熱測定
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30 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • Shigeo Hirose, Tatsuko Hatakeyama, Hyoe Hatakeyama
    2003 年 30 巻 4 号 p. 154-160
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    Mono- and disaccharides (SAC) such as glucose (Glc), fructose (Frc) and sucrose (Suc) were dissolved in ethylene glycol and each of the obtained mixture was reacted with succinic anhydride to form a mixture of ester-carboxylic acid derivatives (SAC-polyacid, SACPA). Ethylene glycol-polyacid (EGPA) was also prepared from ethylene glycol. Each of the obtained mixtures of ester carboxylic acid derivatives was reacted with ethylene glycol diglycidyl ether in the presence of a catalytic amount of dimethylbenzylamine to form ester-epoxy resins. The molar ratios of epoxy groups to carboxylic acid groups ([EPOXY]/[ACID] ratios, mol mol-1) were varied from 0.5 to 1.3. The contents of SACPA in the mixture of SACPA and EGPA were also varied from 0 to 100%. Thermal properties of epoxy resins were studied by differential scanning calorimetry (DSC) and thermogravimetry (TG). Glass transition temperatures (Tg's) of epoxy resins showed a maximum value of -8.1°C when [EPOXY]/[ACID] ratio was 1.0. Tg's increased with increasing SACPA contents suggesting that saccharides act as hard segments in epoxy resin networks. Thermal decomposition temperatures (Td's) of epoxy resins slightly decreased with increasing SACPA contents, while mass residue at 500°C increased with increasing SACPA contents.
  • 山田 武, 渡部 貴文, 吉田 博久
    2003 年 30 巻 4 号 p. 161-166
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    一軸延伸ポリプロピレンの結晶配向関数の温度変化をDSC-XRDで,らせんコンホメーションの配向関数をDSC-FTIR同時測定によって評価した。配向関数を高時間分解能で検出するため,XRDは二次元CCD検出器でFTIRは偏光子とMCT検出器を用いた。XRDから結晶c軸ならびにb軸の配向関数を評価し,赤外二色比かららせんコンホメーションの分子軸に対応する配向関数を求め,各配向関数の温度変化を同時測定で得られたDSC曲線と比較した。一軸延伸ポリプロピレンは低温側にショルダーを持つ融解ピークを示した。XRDから求めた結晶c軸配向関数は低温側のショルダーから急激な減少を示したのに対し,赤外から求めた配向関数は同じ温度領域で増加した。このことから一軸延伸ポリプロピレンの再組織化過程は融解再結晶化によってより安定な結晶を形成することを示唆している。
  • 孫 玲, 近藤 弓紀子, 桐澤 宏治, 森川 淳子, 橋本 寿正
    2003 年 30 巻 4 号 p. 167-172
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    織物状高分子材料の酸化劣化評価のため,酸素存在下での昇温過程で発光を観測するオキシルミネセンス法の適用を試みた。多くの織物では,熱安定性評価法として広く用いられている熱天秤法(TGA)と比較して,150℃程度低温側で発光ピークが観測され,酸化劣化初期過程の評価に有効な方法であることを明らかにした。さらに,発光量の多い絹について,本法の特徴である見かけの活性化エネルギー分布測定,発光スペクトル解析,IRスペクトルとの対比をすることなどで,オキシルミネセンス法が酸化の評価法として,従来の熱分析では得られない独特な情報が得られる方法であると結論した。
  • 佐藤 尚弘
    2003 年 30 巻 4 号 p. 173-179
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    高分子溶液の熱力学的性質を取り扱う統計熱力学理論として,Flory-Huggins理論,クラスター展開理論,繰り込み群理論,低分子系の液体論の応用としての摂動理論を概説している。かなり長い研究の歴史を持つにもかかわらず,いまだにオールマイティーの理論は存在しない。Flory-Huggins理論は低濃度で近似が悪くなる。クラスター展開理論では,高次のビリアル係数の計算は困難である。繰り込み群理論を使うと,高次のビリアル係数まで計算できるが,準希薄領域を超えると実験と合わなくなる。摂動理論は,剛直性高分子や低分子量の屈曲性高分子の溶液系について,広い濃度範囲にわたって,その熱力学的性質を説明できるが,高分子量の屈曲性高分子溶液の低濃度領域には適用できない。
  • 壺内 信吾, 京免 徹, 伊藤 満
    2003 年 30 巻 4 号 p. 180-188
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    ペロブスカイト型酸化物では,中間スピン状態という特異なスピン状態が基底状態になること,錯体とは異なるスピンクロスオーバー現象を示すことが報告されている。本稿では,その代表物質であるLaCoO3とPr0.5Ca0.5CoO3のスピン状態とスピンクロスオーバー現象について,実験事実とその解釈をスピンクロスオーバー錯体と比較しながら解説した。ペロブスカイト型コバルト酸化物のスピンクロスオーバー現象は電気伝導性と密接に関連していることが錯体とは異なる大きな特徴であり,その原因は強いCo eg-O2p軌道混成とそれによって生じるコバルトの中間スピン状態に関係していると考えられている。また,スピンクロスオーバー現象への振動エネルギーや磁気エネルギーの役割も錯体とは異なることを示す実験事実についても紹介した。
  • 村上 良, 高田 陽一, 荒殿 誠
    2003 年 30 巻 4 号 p. 189-195
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    恒温滴定カロリメトリーにより測定された油溶性物質と油の混合エンタルピーを解析するために,溶液中での会合体形成を考慮した熱力学関係式を導出した。これらの式をオレイルアルコール-シクロヘキサンおよび-ベンゼン混合系に適用した。シクロヘキサン系では会合体形成のエンタルピーは-16~-20kJ mol-1であり,水素結合による環状4量体形成が主であることを明らかにした。一方ベンゼン系では,対応するエンタルピーは-2kJ mol-1程度であり,鼓型会合体あるいはOH基が充分に溶媒和した会合数の小さいミセル状会合体であることが示唆された。
  • 滝沢 俊治
    2003 年 30 巻 4 号 p. 196-204
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    リゾチーム-水系を適当な条件で熱処理すると示査走査熱量測定のさいに新たな吸熱転移が観測される。転移ピークは熱処理温度が高いほど高温に現れ,熱処理時間を長くするとピーク面積が成長するとともにピーク温度も徐々に高温側に移動する。類似の特性をもつ熱転移はその他の広範な生体高分子-水系でも共通してほぼ同じ温度域にみられ,さらにオリゴ糖のような分子量の小さい生体関連物質の水系でも観測できる。これらの生体物質と水との間には熱処理条件によって異なる様々な様式の水素結合が生成し,その結果生成した準安定構造が試料の経た熱処理の記憶として保存されていると考えると,新たに観測された熱転移現象を統一的に説明できる。
  • 2003 年 30 巻 4 号 p. 205
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 桃田 道彦, 岩田 雄策
    2003 年 30 巻 4 号 p. 206
    発行日: 2003/08/31
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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