臨床神経生理学
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44 巻 , 3 号
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原著
  • 吉村 歩, 木部 哲也, 小池 茂文, 横地 健治
    2016 年 44 巻 3 号 p. 99-105
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    分娩監視装置を用いて瞬時心拍数の変動を計測し, 同時に記録したpolysomnography検査より得られた睡眠段階との関係を検討した。睡眠時無呼吸を主訴に来院した患者のうち, 15分以上持続するN2, N3, REM期の睡眠段階を有した小児10例を検討対象とした。N2とN3は瞬時心拍数変動パターンから区別されず, 両者とも変動性の少ない波形であった。N2・N3の瞬時心拍数変動波形は, 多くは5–15bpmの振幅の基線細変動であり, 最下点曲線の下頂点の心拍数の差は5bpm以内であった。これに対し, REMの瞬時心拍数変動波形は, 変動性の大きい波形であった。基線細変動の同定は不明確であり, 変動幅が15–20bpmで変動周期が10–40秒の大きな長変動がみられた。また, 最下点曲線の下頂点の心拍数は大きく変動し, 5–30 bpmの差がみられた。瞬時心拍数変動波形でN2, N3とREMは区別することが可能であった。

総説
  • 宮内 哲
    2016 年 44 巻 3 号 p. 106-114
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    その2で述べたように, 最初にヒトでの脳波記録に成功してから5年間の年月をかけて, 自らが記録した脳波がアーチファクトではないことを検証して論文を出したにもかかわらず, Bergerの脳波は当時の神経生理学には受け入れられなかった。その3では, Adrianによる追試をきっかけにして脳波が神経生理学や臨床医学に受け入れられていった過程と, その後のBerger, 特にナチスとの関係と自殺の原因, テレパシーを信じるようになった経緯, Bergerがノーベル賞にノミネートされていたことなどについて述べる。

特集「術中脳脊髄モニタリングの現状と問題点」
  • 齋藤 貴徳, 安藤 宗治, 飯田 宏樹, 川口 昌彦, 川端 茂徳, 後藤 哲哉, 佐々木 達也, 高橋 修, 谷口 愼一郎, 丸田 雄一
    2016 年 44 巻 3 号 p. 115
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー
  • 小林 祥, 松山 幸弘, 川端 茂徳, 安藤 宗治, 寒竹 司, 高橋 雅人, 伊藤 全哉, 藤原 靖, 田所 伸朗, 和田 簡一郎, 山田 ...
    2016 年 44 巻 3 号 p. 116-119
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    日本脊椎脊髄病学会脊髄モニタリングワーキンググループでは, 8年にわたる多施設研究を行ってきた。後ろ向き調査では, Br(E)-MsEPが最も多く施行されていた。さらに, multimodal monitoringの感度がsingle-modalityに比較して高く, 特にBr(E)-MsEPとBr(E)-SCEPの組み合わせが有用であった。Br(E)-MsEPのアラームポイントは振幅70%低下とすると, 側彎症, 胸椎OPLL, 脊髄腫瘍の手術において良好な精度を示した。しかし陽性的中率が低いこと, 頸髄腫瘍手術において偽陰性例があったことが問題であり, アラーム時の評価や, 頸髄腫瘍手術でのモニタリングに工夫が必要であり, 今後の課題である。

  • 安藤 宗治
    2016 年 44 巻 3 号 p. 120-127
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    脊椎脊髄手術に際し, 脊髄機能モニタリングには種々の誘発電位が用いられている。脊髄に選択的な障害が加わった場合には単一の誘発電位を用いた場合にはその誘発電位の守備範囲外であれば電位に異常が見られないものの術後神経症状の悪化が生じるfalse negativeとなる危険性がある。特に脊髄髄内腫瘍の手術では運動路が選択的に障害されることがあり運動路のモニターは必須であるが感覚路の障害が生じることもあり運動路と感覚路の双方のモニタリングを行う必要がある。複雑な脊髄機能をすべてモニタリングすることは困難であるが, 各種誘発電位の特徴をよく理解した上で個々の症例に応じて適切に誘発電位を組み合わせてmultimodal monitoringを行うことが重要である。

  • —疾患別, 高位別の主力誘発電位の選択—
    山本 直也, 林 知美, 遠藤 一幸, 清水 敬親, 伊野 正剛
    2016 年 44 巻 3 号 p. 128-137
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    運動誘発電位を導出できる刺激方法には経頭蓋刺激と経鼻電極を用いた経咽頭刺激がある。誘発筋電図は前者では遠位筋優位に, 後者では近位筋優位に導出される。一部異なった運動路を評価している可能性がある。両者を用いて導出条件の良好な刺激を中心に術中脊髄評価に用いている。経咽頭刺激では経頭蓋刺激の半分の刺激強度で導出可能である。術前から重度の脊髄障害を有する症例で誘発筋電図が導出できない場合でも下行性脊髄誘発電位の記録が可能であることが多い。これらの刺激を用いて脊髄から記録する下行性脊髄電位は, 筋弛緩下に導出することができ, 手術操作の妨げにならない。白質の伝導性の評価が重要な上位頸髄や胸髄のモニタリングや後角介在ニューロンが最も鋭敏な虚血性脊髄障害の評価には下行性脊髄電位が確実である。高位としては灰白質, 神経根, 馬尾の評価が重要な下位頸髄や腰髄膨大部で, 疾患としては髄内腫瘍や脊柱変形では誘発筋電図が第1選択となる。

  • 川端 茂徳, 角谷 智, 牛尾 修太, 大川 淳
    2016 年 44 巻 3 号 p. 138-142
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    理想的な術中脊髄モニタリングの要件は, 脊髄機能を横断面で診断できること, 安定して記録できること, 即時性があることである。現在多様なモニタリング法があるが, これらを組み合わせることで理想のモニタリングに近づくことができる。

  • 安田 明正, 小川 潤, 石井 賢, 松本 守雄, 中村 雅也, 岩波 明生
    2016 年 44 巻 3 号 p. 143-148
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    脊髄髄内腫瘍手術などの脊椎脊髄手術において, 術中の神経合併症を未然に防ぐために, 術中モニタリングが広く行われてきた。本稿では, 運動誘発電位の中でも経頭蓋電気刺激・複合筋誘発電位 (Br-CMAP) と経頭蓋電気刺激・脊髄誘発電位 (Br-SCEP) について記述した。Br-CMAPは導出が比較的容易で, 運動誘発電位としての特異性が高いことが利点とされ頻用されているが, false positiveが多い等の短所がある。Br-SCEPは, Br-CMAPと比較してもfalse positiveが少ないことが最大の利点であり, 麻痺の検出に優れている。われわれは, 脊髄の索路をモニターしようとする場合, 感受性の高さと簡便性とにおいて下肢筋のBr-CMAPをまず最低限選択すべきであると考えている。Br-CMAPの特異性がやや低いことへの対策としてはmultimodality monitoringであり, 本稿ではその選択肢としてBr-SCEPの併用を提案し, 臨床例において電位の感受性の差があることを示した。

  • 齋藤 貴徳, 谷口 慎一郎, 谷 陽一, 石原 昌幸, 朴 正旭
    2016 年 44 巻 3 号 p. 149-159
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー
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