臨床神経生理学
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45 巻 , 2 号
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症例報告
  • 髙森 元子, 兒島 辰哉, 鈴木 康弘, 吉井 仁
    2017 年 45 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2018/02/15
    ジャーナル フリー

    Krabbe病は中枢, 末梢の神経線維の脱髄をきたす常染色体劣性遺伝疾患で, 典型的な末梢神経障害パターンは脱髄性感覚運動性とされているが, 運動優位の末梢神経障害を呈したKrabbe病症例を経験した。28歳頃から歩行障害が緩徐に進行し, 32歳時当院受診。上位, 下位の錐体路障害を認め, 頭部MRIでは内包後脚, 中心前回, 視放線にFLAIR高信号を認めた。白血球ガラクトセレブロシダーゼ低値, ビタミンB12低下を認め, ビタミンB12欠乏症を合併したKrabbe病と診断。末梢神経伝導検査では正中神経はF波最小潜時の延長, 尺骨神経はCMAP低下, 後脛骨神経はMCV低下, 運動遠位潜時延長, CMAP低下を認め, 感覚神経は上下肢とも正常で, 運動優位, 軸索脱髄混在の末梢神経障害を認めた。成人型Krabbe病では多彩な末梢神経障害パターンをとりうると考えられた。

特集 「CCEPのskills workshop:clinical practice parameter(臨床実践指標)をめざして」
  • 前原 健寿, 三國 信啓
    2017 年 45 巻 2 号 p. 86
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2018/02/15
    ジャーナル フリー
  • 江夏 怜, 三國 信啓
    2017 年 45 巻 2 号 p. 87-90
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2018/02/15
    ジャーナル フリー

    単発皮質電気刺激を用いた皮質皮質間誘発電位 (CCEP) の計測は, 脳内ネットワークの探索や脳外科手術中の白質経路のモニタリングに応用され, 多くの施設に普及しつつある。CCEPは, 刺激条件としては0.2–2 Hzの頻度でパルス幅0.2–0.5 msで単発の電気刺激を皮質に与えるが, 刺激パルスによる記録のアーチファクトを減らし, 皮質への帯電を防ぐ目的で, 極性を交互にして刺激を行う。近接・遠隔の皮質に留置した硬膜下電極から記録する皮質脳波を20∼50回加算平均してCCEPを記録する。近年, ステレオ脳波を用いたより広範な脳内ネットワークの解明や皮質下の繊維を電気刺激しながら, 皮質で記録を行う皮質下皮質間誘発電位 (SCEP) の手法も報告されており, 今後, さらなる臨床応用のためには慢性頭蓋内電極留置および術中における刺激・記録法の標準化が重要な課題となる。本稿ではCCEPの刺激・記録条件につき, 総説した。

  • 小林 勝哉, 松本 理器, 松橋 眞生, 中江 卓郎, 宇佐美 清英, 山尾 幸広, 菊池 隆幸, 吉田 和道, 國枝 武治, 池田 昭夫
    2017 年 45 巻 2 号 p. 91-101
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2018/02/15
    ジャーナル フリー

    主に難治部分てんかんの侵襲的術前評価に限られるが, 単発皮質電気刺激 (1 Hz) により誘発される皮質皮質間誘発電位 (cortico-cortical evoked potential: CCEP) の記録により, 皮質領野間の機能ネットワークやてんかんネットワークの探索が可能となった。1刺激部位につき1分以内 (20–30回×2試行) で皮質間結合が評価でき, てんかん発作誘発も稀な簡便かつ安全な手法である。CCEPは通常短潜時のN1 (頂点潜時10–50 ms) と後続のN2 (同100 ms以上) から構成されるが, ときに非典型波形もみられる。デジタル脳波計の発展により, 全電極記録でのオフライン解析が可能となった。CCEPと関連する刺激誘発性高ガンマ活動はそれぞれ機能的結合性・皮質興奮性の指標として臨床応用されている。デジタル脳波計を用いたオフライン解析による網羅的評価は, 更なるてんかん病態や脳機能ネットワークの解明, そして標準脳上の皮質間結合地図作成に有用である。

  • 鎌田 恭輔, 田村 有希恵
    2017 年 45 巻 2 号 p. 102-109
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2018/02/15
    ジャーナル フリー

    脳皮質電気刺激electrocortical stimulation (ECS) は脳機能マッピングにおけるゴールドスタンダードであるが, 言語機能障害のある患者における検査の施行は困難である。また, ECSによる検査中痙攣発作誘発のリスクを常に伴う。High gamma activity (HGA) は, 脳皮質電位Electrocorticogram (ECoG) のなかでおよそ80 Hzから140 Hzをターゲットとし, これらは局所皮質活動を反映すると期待されている (Crone NE, et al. Clinical Neurophysiology 112: 565–582, 2001; Miller KJ, et al. IEEE Transactions on Bio-medical Engineering 55: 1634–1637, 2008) 。一方, 2004年に報告された皮質–皮質誘発電位 (cortico-cortical evoked potentials: CCEP) は, 言語皮質を交互双極となる単相パルスで刺激することにより, 刺激ノイズをキャンセルしながら両皮質間の線維を通る電位が両方向性に誘発されることを発見した。我々はこれらHGAマッピングとCCEP誘発を併用することで, 覚醒下手術において最小限の患者協力により, 言語皮質の同定ができる“Super-passive Language Mapping”を開発したので, その詳細について報告する。本手法によるマッピング法の手順は, まず覚醒下に聴覚性音声刺激を患者に聴かせ, 側頭葉言語野をHGAマッピングにより同定する。次に, その側頭葉言語野を電気刺激し, CCEPを前頭葉言語野に誘発する。本法は, ECSと比較しても高い感度と特異度を有し, 簡便かつ短時間で施行可能であるため, 覚醒下手術の新たな言語野マッピング法における大きなステップとなる。

  • 嶋田 勢二郎, 國井 尚人, 斉藤 延人
    2017 年 45 巻 2 号 p. 110-116
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2018/02/15
    ジャーナル フリー

    てんかん外科手術の目的は正常な脳機能ネットワークを温存しつつ異常なてんかんのネットワークを遮断することである。CCEPは多シナプスを介した領域間の機能結合を反映すると考えられており, 同様の原理を利用した診断モダリティーは他にないため, てんかん外科手術に極めて有用な情報を提供し得る手法として臨床応用が期待されている。生理的な機能結合をみることにより, 言語や運動などの脳機能マッピングへの応用が期待され, また, 病的な機能結合をみることにより, てんかんネットワークの視覚化が理論的には可能となると考えられる。しかし, CCEPにも実施のプロトコールや結果の評価法が標準化されていないという課題が残っている。今回, 当施設で行った高密度硬膜下電極を用いたCCEPの詳細な分布に関するデータを紹介し, CCEPの言語マッピングおよびてんかんネットワーク描出への臨床応用と注意点について考察する。

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