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青山 博道, 西郷 健一, 長谷川 正行, 丸山 通広, 圷 尚武, 大月 和宣, 松本 育子, 伊藤 泰平, 剣持 敬, 松原 久裕
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
190-195
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【緒言】高齢生体腎移植の成績を伸ばす目的に,経過中に死亡した高齢レシピエント症例の死亡リスク因子を検討した。【対象・方法】2004年4月〜2015年12月に生体腎移植を行った60歳以上の高齢レシピエント62例を生存群49例と死亡群13例に分け,術前・術中・術後因子を比較。また死因別移植後生存期間を検討した。【結果】移植時年齢は生存群63.90±3.18歳に対し死亡群が66.92±4.66歳と有意に高く,透析期間も生存群3.35±3.42年に対し死亡群5.94±4.80年と有意に長かった。その他の因子は有意差を認めなかった。感染症・心血管系による死亡は移植後1年以内の死亡が多かった。【考察】高齢レシピエントの死亡リスク因子は手術時の年齢と長期透析である。術前適応評価や術前治療は長期透析患者の死亡原因となる「長期透析症候群」を念頭に置いて慎重に行うこと,また術後1年間の心血管系・感染症に関するIntensiveなフォローアップで合併症を回避することが高齢移植成績向上に繋がると思われた。
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高山 智美, 蔦原 宏一, 平瀬 裕美, 小林 茜, 久山 芳文, 岩田 和友子, 高尾 徹也, 山口 誓司
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
196-201
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【目的】ドナー特異的抗体(donor specific antibodies:DSA)の検出にはsolid phase immunoassays(SPI)法が広く用いられているが,試薬によって血清に対する反応が異なる可能性がある。今回われわれはHLA抗体特異性同定試薬であるLABScreen Ⓡ Single Antigen(LSSA)とWAKFlow Ⓡ HLAクラスⅠ(HR)の反応性について検討した。【方法】LSSAでHLA抗体が検出された血清24検体を用いて,LSSAとHRに共通の43種類のHLA抗体(計1,032例)を対象とした。HRで測定しLSSAの結果と比較した。【結果】一致率は94.7%で,LSSA陽性HR陰性を31例,LSSA陰性HR陽性を24例認めた。【結論】LSSAとHRは一部で反応性が異なっていた。とくにDSAに関してはSPI法だけでなく細胞での反応性も確認する必要があると考えられる。
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望月 保志, 中西 裕美, 岩田 隆寿, 北村 峰昭, 宮田 康好, 錦戸 雅春, 松屋 福蔵, 西野 友哉, 酒井 英樹
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
202-207
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【目的】長崎大学では1965年に第1例目の献腎移植を施行し,2015年までの約50年の間に226例の腎移植を行った。当施設約50年の腎移植の歴史を顧みるとともに,その治療成績を報告する。【対象】当施設で施行した腎移植226例。献腎移植74例/生体腎移植152例で,移植時レシピエント年齢37±13歳,ドナー年齢48±13歳であった。原疾患は慢性糸球体腎炎174例(77%),糖尿病性腎症8例(4%)であり,移植前平均透析歴は63ヵ月であった。【結果】対象226例の生着期間は9.3±8.9年で,長期生着例は20年以上生着33例(15%),30年以上生着5例(2.2%)であった。生着率は献腎移植が5年 65.4%,10年 55.8%,生体腎移植が5年 76.2%,10年 70.1%であった。機能喪失を114例に認め,喪失理由は慢性移植腎機能障害49例(42%),死亡41例(36%),急性拒絶反応19例(17%)であった。【結語】長崎大学における腎移植226例をまとめた。当施設の経験は本邦の腎移植の歴史そのものであると考えられた。
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山川 貴史, 川口 武彦, 西村 元伸, 首村 守俊, 今澤 俊之, 横尾 隆, 青山 博道, 大月 和宣, 丸山 通広, 圷 尚武, 長谷 ...
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
208-211
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【目的】三次性副甲状腺機能亢進症は腎移植患者の予後に関連することが知られているが,本邦でのデータは少ない。本研究では腎移植後のintact PTH(iPTH)と予後との関連について検討した。【方法】2005年から2011年に千葉東病院で腎移植を受けた症例で,移植後iPTHを確認できた52例を対象とした。移植後iPTHの中央値をカットオフとして高PTH群,低PTH群の2群に分け,総死亡,末期腎不全,Crの1.5倍化の複合エンドポイントをアウトカムとして両群を比較した。統計解析としてCox回帰分析を用い,年齢,移植前透析期間を調整変数とした。【結果】対象患者は男性23名,女性29名,年齢48±10歳であった。移植前の透析歴は7.9±6.5年であり,移植後のiPTHは中央値で188pg/mL(112~320pg/mL)であった。本研究の観察期間は中央値で101ヵ月(63~113ヵ月)であり,観察期間中のイベント数は,高PTH群と低PTH群でそれぞれ8例,5例であった。Cox回帰の結果として,単変量解析では,高PTH群が低PTH群に比べて有意に予後が悪かった[HR 3.7(95%CI 1.1-12.3);p=0.030]。一方で多変量解析では統計学的にマージナルな結果であった[HR 4.0(95%CI 0.97-16.8);p=0.054]。【結論】移植後iPTH値が患者予後にかかわる可能性が示唆された。本研究は後向き研究でありサンプルサイズも小さく,今後更なる検討が必要である。
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長沼 俊秀, 武本 佳昭, 岩井 友明, 桑原 伸介, 内田 潤次, 仲谷 達也, 北村 孝一, 升田 吾子
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
212-215
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【背景】ABO血液型不適合腎移植の移植前には,数回のDFPPもしくはPEが行われるが副作用が問題点になる。今回われわれはアルブミン置換によるSelective plasma exchange(SePE)の有用性について検討した。【対象と方法】血液型不適合腎移植レシピエント7症例において,抗体除去療法として全13回のSePEを施行した。分離膜としてEvacure ⓇEC-4A10(川澄化学工業)を使用,処理量は1.5~2PVとし,置換液は5%アルブミンを使用した。SePE前後で,抗血液型抗体価,IgG,IgM,フィブリノーゲンを測定し低下率・除去率を検討した。【結果】SePEにより,血清抗体価(IgG)は抗体価高値であった1症例を除き全例が1~2管低下,IgG除去率67.9±6.3%,IgM除去率10.6±7.1%,フィブリノーゲン除去率30.5±6.3%であった。副作用などは軽度なものを認めるのみであった。【結語】SePEは血清抗体価があまり高くない状態では抗体価を下げることが可能で,かつ凝固因子の喪失も軽度で副作用も少ないため有用な治療法になるのではないかと考えられた。
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佐々木 秀郎, 中澤 龍斗, 北島 和樹, 工藤 浩也, 岩田 鉄平, 藤本 瑛介, 相田 紘一朗, 蜂須賀 智, 目時 弘彰, 力石 辰也
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
216-220
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【目的】腹腔鏡下移植腎採取術と小切開鏡視補助下移植腎採取術の比較検討を行った。【対象・方法】2007年1月以降に施行された腹腔鏡下移植腎採取術(L群)63例と小切開鏡視補助下移植腎採取術(M群)29例を対象として周術期成績を比較検討した。【結果】手術時間は,L群で有意に長かったが(329.0±69.0,279±45.7分,p<0.05),出血量,温阻血時間に差はなかった。L群を初期30例と後期33例に分けると,手術時間・出血量は後期群で有意に減少し(374±67.7 vs 295±59.0分,p<0.01)(754±97.4 vs 282±92.8mL,p<0.01),L群の手術時間はM群と同等となり,出血量はM群に比較して有意に少なくなった。【結論】L群は経験とともに成績が改善し,後期L群ではM群に比較し有意に出血量が少なくなった。
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滝澤 慶一, 三浦 健一郎, 富井 祐治, 金子 直人, 薮内 智朗, 中野 栄治, 神田 祥一郎, 石塚 喜世伸, 近本 裕子, 秋岡 祐 ...
2016 年4 巻2 号 p.
221-226
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【背景・目的】小児腎移植では両親以外に祖父母がドナーとなる機会も多い。ドナー年齢の違いが移植腎機能と病理像に及ぼす影響を検討した。【対象・方法】生体腎移植63例を対象とした。ドナー年齢を30歳代(15例),40歳代(35例),50歳以上(13例)の3群に層別化し,移植後eGFR値,0-hour生検と1年後プロトコール生検所見(Banff分類のci,ct,ah因子)を検討した。【結果】50歳以上群は,30歳代,40歳代群と比較して移植後eGFR最高値は低く,0-hour生検のci,ct,ah因子スコアは高かった。移植後1年間でeGFR値はドナー年齢にかかわらず低下したが,50歳以上群が最も低値で推移した。CNI毒性の頻度は40歳代と50歳以上群で高かった。【結論】小児腎移植においてドナーが50歳以上の場合は,50歳未満と比べてより一層,CNI毒性のリスクを念頭に置いた治療が必要と考えられた。
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水崎 浩輔, 蓮池 由起子, 長澤 康行, 稲永 淳一, 山本 清子, 依藤 壮史, 木村 知子, 山田 祐介, 野島 道生, 山本 新吾, ...
原稿種別: 原著
2016 年4 巻2 号 p.
227-231
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【背景・目的】慢性腎臓病(CKD)の合併症は移植後の長期的な腎予後に関連しうることから,とくにCKDに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の管理は重要である。生体腎移植患者において,移植前のインタクトPTH(iPTH)が腎予後と関連するかどうかについて検討した。【方法】対象は1995年以降に生体腎移植を施行したレシピエント105名とし,観察期間中の血清クレアチニン(Cr)の最低値からの1.5倍以上の上昇(Cr 1.5倍化)をアウトカムとし,移植前および1年後の病態との関連を検討した。【結果】移植後5年間におけるCr1.5倍化の累積発生率は33.9%であった。観察期間中にアウトカムが発生した患者は発生しなかった患者に比較して,年齢が若く移植前のiPTH値が有意に高く,移植1年後のHbが低値であった。移植前iPTHの中央値(155pg/mL)で2群に分け検討したところ,移植前iPTH>155pg/mLの高値群は低値群に比べてアウトカムは有意に多く発生した。【結論】移植前のiPTH値が生体移植後の腎障害の進行に関連する可能性が示唆された。
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野原 隆弘, 武澤 雄太, 角野 佳史, 溝上 敦
原稿種別: 臨床研究報告
2016 年4 巻2 号 p.
232-234
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【緒言】腎移植周術期,体液管理を綿密に行っているにもかかわらず肺うっ血・心不全をきたすことを時に経験する。われわれは左室拡張障害の有無による術後経過の違いを後ろ向きに検討した。【方法】当科で2010年1月から2015年8月までに行った腎移植23例を対象とし,心エコーでのE/e’(拡張早期左室流入速度/拡張早期僧帽弁輪移動速度)値を用いて周術期経過を比較した。【結果】非障害群(E/e’<8),境界群(8≦E/e’≦13),障害群(E/e’>13)はそれぞれ5,14,4例。術後2日目の体重増加(術前比)は5.3%,8.0%,3.0%で有意差は認めず。術後2日目の胸部X線検査で2例(40%),5例(36%),4例(100%)に胸水を認めた。さらに障害群のうち2例は臨床的に心不全と思われる肺うっ血を認めた。【結語】腎移植の周術期管理では左室拡張障害を把握し,補液負荷に留意することが重要と思われた。
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矢西 正明, 塚口 裕康, 小糸 悠也, 吉田 崇, 田口 真, 谷口 久哲, 吉田 健志, 三島 崇生, 安田 鐘樹, 駒井 資弘, 渡邉 ...
原稿種別: 臨床研究報告
2016 年4 巻2 号 p.
235-238
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【目的】当科における腎移植後赤血球増多症(PTE)について検討した。【対象】当科において移植後6ヵ月以上経過し,移植腎が生着しているレシピエント60人を対象として,移植後のHb値の推移を調査し,Hb値が男性で18g/dL,女性で16g/dL以上または,Ht値が男性で51%以上,女性で49%以上をPTEと診断した。【結果】PTEと診断されたものは6例(10%)で,全例男性。移植後から発症までの期間は平均20.5ヵ月であった。経過期間中の脳梗塞発症が2例,めまいと耳鳴りが1例であった。PTE群と非PTE群の比較では,男性・喫煙が関連因子であった。6例中1例は自然軽快したが,残りの5例は瀉血やACE阻害薬(ACE-I,エナラプリルマレイン酸塩)の投与で正常化した。【結論】PTEは血栓症合併のリスクがあり積極的に治療に取り組むべきで,ACE-Iが有効であると考える。
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─東京医科大学八王子医療センターにおける6症例の経験 ─
中村 有紀, 岩本 整, 小澤 陽介, 疋田 康祐, 佐野 達, 富田 晃一, 横山 卓剛, 木原 優, 今野 理, 池田 千絵, 上野 琢 ...
2016 年4 巻2 号 p.
239-242
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
近年,外国出身者の生体腎移植が増加している。当施設では2015年までにこれらを6例経験した。4例は日本人との結婚後に夫婦のどちらかが末期腎不全となった症例で,うち2例は夫婦間腎移植であったが,2例は同胞が来日して腎提供を行った。他の2例は両親とともに帰化した娘が腎移植を受けた症例と,在日外国人男性の妻が腎移植を受けた症例である。先行的腎移植は2例,血液型不適合腎移植は3例であった。第一言語の相違によるコミュニケーションの問題から生じる,治療方針の説明と同意,手術後の回復期における医療者側─患者双方の症状,治療方法の伝達におけるコミュニケーションや保険制度の問題に直面した。このため,当施設では独自のガイドラインを定め,外国出身者への腎移植を遂行している。
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吉田 朋子, 野口 文乃, 佐藤 照子, 池田 成江, 竹内 康雄, 石井 大輔, 吉田 一成
原稿種別: 臨床研究報告
2016 年4 巻2 号 p.
243-246
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
【目的】腎移植レシピエントへチームで構築した栄養指導(栄養相談)を定期的に行い強化した効果を明らかにする。【方法】対象は,栄養指導を強化し定期的に実施した「強化群」と,栄養指導を強化する以前の「1回群」の2群間とし,体重や推定摂取塩分量・たんぱく質量などを比較検討した。【結果】CKDに対する食事療法を行ったところ,1年後の体重変化率は,退院時体重に対して「強化群」1.6±3.6%,「1回群」7.1±5.4%で,「強化群」が有意に少なく(p<0.01),腎移植後内科・小児科系合併症の診療ガイドライン2011の5%以下を遵守できた。また1年後に体重が5%以上増加した割合は「強化群」18%,「1回群」50%であり,「強化群」が有意に少なかった(p<0.05)。【結語】腎移植チームで構築した定期的な栄養指導は,腎移植レシピエントと管理栄養士の信頼関係も深まり,体重を含めた自己管理に有効である。
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長谷川 正宇, 長浜 正彦, 阿南 剛, 藤丸 拓也, 瀧 史香, 新保 正貴, 服部 一紀, 小松 康宏
2016 年4 巻2 号 p.
247-250
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
38歳男性,妻をドナーとした生体腎移植の術前精査でX連鎖型Alport症候群による末期腎不全と診断した。14歳の長女もX連鎖型Alport症候群ヘテロ接合体保因者の可能性が高いと考えられた。今回,妻をドナーとして生体腎移植を行うと,長女が将来的に末期腎不全を発症した場合,妻からの腎提供が不可能になることが懸念されたため,遺伝カウンセリングを行ってから生体腎移植を行った。今回の移植とは医学的に直接関係のない長女に対しても遺伝子診断による診断,情報提供を行う方針となった。遺伝性腎疾患を原疾患とする患者に生体腎移植を行う際は,腎提供後に血縁者に生じうる不利益へも配慮が必要であり,必要に応じ遺伝カウンセリングも行った上で生体腎移植を進めていくことが重要である。
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平野 一, 松永 知久, 前之園 良一, 能見 勇人, 辻野 拓也, 吉川 勇希, 反田 直希, 内本 泰三, 上原 博史, 高原 健, 稲 ...
2016 年4 巻2 号 p.
251-252
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
後発医薬品(後発薬)は,安定性試験・生物学的同等性試験を行うことで,製造販売の承認が得られるが,服用後の体内薬物動態などの検討はなされておらず,健康成人への単回投与後の血中濃度を測定比較し,厚生省の定める80~125%の範囲内で生物学的同等性が認められる。多くの薬剤で血中濃度が安定しにくいことがさまざまな文献で報告されており,移植臓器の生着に差が生じる懸念がある。今回われわれは,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の後発薬変更にて血中濃度の上昇しなかった自験例について報告する。MMFは,特定薬剤治療管理料の算定が認められているように,厳格な血中濃度管理の必要があるCritical Dose Drugsである。当院で採用薬の変更に伴い,先発薬から後発薬へと変更せざるを得なかった5症例中2症例で血中濃度が上昇しなかった症例を経験した。うち1症例は血中濃度が上昇しなかったため拒絶反応を発症した可能性が示唆された。さらに2症例においては血中濃度の上昇による消化器症状の出現もみられた。大半の症例で血中濃度が不安定であったため,以降の使用は中止している。先発薬品から後発薬品への変更においては,効果や吸収に差がある可能性があり,頻回の血中濃度モニタリングを行うなどの十分な注意が必要である。
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北島 和樹, 佐々木 秀郎, 工藤 浩也, 薄場 渉, 目時 弘彰, 中澤 龍斗, 佐藤 雄一, 谷澤 雅彦, 小板橋 賢一郎, 松井 勝臣 ...
2016 年4 巻2 号 p.
253-256
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
症例は腎移植後10年安定し経過している40歳代女性(維持免疫抑制は,タクロリムス(TAC),ミコフェノール酸モフェチル(MMF),メチルプレドニゾロン(MP))。術後約10年で突然の右下肢筋力低下を認めた。精査の髄液検査で異型リンパ球の増加とEpstein barr virus(EBV)が検出され,MRIで第2腰椎硬膜内脊髄腫瘍を認めた。緊急椎弓切除・腫瘍生検を施行したところ,馬尾神経組織内にCD20陽性/EBV-encoded small RNA(EBER)陽性リンパ球のpolyclonalな増生を認め,中枢神経限局型移植後リンパ増殖性疾患と診断した。TAC中止とステロイドパルス・リツキシマブを投与,さらに放射線照射(44Gy/22fr)を追加した。サイトメガロウイルス血症の合併によりMMFを漸減・中止し,腫瘍縮小と髄液EBV陰性化を得た。現在はMP単剤維持免疫抑制とし,移植腎機能は良好である。
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川邊 万佑子, 山本 泉, 小松嵜 陽, 山川 貴史, 勝俣 陽貴, 勝馬 愛, 中田 泰之, 小林 賛光, 清水 昭博, 丸山 之雄, 丹 ...
2016 年4 巻2 号 p.
257-261
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
25歳男性。小児期より蛋白尿があり,他院で腎生検を施行(10歳時),Ⅳ型コラーゲンα5鎖陰性,感音性難聴,家族歴よりX染色体優性遺伝Alport症候群として加療された。24歳時に血液透析となり,実父をドナーとする生体腎移植を施行した。ドナーは変形を伴う血尿があり,術前に腎生検を施行した。光顕所見とⅣ型コラーゲンα5鎖染色パターンは正常で,電顕で部分的糸球体基底膜菲薄化を認めたが,菲薄基底膜腎症としては非典型的と考え,ドナー適正と判断した。移植後ドナー・レシピエントの腎機能は良好に経過したが,後日,他院で施行されたレシピエント10歳時腎生検を評価でき,Ⅳ型コラーゲンα5鎖染色はボウマン囊基底膜にのみ陽性であったことから常染色体劣性遺伝Alport症候群が疑われた。COL4A3/4遺伝子検査において,COL4A4に複数の遺伝子多型を同定したが,既報は含まれず,確定診断には至らなかった。本例は遺伝性腎疾患の術前ドナー選定を考える上で示唆に富む症例で,文献的考察を加え報告する。
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田村 裕子, 浦和 愛子, 渡部 小央里, 長谷川 智規, 西川 晃平, 杉村 芳樹, 片岡 三佳, 小森 照久, 岡田 元宏
2016 年4 巻2 号 p.
262-265
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
生体移植レシピエント・ドナーの性格特性,生活・治療背景などから生じる精神的問題を抽出するための精神科的アプローチとして,当院では全症例に対し精神科医の面談や心理検査およびその対応を検討するための精神科カンファレンスを行っており,その心理検査の1つとして,感情・気分の状態を測定する日本語版POMS(Profile of Mood States:POMS)を実施している。下位尺度は緊張-不安(Tension-Anxiety:T-A),抑うつ-落ち込み(Depression-dejection:D),怒り-敵意(Anger-Hostility:A-H),活気(Vigor:V),疲労(Fatigue:F),混乱(Confusion:C)の6因子で構成される。今回術前の精神科評価で要経過観察と判定されたドナー2症例の心理社会的問題に対して行われた他職種間連携によるドナーへの介入の結果,術後POMS・精神状態・生活環境の改善が得られた。移植前後の精神状態の指標の1つとしてPOMSなどの客観的尺度を用いた,気分評価も精神科評価において有用であると考えられた。
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大髙 茉莉, 寺西 淳一, 高本 大路, 望月 拓, 服部 裕介
2016 年4 巻2 号 p.
266-270
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
腎移植後に進行性多巣性白質脳症(PML)と診断された2症例を報告する。【症例1】34歳男性。7歳時に急性進行性糸球体腎炎症候群を発症し,26歳時に父をドナーとする血液型適合腎移植を施行(抗胸腺細胞グロブリン使用)。タクロリムス(TAC),ミコフェノール酸モフェチル(MMF),メチルプレドニゾロン(mPSL)で維持していたが,術後8年目に頭痛で発症し,頭部MRI画像と,後に髄液PCR検査よりJCV-DNAが検出されPMLと診断した。TACをシクロスポリンへ変更し免疫抑制剤を漸減したが,全身状態悪化し死亡した。【症例2】38歳男性。低形成腎による慢性腎不全に対して36歳時に父をドナーとする血液型適合腎移植を施行(バシリキシマブ使用)。TAC,MMF,mPSLで維持していたが,術後3年目より記銘力低下を認め,頭部MRI画像でPMLを疑い,MMFをミゾリビンへ変更,TACを減量した。髄液PCR検査が陰性であったが,開頭脳生検でPMLの診断が得られた。TAC,ミゾリビンを中止し,構音障害などの後遺症は残ったが退院となった。
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石渡 亜由美, 川西 智子, 白川 浩希, 阿部 恭知, 遠藤 真理子, 若井 幸子, 本田 一穂
2016 年4 巻2 号 p.
271-274
発行日: 2016/12/10
公開日: 2026/04/08
ジャーナル
認証あり
症例は36歳男性。12歳より蛋白尿,20歳台には腎機能悪化を指摘されたが精査せず,X年8月(35歳),原疾患不明の慢性腎不全に対し先行的生体腎移植を希望し当院初診。術前検査でM蛋白血症を認め,骨髄中の形質細胞4.2%(<10%)でIgG-κ型のMGUSと診断された。X+1年8月に母をドナーとする血液型不一致生体腎移植施行。術後はCr 1.0mg/dL前後で安定したが,蛋白尿が持続し5g/day以上まで増加した。術中の自己腎生検では骨髄腫腎やアミロイドーシスの所見はないが軽鎖沈着症が否定できない所見であった。術後2ヵ月の移植腎生検の電顕で,FSGS病変の初期像を疑わせる足細胞変性を認めたが,蛍光抗体法でκ優位の沈着を認め,軽鎖沈着症の初期の可能性も否定できない所見であった。DFPP,リツキシマブで,その後蛋白尿は減少した。病初期では組織学的にM蛋白沈着症の診断が難しい場合もあり,M蛋白血症に関連する腎病変の出現について慎重なフォローが必要である。
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