臨床神経生理学
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44 巻 , 6 号
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特集「術中脳脊髄モニタリングの現状と問題点」運動誘発電位モニタリングと麻酔管理
  • 田中 聡, 川真田 樹人
    2016 年 44 巻 6 号 p. 473-477
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    運動誘発電位 (motor evoked potential: MEP) は大脳皮質運動野を電気刺激し, 錘体路を経て脊髄 (spinal) や筋肉 (myogenic) で誘発される電位変化である。術中に脳脊髄損傷・虚血が生じうる, 脳神経外科手術, 脊椎・脊髄外科手術, 胸腹部大動脈瘤手術における運動機能モニタリングとしてMEPは普及してきた。簡便で低侵襲に測定できるmyogenic MEPは, 全身麻酔時に用いられる鎮静薬や筋弛緩薬に影響を受けるが, 薬剤によりその程度が異なる。myogenic MEPモニタリングの際には, 吸入麻酔薬に比べてMEPを抑制しにくい静脈麻酔薬, 特にプロポフォールが広く用いられている。筋弛緩薬は量依存性にmyogenic MEPを抑制するため, 必要最小限の使用にとどめる。鎮痛目的で用いられるフェンタニルやレミフェンタニルのmyogenic MEPに与える影響は小さい。MEPを頻繁に測定する時間帯には, 新たな麻酔薬の追加や投与量の急激な変更を避ける。十分な振幅のMEPを維持しながら, 手術操作に起因したMEPの変化を検出し, それを正しく解釈するためには, 麻酔関連薬剤のMEPに与える影響を熟知する必要がある。

  • 福岡 尚和, 飯田 宏樹
    2016 年 44 巻 6 号 p. 478-485
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    全身麻酔薬はシナプスに作用し全身麻酔中の運動誘発電位 (MEP) モニタリングを困難にさせるが, 麻酔薬によってその作用機序は異なる。MEPモニタリング時の全身麻酔薬のゴールドスタンダードはプロポフォールとされている。吸入麻酔薬と比べて刺激閾値が低く, 振幅が大きいことが理由だが, 安定性には疑問が残されておりその優位性についてはさらなる検討が必要である。一方, 吸入麻酔薬でもMEPモニタリングが十分可能であり, それは麻酔科医にとって全身麻酔管理の幅を広げてくれる利点がある。小児や肝機能低下合併例, 術中wake-up testを施行する場合などは吸入麻酔薬の好適応ともいえる。初めに吸入麻酔薬でコントロールのMEP導出を試み不可能であればプロポフォール麻酔に変更するのも一つの方法である。そして, MEPモニタリング時の麻酔法を見直し, より安定した質の高い麻酔管理を心がけることが大切である。

  • 林 浩伸, 川口 昌彦
    2016 年 44 巻 6 号 p. 486-490
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー
  • 和泉 俊輔, 垣花 学
    2016 年 44 巻 6 号 p. 491-493
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー
  • 吉谷 健司, 大西 佳彦
    2016 年 44 巻 6 号 p. 494-496
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    下行大動脈瘤, 胸腹部大動脈瘤の手術の際は脊髄栄養血管を犠牲にするため脊髄虚血による下肢麻痺, 感覚障害, 直腸膀胱障害が合併症として起こる。これらの合併症を回避するために手術中に脊髄機能モニタリングとして運動誘発電位モニタリングが行われてきたが, 人工心肺を用いるため, 脳外科手術, 整形外科手術と異なる問題点を含んでいる。特に, 超低体温循環停止を行い体温を18ºC付近まで低下させるとさらに状況は複雑になる。運動誘発電位 (MEP) は一旦消失し, 人工血管への置換が終了して復温を開始すると徐々にMEPは電位が回復し始める。しかし, もとの電位まで回復することは稀であり, タイミングも症例によって異なる。これらについて過去の報告をもとに留意点を整理したので報告する。

解説
  • 馬場 正之, 村上 千恵子, 小川 吉司
    2016 年 44 巻 6 号 p. 497-501
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/12/27
    ジャーナル フリー

    原因不明の突然死を来した糖尿病患者3例の神経伝導検査所見と突然死に至るまでの臨床経過を報告し, 糖尿病性神経障害が突然死の基盤となった可能性を論じる。いずれの患者も2007年~2009年に神経伝導検査によって重度~廃絶性神経障害と診断された41名中に属し, その後の足病変イベント発生の前向き調査中に突然死を来したもので, 死亡直前の血糖コントロールは安定し, 低血糖や致死的な心・脳血管障害を思わせる症状・徴候はなかった。同時期に神経障害なしあるいは軽度・中等度障害としてフォロー中の糖尿病患者189名に突然死は5年間全く出ていない。神経伝導検査による神経障害重症度の客観的評価法の有用性と, 神経伝導検査専門検査技師養成の意義についても述べた。

その他
委員会報告
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