計算機統計学
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最新号
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原著論文
  • 高木 諒, 南 弘征, 水田 正弘
    2019 年 32 巻 2 号 p. 95-103
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/03/21
    ジャーナル フリー
     本論文は, メタアナリシスの解析対象をシンボリックデータ解析の枠組みで解析する方法を提案することとともに, 実データへの解析へ展開することを目的とする. メタアナリシスは複数の研究結果を統合してより信頼性の高い結果を得るための方法で, これを実施する場合, 研究結果において各研究の偏りである異質性の把握が肝要である. また, シンボリックデータ解析は, コンセプトと呼ばれるクラス (集合など) を解析単位として扱う手法である. そこで本論文では, 研究結果を, シンボリックデータ解析におけるコンセプトと考え, 異質性をもたらす可能性のある要因を発見するための方法論を示す. 具体的には, 研究結果としての2元分割表をコンセプトとした場合の階層型シンボリッククラスター分析を適用する. 解析例で示すデータは, 鍼治療における複数のランダム化試験によるもので, 研究ごとの治療群と治療結果に関わる2元分割表のほかに, 被験者レベルでの背景情報を含んでいる. 提案した手法の結果から, 解釈可能なクラスターが見い出され, 異質性をもたらす可能性のある変数の特定が可能となった.
  • 加藤 直広, 野間 久史, 長島 健悟
    2019 年 32 巻 2 号 p. 105-117
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/03/21
    ジャーナル フリー
     大規模データを対象としたランキングと選択のための方法として, 近年, Henderson & Newton (2016) は, 対象となる上位のユニットを最も正確に選択するための指標として, P値, Q値に類するR値という指標を新たに提案している. しかし, R値は, モデルの妥当性に依存する指標であるため, モデルの誤特定による影響を強く受ける可能性がある. 本研究では, 特に, 医学・生物学における大規模データの解析を目的として, Bradley Efronらによって開発された混合モデルに基づく枠組みを用いたベイズ流階層混合モデルを応用して, R値による正確なランキングを行うための方法を提案する. 特に, 柔軟なモデル化を可能とするために, Lairdのノンパラメトリック最尤法を用いた経験ベイズ法を用いる. また, 混合モデルによる枠組みを用いることにより, 選択されたユニットのFDR (false discovery rate) を推定することも可能となる. M. D. Anderson Cancer Centerで行われた乳がんの臨床研究を事例として, 提案した方法の有用性の評価を行う.
  • 奥井 佑
    2019 年 32 巻 2 号 p. 119-133
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/03/21
    ジャーナル フリー
     ゲノム解析技術の進歩により近年, 各個人の体内に各細菌がどの程度の割合存在するかについてのデータが得られるようになった. それに伴い細菌データの解析手法も多く提案されており, その1つとしてトピックモデルが用いられる場合がある. 時系列で細菌データが取得されている場合には, 動的トピックモデルなど時系列データに対する既存のトピックモデルを援用することが考えられる. トピックモデルではトピック数を任意の値に設定する必要があるが, モデルをノンパラメトリックベイズモデルに拡張することで, データに応じたトピック数の推定が可能となり, より臨床的な解釈が容易となることが考えられる. そこで本研究では動的トピックモデルを拡張することで, 時系列で測定された細菌データに対するノンパラメトリックベイズトピックモデルを提案し, 実際の細菌データを用いて既存手法と性能を比較評価した. 性能評価の結果, 提案法を用いることで設定するトピック数によらず少数のトピックの割合のみが大きくなり, データに応じてトピック数を自動的に推定可能となることが示唆された.
総合報告
  • 牧野 直道
    2019 年 32 巻 2 号 p. 135-146
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/03/21
    ジャーナル フリー
     探索的因子分析は, 観測変数が量的変数であることが仮定されていることが多いが, 心理学・社会科学においては, 質的変数も観測されることが多く, 先行研究において, 質的変数に対する探索的因子分析の手法が様々開発されている. 本稿では, 数量化を用いる方法である非計量因子分析に焦点をあて, はじめに非計量因子分析の先行研究について, モデルと推定法について比較を行う. 続いて, 近年発展している行列分解因子分析の解の解釈可能性向上に関する手法が非計量因子分析にも拡張できることを示す. 最後に, 非計量因子分析の今後の課題について議論を行う.
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