臨床神経生理学
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44 巻 , 4 号
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特集「術中脳脊髄モニタリングの現状と問題点」
  • 藤木 稔
    2016 年 44 巻 4 号 p. 181-184
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    運動誘発電位 (motor evoked potential; MEP) 術中モニタリングには術前・術中マッピングを必ずしも必要としないことがある。特に経頭蓋刺激–末梢神経筋電図記録が広く用いられるようになった昨今においては尚更である。前頭葉・頭頂葉には運動感覚の高次中枢が局在する。手術計画に必要な機能検査のうち電気生理学的検査法は, それ単独で成り立つものではなく, MRIなどの形態的評価とともに行うべきものである。術前・術中マッピングは本特集の各項でその詳細が記載されるMEP同様, Neuronavigation (DTI, fMRI) などとともに時間軸を同じくするモダリティの一つであり, いずれも手術を確実安全に行うための評価法である。運動遂行プログラムの流れの中でもMEPの位置づけ, MEPの神経生理学的意義, マルチモダリティ–術前・術中マッピングについて概説する。

  • 後藤 哲哉, 本郷 一博
    2016 年 44 巻 4 号 p. 185-188
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    全身麻酔下での脳神経外科手術において, 運動機能を担保するための術中運動誘発電位 (motor evoked potential: MEP) 検査は, 必須の手術支援技術となって久しい。プロポフォールを利用した完全静脈麻酔が広く施行されるようになったこと, 高頻度電気刺激と筋電図測定の組み合わせによるMEP検査方法の確立が, 術中MEP検査の裾野を広げたといえる。しかしながら術中MEP測定は, 古典的な術中誘発電位検査, たとえば体性感覚誘発電位や聴性脳幹反応などと比較して, 波形が不安定であることが検査の判定に問題となっている。この問題に対して著者らは以前より運動閾値を用いた検査方法を提案している。脳神経外科術中MEPの歴史と現在の問題点を明らかにし, 我々の提唱するMEPの方法について述べる。

  • 経頭蓋刺激MEPと皮質直接刺激MEPの比較から
    佐々木 達也, 阿部 誠, 斉藤 敦志, 中村 太源, 岩渕 直也, 藤本 健太郎
    2016 年 44 巻 4 号 p. 189-195
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー
  • 福多 真史, 大石 誠, 平石 哲也, 高尾 哲郎, 藤井 幸彦
    2016 年 44 巻 4 号 p. 196-202
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    頭蓋底手術における経頭蓋電気刺激による脳神経の運動誘発電位 (motor evoked potential, 以下MEP) モニタリングは, 腫瘍が大きくて脳神経が確認されない早期の摘出段階でも記録が可能であり, また神経のどの部位の傷害でもその運動機能を反映しうるという利点がある。刺激部位と記録部位が近いので, 刺激のアーチファクトを軽減するための刺激条件の設定やアースバンドの設置などの工夫が必要であり, また刺激によりmotion artifactを起こすことがあるので, 手術操作中に刺激を入れるタイミングに注意する。眼輪筋, 口輪筋のFacial MEPは摘出前後の振幅比が50%未満に低下した場合に術後に顔面運動機能の予後が不良になる可能性が高い。咽頭電極を用いたPharyngeal MEPは摘出後に振幅比が50%未満に低下すると術直後に嚥下障害が悪化する可能性が高く, また術後の点滴や経管栄養の中止時期が50%以上の症例に比べて有意に遅延する。Lingual MEPは術後早期の嚥下機能, 発声機能に影響を及ぼす舌下神経機能と強い相関を示す。Facial, Pharyngeal, Lingual MEPモニタリングは術後の顔面神経, 舌咽迷走神経, 舌下神経の運動機能を予測する上で有用なモニタリングである。

解説
  • 野寺 裕之
    2016 年 44 巻 4 号 p. 203-211
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    脱髄性末梢神経疾患は免疫療法による治療が可能であるため, 見逃し無く診断することが重要である。神経伝導検査をはじめとする神経生理検査は多くの末梢神経の病態をベッドサイドで明らかにできるため特に重要な検査であるが, 診断基準が複雑であることから, 項目を丸覚えするのではなく, 検査異常を示す電気生理学的メカニズムを理解することが正確な診断と病態の把握に必須である。さらに, 電気生理学的検査に加え, 末梢神経の画像検査が有用とされ, 脱髄を示唆する神経腫大を画像的に検出することができれば診断精度が向上する。MRIとエコーなどを用いた画像検査と神経生理検査を組み合わせた病態の把握が進んでいる。

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