熱測定
Online ISSN : 1884-1899
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26 巻, 5 号
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  • 戸田 昭彦
    1999 年 26 巻 5 号 p. 161-172
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    1次転移のキネティクスの寄与を考慮した見かけの複素熱容量の表式に基づいて,温度変調DSC(TMDSC)の高分子の結晶化や融解キネティクスへの適用可能性について議論した。見かけの複素熱容量に現れるキネティクスの寄与を詳細に議論するためには,変調周波数依存性を検討することが重要となる。結晶化ではキネティクスの応答は虚部のみに現れ,結晶成長速度の温度依存性がTMDSCによって決定される。一方,融解温度領域での見かけの熱容量には平均昇温速度に依存する周波数分散が現れる。この特性時間の平均昇温速度依存性から融解速度の過熱度依存性に関する情報が得られる。再結晶化・再構造化と融解キネティクスの温度依存性の強さの違いを利用すれば,TMDSCによってこれらの熱流束を分離して議論できる。
  • 引間 孝明, 花屋 実, 小國 正晴
    1999 年 26 巻 5 号 p. 173-185
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    構造緩和時間が強い非アレニウス的温度依存性を示すフラジル液体のガラス転移温度領域で見出された「均一核生成主導結晶化」について,均一核生成および結晶成長に対する古典的理論の紹介を含めて,解説する。そして,微視的過程である均一核生成がいかにして核生成主導結晶化として巨視的に観測されるのか,その発現機構を検討するとともに,均一核生成速度を支配する液体の構造緩和過程について,核生成主導結晶化による結晶成長速度の温度依存性に基づいて議論する。
  • 櫻井 弘久
    1999 年 26 巻 5 号 p. 186-193
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    1990年国際温度目盛についての現状と指摘されている問題点とその背景を述べる。現在まで,ITS-90の致命的な欠陥は指摘されていないが,熱力学温度とのずれが報告されはじめている。また,白金抵抗温度計を補間計器とする温度領域のうち,660℃以上の高温域での温度計の個体差が予想以上に大きい可能性があることが指摘されている。国際温度目盛の低温域の拡張を目的に,3Heの融解曲線を使った1K以下1mKまでの暫定目盛の設定が準備されている。
  • 1999 年 26 巻 5 号 p. 194-195
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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