熱測定
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24 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • Oana-Arina Antoce, Vasile Antoce, Mihono Kudo, Fumiki Yoshizako, Katsu ...
    1997 年 24 巻 3 号 p. 111-117
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    The growth thermograms observed with a multiplex isothermal calorimeter during growth at 30°C were employed for the determination of various parameters characterizing the growth and heat production of a Saccharomyces cerevisiae strain. The heat evolution curve, cell number curve and ethanol production curve determined for the yeast culture were found to be correlated, and the values of the growth rate constant μ determined from these curves were, respectively, 0.37, 0.34 and 0.32h-1. From the correlation existing between the heat evolution curve and the cell number curve, an average heat evolution Q=(1.35±0.02)×10-7 J cell-1 and a corresponding q1=20±3pW cell-1 for the average heat evolution rate for a single cell were determined. Similar considerations allowed the determination of the average heat amount (QE=147.6kJ mol-1) and the average number of yeast cells (NE=1.09×1012 cell mol-1) associated with the production of one mole of ethanol. On the second hand, a new method was proposed for the determination of the average heat evolution rate per cell, which requires only the knowledge of the initial number of cells (the inoculum size) and the selection of an arbitrary level α on the time derivative of the heat evolution curve observed for the yeast culture. The values of q1 determined using this method were found to depend on the level α, but the average was q1=28.0±2.4pW cell-1, which is relatively close to the value determined by the classic method.
  • 桐山 雅史, 高田 晃彦, 占部 美子, 根本 紀夫
    1997 年 24 巻 3 号 p. 118-126
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    本研究では,未変性卵白アルブミン(OVA)溶液および高温熱処理により作製したゲルについて示差走査熱量測定法(DSC)を用いて熱的特性を評価した。水溶媒中での未変性OVA試料において,OVA濃度Cの範囲が5~58wt%のとき変性温度td,エンタルピーΔHは各々,75.0℃,890kJ・mol-1の一定値を示した。一方,C > 58wt%ではOVA濃度の増加に伴いΔHの減少とtdの上昇がみられた。C=58wt%のとき水和された状態において最密充填状態になると仮定すると,OVA表面にOVA1gあたり0.36gの結合水が存在することがわかり,OVA分子を直径5.6nmの球とすると,このときの水和層の厚さは0.36nmと見積もられた。C≥10wt%以上のOVA水溶液では140℃付近,170℃付近,220℃付近に発熱ピークが存在し,それぞれrandom-aggregate状から安定なゲル構造への形態変化,S-S結合の切断,OVA自身の分解に対応するものであると思われる。また,円偏光二色性測定により約80℃でα-helixの含量が減少し,さらに高温でβ-sheet,β-turn含量も減少したことを明らかにした。この結果はOVAの2次構造の変化が100~140℃の温度範囲におけるゲル形成およびその後200℃で始まる分解以前にランダムコイル形態への形態変化に決定的な役割を果たしていることを示している。OVAの熱的挙動に対する溶媒の疎水性の効果を研究するため,グリセリンおよびエチレングリコールの2有機溶媒とこれらと水との混合溶媒を溶媒として用いた。混合溶媒の混合比に対するtd, ΔHの複雑な変化が観測され,エチレングリコールはグリセリンと比較して,未変性OVAに強く相互作用を及ぼすことがわかった。
  • 大橋 東洋, 有田 裕二, 松井 恒雄
    1997 年 24 巻 3 号 p. 127-137
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    蛍石型構造を持つ化合物の高温熱容量測定の結果,ハロゲン化物およびアクチニド酸化物では,ともに融点の約8割の温度で相転移が見られた。その転移機構について,ハロゲン化物と酸化物の2種類に分けて解説した。
    蛍石型酸化物であるUO2はその転移機構が,電子-正孔対生成に起因するものであるという意見もあるが,ハロゲン化物も酸化物も中性子回折により動的なFrenkel型クラスターの存在が確認されており,転移機構としてこれらのクラスターの濃度の急激な変化が関与していると考えられる。添加物入りの蛍石型酸化物の転移機構が,ハロゲン化物と同じであるかどうかを判断するのは現状では困難であるが,それぞれ次のような特徴がある。ハロゲン化物では転移に伴うλ型ピークが熱容量曲線に明確に見られた。また,添加によって生成するクラスターの影響により,転移温度が低下する場合としない場合が存在した。一方,アクチニド酸化物では,転移前に急激な熱容量の増加と,転移後に熱容量がほぼ一定となることが観察された。また,ウラン酸化物では,添加物の価数によって熱容量の急激な増加開始温度,欠陥生成エンタルピー・エントロピー等に違いが見られた。これらの転移は結晶の幾何学的な特徴と関連があり,その幾何学的な特徴を表すパラメーターとしてイオン半径が考えられる。この転移機構を説明するには,イオン半径など原子を剛体球として取り扱うパラメーターの他に,別のパラメーターも考慮に入れなくてはならないと思われる。
  • 太田 健一郎, 小林 太一
    1997 年 24 巻 3 号 p. 138-145
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    1989年に常温核融合が知られる様になって8年が過ぎた。この間に様々な試みが行われ,否定的な結果が多いものの,信頼できそうな肯定的な結果もある。エネルギー問題を考えると過剰熱現象は興味深いものの,核反応につながる信頼性のある報告はない。ここでは過剰熱発生の確認の要となる熱測定法の主なものをまとめた。
  • 1997 年 24 巻 3 号 p. 146
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 西本 右子
    1997 年 24 巻 3 号 p. 147-148
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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