臨床神経生理学
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45 巻 , 4 号
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原著
  • —横隔膜の神経伝導検査および口腔内圧について—
    大栗 聖由, 宮木 真里, 原 文子, 廣岡 保明, 本倉 徹
    2017 年 45 巻 4 号 p. 179-185
    発行日: 2017/08/01
    公開日: 2018/02/24
    ジャーナル フリー

    横隔神経伝導検査および口腔内圧を用いた呼吸筋検査は, 筋萎縮性側索硬化症などの呼吸障害を伴う疾患の呼吸筋評価法だが, 本邦において小児ではあまり用いられていない。本研究では, 学童期の小児を対象として, 横隔神経伝導検査および呼吸筋検査基準値を作成し, 呼吸筋検査に影響を及ぼす因子について検討した。方法として, 横隔神経伝導検査は胸鎖乳頭筋付近の横隔神経を刺激し横隔膜から筋電位を記録し左右の平均潜時および平均振幅を測定した。呼吸筋検査は最大口腔呼気内圧および最大口腔吸気内圧を測定した。結果は, 呼吸変動により平均潜時は影響を認めなかったが, 平均振幅は呼気時と比較し吸気時において有意に振幅の上昇を認めた。また, 呼吸筋検査では, 最大口腔吸気内圧が肺活量および一秒量との間に有意な正の相関を認めた。以上より, 今回用いた電極配置および検査方法を用いれば, 小児においても呼吸筋障害の評価を行うことができると考えられた。

総説
  • Abnormal median-normal sural sensory responsesについて
    桑原 聡
    2017 年 45 巻 4 号 p. 186-189
    発行日: 2017/08/01
    公開日: 2018/02/24
    ジャーナル フリー

    末梢神経系の毛細血管には, 血液脳関門と同様の血管内皮細胞間のtight junctionが存在し, 血液神経関門 (blood-nerve barrier: BNB) と呼ばれている。このBNBが機能しているために全身循環中の自己抗体 (免疫グロブリン) などの大分子量物質は末梢神経幹には到達できない。逆にBNBは遠位部神経終末と神経根では解剖学的に欠如しており, 末梢神経を標的とする自己抗体は神経終末と神経根とに選択的にアクセスすることになる。脱髄型ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーなどの免疫介在性脱髄性ニューロパチーにおける末梢神経伝導検査では, 正中・尺骨神経の感覚神経伝導が高度に障害されるのに対して浅橈骨・腓腹神経の感覚神経活動電位は保たれる「abnormal median-normal sural sensory responses」という特殊な所見がみられ, これは検査部位と血液神経関門の位置関係により説明される。正中神経の感覚神経伝導検査では示指上に記録あるいは刺激電極を配置するが, この部位は指神経の終末部であるため脱髄病変が生じており, 電極直下で起こっている病変を反映して感覚神経活動電位は低振幅となり神経伝導速度は低下する。一方, 腓腹神経の感覚神経伝導検査における刺激・記録部位は下腿部・足首部で, 神経終末である足の外側より近位であるために, 感覚神経活動電位は正常に記録される。感覚神経伝導検査において, 免疫介在性ニューロパチーの脱髄病変部位がBNBによって規定されていることを念頭に置くことは電気診断上重要であり, 病態の理解を深める上でも有用である。

解説
  • ~体幹部の筋電図検査の重要性について~
    関口 兼司
    2017 年 45 巻 4 号 p. 190-197
    発行日: 2017/08/01
    公開日: 2018/02/24
    ジャーナル フリー

    首下がり症候群は日常的によく遭遇し, 錐体外路性疾患のみならず神経筋疾患が原因のことがあるため診断のために筋電図が必要とされることが多い。診察や表面筋電図などから後頸部筋の筋力低下が原因と疑われた場合は神経筋接合部疾患, 神経原性疾患, 筋原性疾患を鑑別していくために反復刺激試験, 神経伝導検査, 針筋電図を行っていく。四肢で異常が見つからない場合は体幹部の検査が決め手になるので, 呼吸筋を含めた体幹部の筋電図検査に日常的に触れておくことが望ましい。

その他
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