験者の心身症状と不安状態は, General Health Questionnaire (GHQ-28) とState Treat Anxiety Inventory (STAI) を用いて評価した。脈波にはDetrended Fluctuation Analysis (DFA) を用いてα1を算出し, 各被験者間で比較した。糖尿病性腎症患者のα1 (中央値, 0.44; レンジ, 75%値–25%値, 0.49–0.43) は健常者のα1 (中央値, 0.61; レンジ, 0.73–0.44) と比較して有意に低値を示したが, 透析開始直後に増加した (中央値, 0.55; レンジ, 0.55–0.52) 。非糖尿病性腎症患者のα1は, 透析開始直前と透析開始直後で変化はなかった。GHQ-28のうつ病の得点では, 糖尿病性腎症患者は健常者と比較して高値を示した。これらの結果は, 糖尿病性腎症患者は抑うつ的にあり, 糖尿病性腎症患者の自律神経機能は血液透析に影響されることを示唆している。
  • 廣瀬 有香, 原 恵子, 太田 克也, 松浦 雅人
    2014 年 42 巻 3 号 p. 71-77
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    本研究は聴覚事象関連電位P300を用い, 香りの認知機能に及ぼす影響の性差が, 嗅覚機能による違いなのか, より高次なレベルでの違いなのかを調べることを目的とした。嗅覚検査で正常な健常成人男性12名, 女性14名を対象とした。香りは日局流動パラフィンで希釈したβフェニルエチルアルコールを用い, 無臭対照として日局流動パラフィンを用いた。被験者はにおい紙を嗅いだ状態でoddball課題を行い, 低頻度刺激に対しボタン押しをした。P300測定後に眠気や快楽度などの主観的評価を行った。P300の頂点振幅と頂点潜時を解析した。女性では香り条件下で無臭条件下と比べ有意にP300振幅が低下したのに対し, 男性では低下しなかった。嗅覚閾値, P300頂点潜時, 主観的評価, ボタン押しの反応時間と正答率に男女間で差はなかった。従って, 女性のほうが男性と比べ, バラの香りが認知機能に与える影響が大きいことが示唆された。またこの差は嗅覚閾値によらないことが示された。
  • 櫻庭 理絵, 岩崎 真樹, 神 一敬, 板橋 泉, 加藤 量広, 板橋 尚, 中里 信和
    2014 年 42 巻 3 号 p. 78-83
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    長時間ビデオ脳波モニタリング (LTVEEG) の脳波判読には多大な時間を要する。BESA Epilepsy (BESAE) は, 「てんかん棘波様」活動を自動検出し, 所見を要約するソフトウェアである。長時間脳波判読の効率化が期待されるが, まだ臨床応用されていない。当科でLTVEEGを実施した83例を対象に, BESAEと視察による判読結果を比較検討した。また, BESAEによる棘波の局在と臨床診断を比較した。BESAEは視察による判読結果と完全一致55.4%, 部分一致20.5%, 不一致24.1%であり, 不一致の要因はBESAEがてんかん波を見落とす例がほとんどであった。BESAEの結果は, 75.9%の例で臨床診断と一致していた。BESAEによる判読時間は平均7分43秒 (133分) であった。BESAEは長時間脳波判読を効率的に行うための補助ツールとして有用だが, 一部に見落とされる所見があるため, 更なる改良が必要である。
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