ジオキサン異性体+各種無極性液体系の熱力学的性質を調べるため,293.15,298.15および303.15Kでこれらの溶液の密度を測定し,過剰体積および過剰熱膨張係数を求めた。その結果,4DXは無極性液体であるが,極性液体である3DXと同様の体積的効果を示すことより,4DXは局部的双極子を有すると考えらる。また,各種無極性液体との混合により,ジオキサン異性体の有していた双極子-双極子相互作用による“ゆらぎ”が破壊され,溶液中で異なる“ゆらぎ”が生じ,α
E > 0となったり,双極子-π型異種分子間相互作用により“ゆらぎ”の少ない状態となり,α
E < 0となることがわかった。このような考察は前報<で報告した熱的効果からの考察と一致している。
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