熱測定
Online ISSN : 1884-1899
Print ISSN : 0386-2615
ISSN-L : 0386-2615
25 巻, 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 安藝 初美, 山本 孫兵衛
    1998 年 25 巻 4 号 p. 83
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 岡田 敏史
    1998 年 25 巻 4 号 p. 84-85
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 吉岡 澄江
    1998 年 25 巻 4 号 p. 86-91
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    熱分析を医薬品の安定性評価に応用する例を紹介する。医薬品が引き起こすエンタルピー緩和やメカニカル緩和を,示差走査熱量分析,熱機械分析および動的熱機械分析によって測定し,医薬品の安定性を密接に反映する分子運動性に関する情報を得る方法を考察する。
  • 三村 尚志, 北村 智, 幸田 繁孝
    1998 年 25 巻 4 号 p. 92-96
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    医薬品の品質を保証する上で,安定性試験は重要な評価項目である。そこで,医薬品の安定性評価を,分解に基づく微少なエンタルピー変化を検出可能な高感度等温熱量計を用いて検討した。その結果,等温熱量測定を応用することにより,分解機構の速度論的解析の他,安定性に及ぼす酸素,水分および賦形剤の影響を,液体クラマトグラフ法などの煩雑な定量操作を必要とする従来法に比べ,短期間かつ簡便に評価できることが確かめられた。
  • 芦澤 一英
    1998 年 25 巻 4 号 p. 97-104
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    他測定を併用した熱的評価と新規開発したX線回折(XRD)-DTA同時測定装置を用いて医薬品結晶の結晶多形と疑似結晶多形の相転移と分子状態の研究を行った。methosorbinilは結晶状態において,2つの結晶多形,α形結晶とβ形結晶が存在することをDSCと赤外線スペクトル法によって示した。また,DSCの昇温速度に依存して起こるβ形結晶からα形結晶の移行は,固体状態で起こるα形の核形成と結晶成長により促進されることが観察された。疑似結晶多形の研究において,cefclidinは結晶状態において,3つの疑似結晶多形,α形結晶,β形結晶およびγ形結晶の存在をX線回折測定によって示した。そして,cefclidinの疑似結晶多形と含水量の相関関係についてはX線回折測定,水分量測定および凍結真空乾燥実験により研究した。cefclidin結晶の相転移は脱水によって起こることが明らかとなった。E4031とE3060の疑似結晶多形の研究では相転移の新規な評価法としてX線回折(XRD)-DTA同時測定装置を開発した。よって,本研究は熱的,分光学的ならびに新規のX線回折(XRD)-DTA同時測定を用いて結晶性医薬品の相転移挙動を明らかにした。
  • 寺田 勝英, 吉橋 泰生
    1998 年 25 巻 4 号 p. 105-110
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    医薬品原体の結晶化度を粉末X線回折および熱分析により評価した。熱分析法にはDSCおよび微少熱量計を用いて解析を行った。医薬品原体にはテルフェナジンを用い,結晶化度の異なる試料は粉砕法で調製した。結晶化度は,粉砕時間とともに低下することが確認された。日局第1液を用いた溶解速度は,テルフェナジンの結晶化度の低下とともに増大した。結晶化度と溶解速度の対数との間には直線性が認められ,特に,熱分析法から得られた結晶化度との間には,ほぼすべての範囲にわたり良好な直線関係が認められた。
    このことから,熱分析による結晶化度の評価法は,医薬品原体の結晶化度の品質管理を行うのに有用であることが確認された。また,非晶質医薬品のキャラクタリゼーションにおいても熱分析法の有用性が確認された。
  • 米持 悦生, 山本 恵司
    1998 年 25 巻 4 号 p. 111-116
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    固形医薬品と製剤添加剤の相互作用について概説した。医薬品Picotamideへの汎用されている製剤添加剤の適合性についてDSCを用いて検討した。さらに,試料の熱的性質への,混合・粉砕・混練などの物理的処理の影響について検討した。これら処理の結果,Picotamideとブドウ糖,乳糖との混合系では,吸湿性の変化,さらに乳糖との系では相互作用の発現が観察された。インドメタシンとPVPの非晶質固体分散系についてDSC測定を行った。PVP含量50%以下の系においては,試料のPVP含量とガラス転移点の関係は,Gordon-Taylor式に良く一致した。多孔性添加剤(多孔性結晶セルロース,多孔性ガラス)とエテンザミド,Methyl Parahydroxybenzoateとの相互作用についてDSC測定を行った結果,これら試料のDSC曲線上には融点より低温側に異常なピークが観察された。この吸熱ピークは薬品の添加剤細孔中への吸着によるものであった。安息香酸,Methyl Parahydroxybenzoateと各種シクロデキストリンとの加熱による相互作用についてDSCにより検討した。種々の吸発熱ピークがDSC曲線上に観察された。粉末X線回折測定,IRスペクトル測定による検討の結果,これらピークは,薬品とシクロデキストリンとの包接化合物生成,包接化合物結晶からのゲスト薬品の脱離によるものであった。
  • 安藝 初美, 山本 孫兵衞
    1998 年 25 巻 4 号 p. 117-125
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    等温滴定熱量計を用いて,水溶液中バルビツール酸誘導体(BAs)と2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)の包接複合体形成の機構を検討した。各種pH緩衝液中で測定した複合体形成反応熱量の滴定曲線から形成定数および形成エンタルピー変化を算出した結果,非解離形BAsではモル比1:1の2種類の包接モードをもつ複合体の形成,および解離形BAsでは1種類の包接複合体の形成が確認された。形成定数の大きい順に第1種および第2種複合体とすると,第1種複合体形成はΔG1H1およびΔS1はpHに依存せずほぼ定値であり,ΔH1が負の小さい値,ΔS1が正の大きい値を示すことから,疎水性相互作用が寄与している。また,第2種複合体形成はΔG2H2およびΔS2のpH > pKaでの減少,ΔH2が負の大きい値,そしてΔS2が正の小さい値を示すことから,ファンデルワールス相互作用または水素結合が寄与している。つまり,BAs-HPβCD複合体にはBAsのバルビツール酸環5位のR2の疎水性置換基がHPβCD空洞内に包接された第1種複合体とバルビツール酸環がHPβCD空洞内に包接された第2種複合体の2種類の包接モードが存在し,第2種複合体は非解離形BAsにおいてのみ形成される。これらの包接モードは13C-NMRケミカルシフト変化の解析結果と一致し,動力学的計算によって包接複合体の水溶液中での安定性が検証された。
  • 甲佐 貴光, 渡邊 博志, 小田切 優樹
    1998 年 25 巻 4 号 p. 126-131
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    医薬品の体内動態過程のうち,分布に深く関与する血清アルブミンの構造と機能(薬物結合能)について取り上げ,その概要を述べる。さらに,示差走査熱量測定法(DSC法)による構造解析およびフロー型熱量計を用いた微小熱量測定法などの熱力学的検討より得られる医薬品との相互作用の情報について記述する。
  • 岡田 文裕
    1998 年 25 巻 4 号 p. 132-137
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    熱測定法により抗微生物薬における薬剤作用を定量的に解析した。抗微生物薬として,パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)類を用いた。先に報告した多試料同時計測微生物活性解析装置を用い,パラベン類を種々の濃度で含む増殖培地中でのKlebsiella pneumoniaeならびにSaccharomyces cerevisiaeの増殖サーモグラムを観測した。パラベン類の影響を増殖の時間遅れの観点から解析することにより,50%増殖抑制濃度(Kθ)を求め,さらにその薬剤濃度依存性から薬剤作用曲線を描いて,薬剤効果を評価した。薬剤作用曲線から解析して得られた最小発育阻止濃度(MIC)から,メチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチル,ヘキシルの順に薬剤の効果が強くなることが確認された。また50%増殖抑制濃度(Kθ)より各薬剤のK.pneumoniaeならびにS.cerevisiaeの微生物細胞に対する親和力(結合のギブス自由エネルギー変化)を求め,分子の形状と薬剤効果について考察した結果,増殖活性を50%抑制するのに要する薬剤濃度より両微生物に対する薬剤の親和力を求めて比較すると,アルキル鎖の炭素数と親和力との間にきわめて良好な直線関係が成り立つことが認められた。さらに同じ薬剤でも,K.pneumoniaeよりもS.cerevisiaeに対する作用が大きく,それが主として膜構造の違いによるものと推測された。これらの結果から,ここで紹介した解析法が抗微生物薬における抗菌作用の定量的解析に有効であると結論した。
  • 1998 年 25 巻 4 号 p. 138
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
feedback
Top