Cardiovascular Anesthesia
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24 巻, 1 号
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巻頭言 第24回学術大会
総説
  • 相馬 雄輔, 藤田 淳, 遠山 周吾, 金澤 英明, 福田 恵一
    原稿種別: 総説
    2020 年24 巻1 号 p. 3-7
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

     我々はiPS細胞を用いてヒト再生心室筋細胞を作出することに成功した。また,細胞のエネルギー代謝の差を利用して未分化幹細胞と非心筋細胞を除去し,心筋細胞の純度を99%以上に精製する代謝的純化法を開発した。さらに,再生心筋細胞から微小心筋組織(心筋球)を作製し,特殊な心筋球移植デバイスを開発することで心筋球移植法を確立した。免疫不全動物を用いた心筋細胞移植の造腫瘍性試験ではiPS細胞由来心筋細胞による腫瘍形成は観察されなかった。これらの基礎研究の結果から臨床応用へと進む準備が整ってきたと考え,今後ヒトを対象とした臨床研究を予定している。本稿にて再生医療の現状と将来展望を解説する。

  • 佐藤 徹
    原稿種別: 総説
    2020 年24 巻1 号 p. 9-15
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

     肺高血圧症(PH)の診断基準は平均肺動脈圧25 mmHg以上である。軽症PHにおいても肺血管はかなり障害されており,麻酔時に注意が必要である。PHの原因は肺動脈性PH(PAH),左心系障害,肺疾患,慢性血栓塞栓性PH(CTEPH),その他の5つに分類される。予後は,2000年以前はPAHで5年生存40%,CTEPHも同様であったが,最近は各々90%以上,100%に近い。PH診断のための典型的所見を示した。PAH患者の予後改善には,治療目標の決定,エポプロステノール療法の改良,経口薬の進歩,初期併用療法(Upfront combination Tx)が関係している。PHの麻酔についても簡単に追加した。

  • 酒井 哲郎
    原稿種別: 総説
    2020 年24 巻1 号 p. 17-25
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

     麻酔専門医とは,独力で一般麻酔業務を行い,さらに周術期患者に最善の帰結をもたらす為に他業種医療者に対する麻酔コンサルタントとして機能できる存在である。4年間で麻酔専門医資格を取得するための米国麻酔科研修制度をピッツバーグ大学医療センター(UPMC)を例にとり詳述した。医学生は競争率約60倍のUPMC麻酔科レジデンシープログラムに入るため基礎,実習,国家試験,研究などに取り組む。1年間の初期研修はUPMC麻酔科直轄であり後期麻酔科研修に役立つローテーションを用意している。後期研修1年目の基礎麻酔研修では最初に1カ月間の導入研修を行う。2年目は心臓外科麻酔を含む10の専門科麻酔を月別に集中的に学ばせる。3年目は半年間の選択研修で研究など多種の教育機会を与える。過半数の卒業生はさらに1年間,心臓麻酔を含めた6つの認定フェローシップに進む。医局制度は存在しないため就職先は個人で見つける。2019年での米国麻酔専門医の年収中央値は約$380,000であるが,単年契約が基本であり,大学勤務の場合には契約更新のため毎年勤務評定が行われる。

講座
  • 河野 崇
    原稿種別: 講座
    2020 年24 巻1 号 p. 27-33
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

     術後神経・認知機能異常は,高齢心臓血管手術患者に頻度が多く,長期予後に影響する重大な術後合併症である。発症様式により,術後せん妄と術後認知機能障害とに分類される。これらに共通する病態機序として脳内神経炎症の役割が注目されている。特に,加齢に伴う脳内常在性ミクログリアの炎症反応性変化は,手術侵襲に対する高齢脳の認知脆弱性に関与する。脳内神経炎症仮説に基づく術後神経・認知機能異常の予防・治療戦略では,急性期に生じる術後せん妄に対する対策が最も重要と考えられる。本稿では,脳内神経炎症仮説を踏まえつつ,術後神経・認知機能異常の定義,病態機序,予防,治療戦略について概説したい。

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