日本計算機統計学会大会論文集

社会調査結果を計算機内に保存し、必要に応じてデータを取り出し、Mathematicaを用いて、基本統計量を計算し、ヒストグラム、散布図等のグラフを描き、データの様相を視覚的に見ることのできるデータベースをワークステーション上に構築した。データを変更することにより、容易に他の調査結果データにも適用することができる。

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本稿は、労働組合の経済効果、特に所得分配効果について、わが国製造業を中心に分析を行うことを主眼とした。ここでは、労働組合の所得分配における影響力の強弱が労働組合組織率によって表しえるものと仮定する。そして、製造業産業中分類毎に生産関数の推定を行い、そこから得られる労働分配率を用いて労働限界生産力価値(以下MPL)を求め、それと実際の賃金率(以下ALC)の間に生じる乖離(以下GAP)を比較・分析することによって、労働組合の賃金上げ圧力が、労働供給曲線を押し上げ、その勾配をより急にするという仮説を検証した。分析の結果から、労働組合は労働供給曲線の勾配をより右上がりにするという効果と、より高い賃金水準の獲得を含めた組合員の厚生レベルの上昇に効果を及ぼしてきたことが明らかになった。

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This paper studies a comparison of the estimation results by 2SLS and modified LIML estimators and the simulation performances of a nonlinear simulataneous equations model when the degree of overidentifiability (L) is large. This model consists of 16 behavioral equations, 13 identities, a 20 sample sizes and 28 predetermined variables. The MF-LIML estimator appears to perform better than the F-LIML estimator in terms of the Hauseman test, and better than the 2SLS estimator in terms of the root mean squared errors ((RMSEs) and Theil's inequality coefficients (TICs) during both sample and postsample periods. We concluded that the modified LIML estimator is practically better than 2SLS estimator using a nonlinear simultaneous equations model when the value of L is large.

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数式処理(計算機による代数的計算)は今や、数学者・自然科学者・工学者のみならず、教育者や学生たちの机上の計算機にまで装備されるほどに普及したが、依然、大きな課題をかかえている。実際に使ってみると、「数式処理は何と融通がきかないのか!」というのが率直な感想であろう。すなわち、当面の最大の課題は数式処理の柔軟化であり、これを解決すれば幅広い応用が開けてくると期待される。本稿では、従来の数式処理を振り返ってその限界と課題を指摘する。ついで、数式処理の柔軟化に対する一つの試みとして、筆者らが提唱し推進している代数の近似化を紹介する。これはほぼ完全に日本のオリジナルな研究である。

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