X線回折を用いたマキシマムエントロピー法による精密電子密度分布解析について,幾つかの例とともに,その概要を説明した。基本的な考え方については,多少,詳しく述べた。この方法の有用性を示すために金属内包フラーレン金属水素化物,金属間化合物の解析例を示した。金属内包フラーレンLa
2@C
80においては,2個のLa原子が,フラーレン・ケージ中でのホッピング運動により5角形からなる正20面体型になっていると言う大変に変わった電子密度分布が見出された。金属水素化物MgH
2においては,直接フーリエ法による電子密度ではまったく見られない水素原子の電子密度ピークがMEM電子密度により発見されているという興味深い結果が得られている。
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