日本CT技術学会雑誌
Online ISSN : 2434-2750
Print ISSN : 2434-2769
8 巻 , 1 号
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テクニカルノート
  • 早坂 駿, 原田 耕平, 大橋 芳也, 田仲 健朗, 千葉 彩佳, 沼澤 香夏子, 今井 達也, 片桐 好美
    原稿種別: テクニカルノート
    2020 年 8 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/09
    ジャーナル フリー

    1) digital phantom作成ツールを用い, 腫瘤性病変のサイズなどの条件を設けて視覚評価を行った.

    2) 再構成スライス厚5 mmにおいて最も低コントラスト検出能が高い結果を示した.

    3) AUCは再構成スライス厚5 mmにおいて最も高い値を示した.

    要旨

    肝細胞癌のサーベイランスとして, 肝臓dynamic CTは既に確立された撮影法であり, この領域では低コントラスト検出能が重要視される. 低コントラスト検出能に影響を与える要因として, 再構成スライス厚が挙げられるが, 至適再構成スライス厚を検討する上で腫瘤性病変の大きさやCT値差を決定し, 検討した報告は見受けられない. 近年, 原田らによってdigital phantom作成ツールが報告され, 容易に臨床画像を用いて低コントラスト検出能の評価を行うことが可能となった. 本研究の目的は, 模擬腫瘤を用いて肝臓dynamic CTの動脈後期相における至適再構成スライス厚を求めることである. 対象は上腹部dynamic CTを行った20症例とした. 全ての症例にdigital phantom作成ツールを用いて, 直径10 mm, CT値差+15 hounsfield unit (HU)の模擬腫瘤を1つ無作為に加算し, レトロスペクティブに再構成スライス厚3, 5, 7 mmの画像を作成した. 模擬腫瘤なしの画像も用意し, receiver operating characteristic (ROC)解析を行い, area under the curve (AUC)を求め, 多重比較し, 検討した. 再構成スライス厚3, 5, 7 mmのAUCの平均はそれぞれ0.90, 0.94, 0.81であり, 多重比較の結果より再構成スライス厚7 mmは有意に低い値を示し (p<0.05), 5 mmが最も高い値を示した. 最も低コントラスト検出能が優れた再構成スライス厚5 mmは至適再構成スライス厚と言える.

原著
  • 谷 和紀子, 市川 勝弘, Noriyuki Negi, 日下 亜起子
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 6-
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/09
    ジャーナル フリー

    重要な要点

    1) 70 kVは120 kVに対して約2倍のCT値を得ることができる

    2) 70kV CTAは120 kV CTAと比較し,有意に動脈のCT値を上昇させるだけなく,静脈のCNRを向上させた.

    3) 70kV の使用により1相撮影が可能となり,120 kVの2相撮影と比較し被ばくを約70%低減した.

    要旨

    [目的]腎動脈と腎静脈を分離して描出するためのロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術前CTA検査において,従来の120 kVによる2相撮影(動脈相と静脈相)と70 kVの低管電圧による1相撮影(動脈相)について,放射線量と定量的な画質を比較する.

    [方法]腎腫瘍の手術のためCTAを行った50症前に対し,前半の25名は64列または320列マルチスライスCT装置を用いた120 kV,後半の25名は96列のマルチスライスCT装置を用いた70 kVで撮影を行った.その後,腎動脈,腎皮質,及び腎静脈のCT値,ノイズおよびCNR測定を行った.

    [結果]120 kV CTAにおける平均CTDIvolは合計で46.2±6.7 mGy,70 kV CTAの動脈相における平均CTDIvolは12.7±3.5 mGyであった.70 kV CTAの腎動脈のCT値は798.6 ± 119.4 Hounsfield unit (HU),腎皮質のCT値は360.3 ± 62.4 HU,120 kV CTAの腎動脈のCT値は318.1 ± 46.9 HU,腎皮質のCT値は265.8 ± 33.1 HUであり,120 kV CTAと比較し70 kV CTAのCT値は有意に高かった(P < 0.05).また,70 kV CTAの腎皮質のノイズ(SD)は9.4 ± 2.9 HU,腎静脈のSDは10.0 ± 2.2 HU,120 kV CTAの腎皮質のSDは16.9 ± 1.8 HU,腎静脈のSDは17.1 ± 1.9 HUであり,120 kV CTAと比較し70 kV CTAのSD値は有意に低かった(P < 0.05).腎静脈のCNRは,70 kV CTAが8.8±4.5,120 kV CTAが0.8±0.8であり, 70 kV CTAは120 kV CTAと比較しての有意に高かった(P < 0.05).

    [結語]ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術前CTA検査において,70 kVを用いた動脈相1相撮影は,120 kVの2相撮影と比較し,73%の放射線線量の低減を可能とし,有意に動脈のCT値を上昇させるだけなく,静脈を十分に描出した.

  • 上江田 博司, 川嶋 広貴, 市川 勝弘, 高田 忠徳, 三井 渉
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 11-
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/09
    ジャーナル フリー

    重要な要点

    1) Frequency split法を利用したmonoenergetic plus画像は,大幅に画像ノイズを低減し,画質改善に有用である.

    2) 撮像管電圧差の大きな組み合わせは,低エネルギー仮想単色X線画像の画質特性に優れる.

    3) 撮像管電圧差が小さくなると,低エネルギー仮想単色X線画像の低周波成分における画質劣化が顕著となる.

    要旨

    [目的]

     本研究は,撮像管電圧差がdual energy CTから生成される仮想単色X線画像の画質に与える影響を評価した.

    [方法]

     CT装置には第2世代の2管球CTを用い,成人腹部のX線吸収を模した300 mm径の円筒型水ファントム内部に2 mgI/mLのヨードロッドを固定しスキャンした.撮像管電圧の組み合わせは,80 kV+錫フィルタを付加した140 kV (80/140Sn kV)および100/140Sn kVとし,CTDIvol = 20 mGyに設定した.仮想単色X線画像は,原理に忠実な解析画像 (Mono)とそれに非線形ノイズ低減処理を行った画像 (Mono plus)をそれぞれ再構成した.その際の設定エネルギーは40 keVとした.画質評価としてnoise power spectrumとtask transfer functionを測定し,それらからsystem performance function (SPF)を算出した.

    [結果]

     Mono画像において,画像ノイズは,100/140Sn kVが80/140Sn kVより大きくなった.Mono plus画像ではMonoに比べノイズが低減され,2つの管電圧の組み合わせでCT値のノイズ変動 (SD: standard deviation)値は同程度となった.しかし,SPF2の最低周波数では80/140Sn kVが,100/140Sn kVに比べ1.5倍以上高い値となった.

    [結論]

     撮像管電圧差の大きな組み合わせの方が,低エネルギー仮想単色X線画像の画質特性が優れる.

テクニカルノート
  • 小鷹狩 賢司, 西丸 英治, 横町 和志, 高木 一成, 舛田 隆則, 藤岡 知加子, 木口 雅夫, 粟井 和夫
    原稿種別: テクニカルノート
    2020 年 8 巻 1 号 p. 16-
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/15
    ジャーナル フリー

    重要な要点

    ・ CT装置における寝台と延長天板との接続部分(接続部)は補強のため高いX線吸収体を有している.

    ・ 頭部CT検査におけるautomatic tube current modulation (ATCM)は画質と撮影線量の最適化ができる有効なテクニックだが高いX線吸収体を有している接続部上では画質が低下し,水晶体の被ばくが増加する.

    ・ 寝台上で頭部CT検査を行う場合,接続部上での頭部CTを避けることにより,画質低下,水晶体の被ばくが低減できる.

    【目的】頭部CT検査は再現性の向上,頭部の固定を目的として専用の固定具を用いるが,患者状態によっては寝台上で撮影を行うことがある.寝台上で撮影する場合,寝台と延長天板との接続部分(接続部)はCT位置決め画像で明らかなX線高吸収体として投影される.過去の報告で寝台やバックボードが画質,線量に与える影響は報告されているが,この接続部に着目した報告は少ない.本研究の目的は接続部上で頭部CTを撮影した場合の画質と水晶体の被ばくについて検討することである.【方法】SOMATOM Definition AS+を用いて寝台,接続部にそれぞれ頭部ファントム(京都科学社)を 配置し,固定管電流, automatic tube current modulation (ATCM) で5回撮影した.画質評価として頭蓋内のCT値のstandard deviation (SD) を計測した.ATCMの動作を評価するため,取得した画像のDICOMタグより管電流を取得した.水晶体の被ばくを推定するため眼窩表面に0.6 cc ion chamber(Radcal社) を眼窩表面に配置し吸収線量の測定を行った.統計解析にはstudent’s t-testを使用した.

    【結果】固定管電流でのCT値のSDは寝台,接続部で3.14 ± 0.08 HU,3.78 ± 0.08 HU,ATCMでのSDは寝台,接続部で3.18 ± 0.11,3.52 ± 0.08 HUであった.(p<0.01),ATCMでの管電流は寝台で225 mA,接続部で295 mAで31%増加した.水晶体の吸収線量は固定管電流で寝台,接続部で59.61 ± 0.30 mGy,59.39 ± 0.06 mGy (p=0.19),ATCMでは寝台,接続部で51.90 ± 0.19 HU,69.28 ± 0.31 mGy で34 %増加した. (p<0.01)【結語】接続部上での頭部CT検査は画質が低下し,水晶体の被ばくが増加する.

原著
  • 菅谷 正範, 村木 厳太郎, 秀永 慎一
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 19-
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/13
    ジャーナル フリー

    重要な要点

    1) 撮影時の収集モードが異なる場合は同一名称の再構成関数においても画質特性が変化する.

    2) 256列MDCTのhigh resolution収集はFBPにおいても低線量時に非線形処理により解像特性が変化する.

    3) 低線量時のhigh resolution収集は解像特性を維持できないため,撮影目的を考慮し収集モードの使い分けが必要である.

    要旨

    [目的]

     256列multidetector computed tomography (MDCT)の収集モードの違いによるfiltered back projection (FBP)画像における線量低減時の非線形挙動が画質特性へ及ぼす影響を評価することである.

    [方法]

     コントラスト差50 Hounsfield unit (HU)と260HUのファントムを作成した.収集モードはnormal収集とhigh resolution (HR) 収集とし,撮影線量は1.41から15.49mGyと変化させた.得られた画像よりtask transfer function (TTF)を算出した.また, 均一ファントムを用いnoise power spectrum (NPS)とstandard deviation (SD)を計測した. さらに異なるシステム構成の固有性能を比較するためTTFとNPSよりsystem performance (SP)を求めた.

    [結果]

     TTFはnormal収集では変化しないが,HR収集では線量低下に伴い低下し最大で26%低下した.この挙動に関するコントラスト依存性はほぼなかった.NPSはHR収集で線量低下に伴いノイズの抑制やピーク周波数が低周波数側へシフトした.SDは約5.00 mGy以下からnormal収集と比較しHR収集で低下した.SPは低線量域で差が開き, 最低周波数において同線量のnormal収集と比較しHR収集で最大26%増加した.

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