ランキングに基づく分析法は,感覚的な評価を扱う場合にしばしば用いられる.ランキングデータの解析には古くから研究された検定を主体とした検証的な方法が標準的に使われているが,近年ではコンピュータの使用によるグラフィカルな探索的・発見的手法が提案されてきている.その中で,順位グラフはランキングデータの構造を平均順位と一致度によって表現する方法として知られている. 本論文では,順位グラフを構成するアイテムベクトルの漸近的な信頼領域を用いて,評価されるもの(アイテム)と評価する側(判定者)の両方を分類する方法を提案する.また,3節では,実際のデータを解析し,その階層的分類を示す.4節では,アイテムの順序関係を仮定した人工データを用いて,提案した方法がデータの構造を探索するために有用であることを示す.
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