臨床神経生理学
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46 巻 , 1 号
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巻頭言
原著
  • 松原 広幸, 野村 真, 前田 剛伸, 鈴木 俊明
    2018 年 46 巻 1 号 p. 2-8
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    Box and Block Test (以下, BBT) の運動イメージが上肢脊髄神経機能の興奮性に及ぼす影響について, F波を用いて検討した。対象は, 右利きの健常者10名 (平均年齢27.7±7.8歳) とした。運動イメージは, BBTを自身の最も速いスピードで右手の母指と示指にて実施した。安静時と運動イメージ試行中, 運動イメージ終了2分後, 4分後の振幅F/M比, F波出現頻度の変化を比較検討した。結果, 振幅F/M比 (%), F波出現頻度 (%) ともにBBTの運動イメージ試行中において安静時と比較して有意に増加した。BBTを自身の最も速いスピードで遂行する運動イメージでは, 上肢脊髄神経機能の興奮性が増大する可能性が示唆された。

  • 佐光 亘, 阿部 考志, 原田 雅史, 和泉 唯信, 梶 龍兒
    2018 年 46 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    脳機能を評価する比較的新しい方法としてResting state functional magnetic resonance imaging (RSfMRI) があり, 特にindependent component analysis (ICA) に基づく解析は, ネットワークレベルでの病態解析法として応用されてきた。筋萎縮性側索硬化症 (ALS) における, 脳機能ネットワークを評価した論文が散見されるが, 各ネットワーク間の関連性に関する報告はない。また, 上位運動ニューロン徴候を欠くためにALSと診断できない場合もあり, 診断補助としてのICAによるネットワーク解析の有用性評価と, ALSにおけるnetwork-network interactionを明らかにするために本研究は行われた。12人のALS患者と12人の疾患対照のMRI撮影を行った。ICAにより, sensorimotor network (SMN), Salience network (SN), right frontoparietal network (RFPN) などを同定した。両群間に各ネットワーク発現量の有意な差は認められなかったが, ALSにおいてのみ, SMN・RFPN・SN間に有意な相関が見出された。これらの結果は, 診断補助としてICAに基づくネットワーク解析を用いることの困難さと, ALSにのみ認められる, 異常なnetwork-network interactionの形成を示唆する。

総説
特集「BMI/BCIの応用に向けて」
  • 平田 雅之
    2018 年 46 巻 1 号 p. 33
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー
  • 三原 雅史
    2018 年 46 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    脳卒中を始めとする脳損傷後の機能回復過程では, 神経ネットワークの可塑的変化による機能的再構成が損傷部位の機能を代償していると考えられており, 機能的再構成を効率的に誘導する介入手法として, Use-dependent plasticityに基づく課題特異的訓練や麻痺側の強制使用などが行われている。さらに, 中枢神経系に直接アプローチすることで機能的再構成を誘導するNeuromodulation技術も機能的再構成を促進させる介入手法として注目されている。自らの脳活動をフィードバックすることで随意的に脳活動を変化させるNeurofeedbackと呼ばれる手法と運動想像を組み合わせた介入は, 脳卒中後の上肢麻痺の回復に有効であることが報告されており, 今後安全で多くの患者に対して適応可能なリハ介入手段として広く臨床応用されることが期待される。

  • 加藤 健治, 西村 幸男
    2018 年 46 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    脊髄損傷や脳梗塞による運動機能の消失は, 大脳皮質と脊髄間を結ぶ神経経路が切断されているために起こる。しかしながら, 損傷の上位に位置する脳や, 下位に位置する脊髄・筋等の神経構造は, その機能を失っているわけではない。西村らは, 脳梗塞や脊髄損傷後に, 損傷領域をバイパスし, 残存している神経構造間に新しく神経経路を作る人工神経接続を用いたBrain Computer interface技術によって, 失った運動機能を再建することを試みてきた。本総説では, その人工神経接続に対する実証例を紹介するとともに, 中枢神経系が人工神経接続へ適応するメカニズムについて議論する。

  • 橋本 泰成, 角井 俊幸, 牛場 潤一, 里宇 明元, 鎌田 恭輔, 大田 哲生
    2018 年 46 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    頭皮脳波を使って使用者の運動企図 (運動イメージ) に合わせて電気刺激装置や電動装具を駆動するブレイン・マシン・インターフェース (BMI) は, 脳卒中後の回復を促進するリハビリテーションシステムのひとつとして実用化が期待されている。慢性期脳卒中患者での有効性を調べた臨床研究に関する報告は増加しているが, 急性期/亜急性期における, BMIシステムの使用可能性や安全性についてはまだ不明な点が多い。現在, 私たちは急性期脳卒中患者におけるBMIの臨床研究を進めており, パイロットスタディとして実施した4名の患者での結果について報告する。

  • Jason A. Palmer, Masayuki Hirata
    2018 年 46 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    Recent progress in Brain Machine Interface (BMI) research using signals from subdural electrocorticographical (ECoG) arrays implanted over primary motor cortex has demonstrated the potential for successful decoding of participant’s arm or hand movement. Concurrent advances in wireless implantable electrode technology are further shortening the gap between existing systems and real functioning rehabilitative neural prosthetics for use by patients with motor system disorders. However the long-term stability and effectiveness of BMI technologies depends crucially on the stability and effectiveness of the feature extraction and decoding algorithms used to translate the neural signals into behavioral commands. Given the limited density and coverage of ECoG channel arrays, it is critical to reliably extract as much of the available information as possible. While some success has been achieved using channel-based features, we have recently shown that improvement may be gained by first applying the Independent Component Analysis (ICA) method to the ECoG channel data to separate and isolate relevant cortical signals. In this talk, we will present some preliminary results of application of ICA to ECoG data for the derivation of features for BMI applications and comparison to standard approaches. We discuss the interpretation of the ICA features and suggest directions for future improvements.

解説
  • 大崎 裕亮, 山﨑 博輝, 森 敦子, 高松 直子, 野寺 裕之
    2018 年 46 巻 1 号 p. 61-68
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/13
    ジャーナル フリー

    急性免疫性ニューロパチーは初期治療が予後を決める救急疾患である。初療時に病歴, 身体診察に加え, 生理検査を駆使して治療閾値を超える情報を早急に集めなければならない。またその後にも治療方針の修正を要するかどうか判断するために, 適切な時期に検査のフォローアップが必要になる。急性発症した麻痺を主訴に緊急受診した2症例, ポリニューロパチーと多発単神経障害の症例を対象に, 超急性期から急性期にかけての神経生理検査結果を具体的に提示し, 経時的変化も念頭に置いた診断戦略の立て方について言及した。初療時には針筋電図検査で軸索の伝導障害の有無と分布を確認すること, Waller変性が生じる時間差を意識して伝導検査, 必要に応じて針筋電図検査をフォローアップすることが重要である。

その他
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