臨床神経生理学
Online ISSN : 2188-031X
Print ISSN : 1345-7101
ISSN-L : 1345-7101
43 巻 , 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著
  • 阿部 達哉, 大熊 彩, 北尾 るり子, 渡辺 大祐, 兵頭 亮, 小森 哲夫
    2015 年 43 巻 3 号 p. 83-92
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    下肢の運動単位数推定 (MUNE) は短趾伸筋での検討が多く, 本邦の神経伝導検査で多用される母趾外転筋 (AH) での報告は少ない。AHにおけるMUNEの臨床的有用性を確認することを目的として, 健常者と筋萎縮性側索硬化症 (ALS) においてbelly-tendon (BT) 導出で多点刺激法を用いて検討した。ALSにおけるBT導出のMUNEは, 健常者に比して低下し, MUNEと改訂ALS機能評価スケールの下肢に関連するスコアは正相関であった。AHのBT導出は, 足底筋全体の容積伝導や基準電極の活性の影響を受ける。そこで, 健常者で基準電極を刺激対側の母趾基節部に置いた単極導出でAHのMUNEを計測し, BT導出との相関を検討した。その結果, 健常者のBT導出のMUNEと単極導出のMUNEは正相関であった。BT導出で記録したAHのMUNEの評価に妥当性があり, ALSにおいても運動単位数の変化を検知できると考える。
総説
  • 桑原 聡
    2015 年 43 巻 3 号 p. 93-97
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    Fisher症候群は外眼筋麻痺, 運動失調, 腱反射消失を三徴とする特異な免疫介在性末梢神経障害である。病変部位は眼運動神経と後根神経節のグループ1aニューロンであり, これらの障害部位はヒトにおけるガングリオシドGQ1bの発現により規定されている。神経生理学的観点からは, 外眼筋麻痺の評価は難しいものの, 運動失調と腱反射消失に関してはヒラメ筋H反射の消失と重心動揺分析における1a入力障害のパターンが認められる。四肢の運動神経伝導検査はF波戦時も含めて正常であるが, 約30%の症例では感覚神経活動電位の振幅低下あるいは体性感覚誘発電位の消失が認められる。Guillain-Barré症候群を合併する場合には運動神経軸索障害 (軸索型) の所見がみられる。本総説ではFisher症候群の病態生理について概説し, これまでに報告されている電気生理学的検査所見について解説した。臨床神経生理学的検査を行う場合には同症候群の診断を支持する所見を知っておくことが望ましいと思われる。
解説
  • 筋・末梢神経電気診断技術向上委員会
    2015 年 43 巻 3 号 p. 98
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
  • 園生 雅弘
    2015 年 43 巻 3 号 p. 99-108
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    肩腕部の痛みを伴い, 左手指の麻痺を突然発症した65歳男性例。下垂指を呈し, 臨床的に後骨間神経>尺骨神経支配筋に筋力低下を認め, 針筋電図ではこれらに加えて長母指屈筋, T1傍脊柱筋にも脱神経を認めた。これより, C8単独障害を呈する遠位型の頸椎症性筋萎縮症 (CSA) と診断した。頸部MRIの変化は軽度であった。CSAは日本で多く報告されている疾患で, 近位型と遠位型に分けられ, 近位型が多いとする報告が多いが, 筆者の検討では両者同程度の頻度であった。遠位型では下垂指を呈する例が多い。MRIの頸椎症性の変化は軽微な例も多い。後骨間神経麻痺, 神経痛性筋萎縮症, 筋萎縮性側索硬化症が重要な鑑別診断となる。臨床症候 (筋力) と傍脊柱筋を含む針筋電図による障害分布の詳細な検討が, 最大の診断の手がかりとなるもので, 画像のみに頼ると容易に誤診する。神経筋電気診断医の実力が最も発揮される重要な疾患のひとつと言えよう。
feedback
Top