臨床神経生理学
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45 巻 , 6 号
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原著
  • 髙崎 浩壽, 末廣 健児, 石濱 崇史, 鈴木 俊明
    2017 年 45 巻 6 号 p. 499-505
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー

    誘発筋電図のF波を用いて, 運動観察の対象の相違によって健常者の脊髄神経機能の興奮性が変化するか検討した。F波導出は右母指球の筋腹上よりおこない, 安静時に1分間F波を測定し4分間の安静後, 1分間映像を観察させながら再度F波を測定した。【実験1】右母指の静止映像 (条件A), 右母指の運動映像 (条件B), 右足関節の運動映像 (条件C) を観察課題とした。安静時を1とした相対値で比較した結果, F波出現頻度相対値は条件Aより条件Bで, 振幅F/M比相対値は条件A・Cより条件Bでそれぞれ有意に高値を示した。【実験2】右母指の運動映像 (条件D), 左母指の運動映像 (条件E) を観察課題とした。結果, F波出現頻度・振幅F/M比相対値ともに条件Eに比べ条件Dで有意に高値を示した。両実験より, 母指の運動観察により母指球筋に対応した脊髄神経機能の興奮性は高まるが, 対側母指の運動観察では興奮性が高まらない可能性が示唆された。

特集「デジタル脳波の新しい展開」
  • 人見 健文, 小林 勝弘
    2017 年 45 巻 6 号 p. 506
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
  • 人見 健文, 谷岡 洸介, 池田 昭夫
    2017 年 45 巻 6 号 p. 507-511
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
  • 酒田 あゆみ
    2017 年 45 巻 6 号 p. 512-519
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
  • 井内 盛遠, 中谷 光良, 池田 昭夫
    2017 年 45 巻 6 号 p. 520-524
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー

    Wide band EEG解析により超低周波数の活動が観察されるようになり, このうち発作時DC電位は時定数を10秒にすることで明瞭となる緩徐な電位変化である。発生機構としてニューロンの過剰興奮によりグリアが受動的に脱分極する機序 (受動的DC電位) に加えて, 発作発現へのグリアの積極的な関与 (能動的DC電位) の可能性も指摘されている。出現率が高く, 発作焦点の限局した領域に出現することから, てんかん原性領域を反映するバイオマーカー候補として期待されるとともに, ニューロンを発生基盤とする高周波律動との出現様式の異同をみることで脳波をニューロン・グリアの視点から捉えられる可能性がある。しかしながら, 十分にコンセンサスのえられた記録解析法が確立していないなどの課題があり, 現在, 多施設共同研究を進めており記録解析の標準化案を発表した。

  • 秋山 倫之
    2017 年 45 巻 6 号 p. 525-531
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー

    高周波振動 (HFO) は, γ帯域を超える80 Hz以上の脳波活動である。HFOの記録には, サンプリング周波数2 kHz以上, アンチエイリアシングフィルタ600 Hz以上が推奨される。HFOは, 臨床用途の電極を用いて記録できる。HFOの検出には, 低域遮断フィルタを用い, 感度を上げ, タイムスケールを引き延ばして判読する。頭蓋内脳波での発作間欠時HFOは, 発作開始領域やてんかん原性領域の局在を示唆する。頭蓋内脳波での発作開始時HFOもてんかん外科の手術成績改善に有用な可能性がある。小児てんかん性脳症では, 頭皮上脳波で発作間欠時HFOが多数出現しており, 認知機能障害への関与が推測されている。てんかん原性に関連する病的HFOを認知に関連する生理的HFOから区別する手がかりとして, てんかん性棘波をともなうか否か, 徐波成分とのカップリング様式の相違, レム睡眠における出現頻度の変化の相違などが報告されている。

解説
  • 畑中 裕己
    2017 年 45 巻 6 号 p. 532-540
    発行日: 2017/12/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー

    ビタミンB12欠乏による神経障害は, 一般的な教科書には主な障害部位は亜急性連合性脊髄症が強調され, 後索障害, 深部感覚, 振動覚障害と記載されている。大半の医療従事者にとっては, 限定的な理解でもさほど困らないかもしれないが, 実際の臨床ではビタミンB12欠乏神経障害の病変は, 脊髄, 神経根, 末梢遠位と多岐にわたる。またMRI画像で明確な病変を指摘できない症例も多く, B12が正常値の場合もあることを強調しておきたい。病変の局在部位を認識し, 検査異常を示す電気生理学的メカニズムを理解することが, 正確な診断と病態の把握に役立つと思われる。

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