第十三改正日本薬局方第二追補(1999)の一般試験法として「熱分析法」が新規に採用された。日局「熱分析法」の概要を紹介するとともに,医薬品(出発物質,中間体,活性医薬品成分)の品質評価試験にどのように応用可能であるかにつき考察した。
医薬品原薬の品質は各種の物理化学的試験によって規定されるが,熱分析法が適用可能な試験項目としては,「性状」,「乾燥減量又は水分」および「純度試験(類縁物質)」がある。それぞれの試験項目がもつ医薬品原薬の品質評価上の意義およびどのような応用が可能であるかにつき,具体的な実験例を示して解説した。
また,米国薬局方(USP)およびヨーロッパ薬局方(EP)で熱分析法がどのように取り扱われているかについても比較考察を行った。
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