近年の腎移植医療の進歩,生着率の向上とともに腎移植後の妊娠・分娩例が増加してきており,今後もさらなる増加が予想される。腎移植後の女性患者の妊娠分娩は,比較的安全となったもののハイリスクの範躊に属する妊娠には相違ない。今回,当科において腎移植後妊娠で分娩となった6症例,計8分娩について検討を行った。妊娠時年齢は平均32.9(25~38)歳,移植後妊娠までの期間は平均38.8(12~88)ヵ月,妊娠時平均血清クレアチニン(Cre)は0.92(0.79~1.09)mg/dLであった。分娩様式としては,経膣分娩1例,帝王切開7例であり,平均在胎週数37週,平均出生時体重は2,772(2,166~3,425)gであった。全例で重篤な合併症を認めず,出産時奇形・死産ともに認めなかった。一定の基準を満たす場合に計画的に妊娠することで,リスクを最小限にとどめることができ,安全に妊娠・出産が可能であると考えられる。
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