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加澤 昌広, 金澤 裕子, 島原 佑介, 藤田 知之, 小林 順二郎, 大西 佳彦
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
61-65
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
経心尖部アプローチ(transapical approach; TA)による経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation; TAVI)後に発症した左室仮性瘤に対して,経カテーテル的に治療した1症例の麻酔管理を経験したので報告する。82歳男性。TA-TAVI後に左室心尖部仮性瘤と診断された。Stanford A型大動脈解離術後であり再開胸が高リスクと考えられたため,AMPLATZERTM Vascular Plug Ⅱを使用した経皮的閉鎖術が選択された。全身麻酔下に術中管理を行い,問題なく修復が施行された。経食道心エコーは仮性瘤内の血流やガイドワイヤーの誘導,心膜液の評価等に有用であった。
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長濱 志帆, 甲谷 太一, 村上 幸太郎, 藤田 ミキ, 國徳 裕二, 加藤 清彦
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
67-70
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
症例は64歳の男性で,腹痛と両下肢のしびれを主訴に前医受診した。CTで腹部大動脈瘤破裂及び下大静脈(IVC)穿破を指摘され,手術目的で当院に搬送された。緊急で腹部大動脈人工血管置換術を施行した。全身麻酔導入後,内頚静脈穿刺時に動脈血様の血液逆流をみとめた。特異な症状として,尿道カテーテル挿入時の著明な血尿があった。IVC穿破部位はウシ心膜パッチを用いて閉鎖した。術後経過は良好で,12日で自宅退院した。腹部大動脈瘤がIVCに穿破して血尿をきたした原因として,腎障害または膀胱障害がある。
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河野 麻衣子, 大野 長良, 千葉 峻士, 和田 浩輔, 大槻 達郎, 横塚 基, 寺嶋 克幸
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
71-74
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
寒冷凝集素(cold agglutinin: CA)陽性患者は通常無症状だが,低温環境下で血栓を惹起し,続く復温で溶血を起こす。従って,人工心肺を用いる心臓手術では人工心肺管理や心筋保護において工夫が必要となる。本症例では術前検査で偶発的にCAを指摘されたため,常温心筋保護液を用い,34℃を目標として人工心肺管理を行った。術中,術後合併症は認めなかった。人工心肺管理を行う心臓手術を受ける患者にCAを認めた場合は,その重症度や術式を考慮した上で個別に人工心肺管理を計画する必要がある。
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渡邉 文雄, 宮津 光範, 石田 祐基, 北村 佳奈
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
75-78
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
大動脈縮窄複合根治術後に左室流出路狭窄を来し,大動脈弁右冠尖半閉鎖から大動脈弁狭窄を生じた症例を経験した。右冠尖半閉鎖は,心室中隔欠損閉鎖術後の瘢痕と考えられる突起物が,左室流出路血流を一部遮ることで生じたものと考えられた。経胸壁心エコーによる術前評価では,これを指摘するのは困難であった。麻酔導入後の経食道心エコーにより大動脈弁狭窄の機序が判明,左室流出路狭窄の原因となる突起物切除という適切な術式を提案できた。術前経胸壁心エコーで診断が概ね網羅される小児においても,麻酔導入直後の経食道心エコーによる再評価は極めて重要である。
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宜野座 到, 渡邉 洋平, 和泉 俊輔, 野口 信弘, 照屋 孝二, 垣花 学
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
79-83
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
38歳の女性,冠動脈3枝病変の不安定狭心症に対して人工心肺下冠動脈バイパス術(On-pump coronary artery bypass, ONCAB)が予定された。麻酔導入後,声門下狭窄に伴う挿管困難が判明した。適切な気道確保を行わなければ,周術期の呼吸器合併症のリスクが高いと判断し,一旦手術を延期しアプローチ法を検討した。後日,上気管切開術と下部胸骨部分正中切開による一期的ONCABを施行し良好な術後経過を得た。
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水津 悠, 片岡 剛, 浅田 秀典, 白神 幸太郎, 笹井 有美子, 立木 美香, 成瀬 光栄, 七野 力
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
85-90
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
心臓傍神経節腫瘍は非常に稀有な疾患であり,本邦では心拍動下で切除を行った報告はない。26歳男性,心臓傍神経節腫瘍を指摘され当院に紹介された。腫瘍は右冠動脈と左回旋枝からの栄養血管を有し,左房と左下肺静脈に接していた。近接臓器への浸潤は明らかではなかった。関連各科,職種で検討し,人工心肺を使用した心拍動下での腫瘍切除術が予定された。腫瘍の剥離は容易であり,切除後の血中カテコラミン濃度低下による血圧低下はノルアドレナリン持続投与で対応し得た。術後経過も良好であった。術中危機的状況に至る可能性もあり,心拍動下で行う際の血行動態の変化を予想し,対応を検討しておくことが必要である。
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菊地 紘彰, 薄竜 太郎, 千田 康之, 石田 時也, 横山 秀之, 篠原 一彰, 熊田 芳文
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
91-94
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
71歳男性,トラック運転中に後ろから来た自動車に追突されて受傷。外傷性大動脈損傷,右血気胸,両肺挫傷,右第2~6肋骨骨折,多発脳挫傷,顔面挫創,左前腕挫創の診断となった。大動脈損傷に対して可及的早期の手術介入を目指しながらも,外傷急性期を避けて厳格な循環管理を行い,待機的ステントグラフト術を施行することによって出血性合併症をきたすことなく管理した。外傷性大動脈損傷では治療時期,術式等に関して総合的な判断が必要である。
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上田 陽子, 森 英明, 土井 克史, 岸本 朋宗, 齊藤 洋司
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
95-99
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
オフポンプ冠動脈バイパス術(OPCAB)中の肺動脈塞栓症は稀であるが,右室流出路や伴走する静脈を損傷し,その修復中に肺動脈二酸化炭素塞栓症が発症した報告がある。今回術野で明らかな組織損傷を認めなかったにも関わらずOPCAB中に肺動脈空気塞栓症が生じた症例を経験した。
左内胸動脈−左前下行枝(LAD)の吻合終了後,肺動脈圧が急上昇し血圧が低下した。経食道心臓超音波検査(TEE)で右心系に気泡像を認め肺動脈空気塞栓症と診断した。LAD遮断のためにかけた針が右室を穿孔し,空気ブロワーの使用で空気が流入したと考えた。組織損傷が明らかでない場合にも発症することがあるためTEEを用い注意深く管理する必要がある。
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藤井 範子, 小松 郁子, 高田 眞紀子
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
101-104
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
左心耳内血栓の診断は経食道心エコーが有用とされている。経食道心エコーでは診断が困難で,腹臥位造影CTを併用し診断に至った症例を経験した。症例は心房細動,塞栓症,左心耳内血栓の既往のある66歳男性で,胸腔鏡下左心耳切除が予定された。術前の造影CTで早期相および遅延相で左心耳内造影欠損を認めるものの,放射線科読影により血栓は否定されていた。しかし麻酔導入後の経食道心エコーでは,血栓を否定できず手術を中止とした。再度造影CTを施行し,腹臥位での撮影も追加したところ,左耳内に造影剤の流入を認め血栓は否定された。経食道心エコーは同様の所見であったが,CT検査の結果と併せて安全に左心耳切除を行えた。
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竹下 淳, 松浦 秀記, 中嶋 康文
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
105-110
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
両尖温存僧帽弁置換術後に,温存された僧帽弁前尖による左室流出路狭窄が経食道心エコーで指摘された。内科的治療で改善せず,翌日再手術となった。心停止下に僧帽弁前尖A2を切除し,左室流出路狭窄は改善した。僧帽弁置換術時に自己弁や弁下組織を残すことは長期の左室機能維持につながるが,本症例のような合併症を起こす可能性がある。経過観察した場合の予後は不良であるため,心エコーによる早期診断と再手術が必要である。
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中野 雄介, 脇本 将寛, 小林 隆史, 鈴木 健二
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
111-117
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
症例は63歳の男性,身長165 cm,体重55 kg。大動脈弁閉鎖不全症・僧帽弁閉鎖不全症の再燃に対し手術が予定された。麻酔導入後,完全房室ブロックと血圧低下を来たし,一時胸骨圧迫を要した。気道内圧の上昇と全身性の紅斑を認め,アナフィラキシーショックと診断した。経食道心エコーで全周性の壁運動低下,肺動脈圧の上昇を認めたため,冠攣縮を疑い硝酸薬を投与した。その後速やかに肺動脈圧の低下と心収縮能の改善が得られ,血行動態は安定した。アナフィラキシーまたは急性冠症候群の徴候を認めた際には常にKounis症候群の可能性の考慮と,状況に応じた速やかな治療が求められる。
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南 絵里子, 山岡 正和, 石川 慎一, 山本 祐未, 林 文昭, 倉迫 敏明
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
119-122
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
心臓手術後に片側上肢の挙上困難を呈し,第5頸神経障害が疑われた2症例を報告する。症例1, 2ともに70歳代女性で,大動脈弁置換術後にそれぞれ右上肢,左上肢の挙上困難を訴えた。徒手筋力テスト(右/左)は症例1:三角筋0/5,上腕二頭筋3/5,上腕三頭筋4/5,症例2:三角筋5/0,上腕二頭筋5/5,上腕三頭筋5/4と上肢近位筋優位の筋力低下を示した。感覚障害や疼痛は明らかでなかった。ビタミンB12製剤の内服と理学療法を施行し,術後2~3週間で筋力は回復傾向となり,数カ月から1年以内に術前と同等に回復した。心臓手術後の第5頸神経障害の原因として,胸骨正中切開,術中体位,内頸静脈穿刺,頸椎疾患の関与が考えられた。
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棚平 千代子, 前川 謙悟, 大吉 貴文
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
123-126
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
CTガイド下肺生検において空気塞栓症が生じ,循環虚脱と脳梗塞をきたした症例を経験した。74歳女性,左下葉肺病変に対しCTガイド下肺生検が行われた。生検が終了し,仰臥位になった直後に循環虚脱が生じたため心肺蘇生を必要とした。CT所見では右冠動脈内に空気塞栓を認め,一時的に大動脈バルーンパンピングを併用した循環管理を必要としたが,血行動態は早期に改善した。また,空気塞栓に伴う脳梗塞を併発したが,保存的治療により不全麻痺などの神経症状は徐々に改善した。空気塞栓症は早期に重篤な経過を呈する可能性があることから,CTガイド下肺生検の重大な合併症として診療チーム間で共有される必要がある。
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坂井 俊朗, 斉藤 仁志, 水野谷 和之, 田中 暢洋, 森本 裕二
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
127-130
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
Cantrell症候群は上腹部腹壁欠損,胸骨下部欠損,横隔膜前部欠損,横隔膜部心膜欠損に先天性心疾患を伴う稀な疾患である。今回大動脈縮窄複合,心臓脱を合併したCantrell症候群児に対し,生後2日目にNorwood手術と右室-肺動脈conduit,脱出心の胸腔内還納を行った症例を経験した。閉創前後に呼吸循環状態の慎重な観察と人工呼吸器設定の調整を要したが,良好な転帰を得た。本疾患においては胸腔内容積の不足により,並列循環における呼吸循環動態の管理が一層困難となるため,厳重なモニタリングと適切な術中術後管理が必要となる。
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法華 真衣, 佐藤 仁昭, 中村 友季子, 安本 高規, 江木 盛時, 溝渕 知司
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
131-134
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
胸腹部大動脈瘤手術時の脊髄保護目的に留置される脳脊髄液ドレナージの合併症の一つに硬膜穿刺後頭痛がある。硬膜穿刺後頭痛は脳脊髄液ドレナージ患者の9.7~18.6%に生じるとの報告もあり術後の離床が進まない原因となる。
今回,胸腹部大動脈瘤時の脳脊髄液ドレナージ後に発生した硬膜穿刺後頭痛に対し無水カフェイン投与を行った8症例を経験したので報告する。
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日髙 淳介, 小畑 勝義, 小西 彩, 尾崎 実展
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
135-140
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
Kommerell憩室(KD)を合併した右大動脈弓の患者に対し全弓部置換とオープンステントグラフト(OSG)留置術を行った。人工心肺離脱後に大腿動脈圧と橈骨動脈圧の圧較差が出現し,さらに胸骨閉鎖後に換気困難が出現した。前者はOSGのステント骨格のない部分のキンクによるものであり,追加の血管内治療を行うことで圧較差の改善を得た。後者はKDおよび縦隔内容が気管を物理的に圧迫することによる気管狭窄であり,気管チューブ先端を気管分岐部の直前まで進めることで改善した。KD合併の右大動脈弓の患者においては,術前の解剖学的評価および手術操作に伴い起こりうる解剖学的変化,合併症の理解,および術中の気道・循環評価が肝要である。
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浅野 優, 田窪 一誠, 鷹取 誠
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
141-146
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
若年女性に発症する大動脈解離の半数は妊娠と関連があるとされる。妊娠20週に大動脈解離Stanford B型を発症し急性左心不全となったMarfan症候群の患者に対し,常温でのBentall手術を行い,段階的手術を行うことで母児ともに救命し得た症例を経験した。胎児が母体外で生存困難な時期に体外循環下手術を行う場合は,胎児にも配慮した周術期管理が必要となる。
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後藤 渉, 田中 具治
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
147-151
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
著明な多血症を合併したオスラー病に対する脳死肺移植の麻酔を経験した。症例は15歳男性で術前検査においてHb 26 g/dL,Ht 78%と多血症を認めた為,晶質液負荷や人工心肺下に貯血することでHt値を下げ,安全に管理することができた。また,麻酔導入時から観血的動脈圧波形はオーバーダンピングしておりINVOS®も表示されなかったが,Ht値が低下するとどちらも表示されるようになった。高度な多血症ではこれらのモニターが適切に使用できない可能性があると考えられる。
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下岡 真衣, 下岡 良典, 櫻田 卓, 前田 俊之, 成田 浩二, 佐々木 潤
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
153-159
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
デクスメデトミジン(Dexmedetomidine : DEX)による完全房室ブロックが疑われた患者に対し,DEX投与下で心臓電気生理学的検査を行い,洞機能および房室伝導の評価を行った。DEXは用量依存性に洞結節・房室結節に抑制効果を示し,A-H時間を延長させる可能性がある。本症例における完全房室ブロックの出現はDEX投与量に依存する洞機能および房室伝導の抑制的効果,フェンタニルなど他薬剤の相互作用および患者側要素の複合的な関与と考えた。DEX使用による房室ブロックの発生は術前心電図では予測困難であり,注意を要する薬剤の組み合わせも現在のところ不明である。DEX使用時に高度房室ブロックが生じた際には,DEXの中止やアトロピンの使用を考慮する必要がある。
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豊田 有加里, 和泉 博通, 北川 麻紀子, 新澤 正秀
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
161-165
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
緊急肺動脈血栓摘除術における麻酔導入後の経食道心エコーで,卵円孔を介して右房から左房に連続する9 cm長の血栓を認めた。そのため,予定の心拍動下肺動脈血栓摘除術に加え,心停止下心房内血栓摘除術も必要と判断し術式変更を行った。患者は術後大きな合併症なく退院した。術前に心房内血栓は指摘されておらず,術中経食道心エコーが診断に非常に有用であった。
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古曽部 和彦, 杉原 真由, 谷 美里, 野島 宏悦, 杉本 健太郎, 小坂 誠
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
167-171
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
開心術々後の左心室瘤への左室形成術で,右大腿動脈送血により逆行性大動脈解離を経食道心エコーにて迅速に診断し対側での送血へ変更したが,人工心肺離脱時に送血量が低下すると真腔が偽腔で圧排され離脱困難となった。大動脈造影にてエントリー部を右外腸骨動脈に発見し,このエントリー部にステント留置することで人工心肺から離脱可能となった。
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高倉 将司, 佐藤 威仁, 藤井 祐, 竹田 道宏, 西脇 公俊
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
173-177
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
今回,巨大な心臓原発性悪性リンパ腫の患者に対し経静脈的ペースメーカー植え込み術の麻酔管理を経食道心エコー(TEE)を用いて,ペーシングリードをエコー下に誘導することで安全に行いえた症例を経験したため報告する。症例は70歳代男性。右心系を占拠する巨大な心臓原発性悪性リンパ腫と診断された。経過中にⅢ度房室ブロックをきたしたため全身麻酔下でのペースメーカー留置術を施行された。循環虚脱に備え体外循環のスタンバイを行った上で慎重に麻酔導入を行った。術中ペーシングリードの位置決めに際して透視下のみでは適切な位置に誘導することが困難だったが,同時にTEEを併用する事で誘導が可能であり有用性が高かった。
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六角 由紀
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
179-182
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
症例は60歳男性。僧帽弁閉鎖不全症の診断で,僧帽弁置換術,三尖弁形成術,左心耳閉鎖術が施行された。人工心肺離脱後,上行大動脈のルートカニューレ及び送血管抜去部からの出血が多かった。血圧が低下傾向のため経食道心エコーで検索したところ,下行大動脈に解離を認めたが,上行大動脈の描出が不良のため大動脈直達エコーを行ったところ,上行大動脈に解離を認めた。Stanford A型急性大動脈解離と診断し,再び人工心肺を確立し,上行大動脈を切開したところルートカニューレ抜去部に解離を認め,上行置換術が施行された。人工心肺終了後に発症した急性大動脈解離の診断に,経食道心エコーと大動脈直達エコーが有用であった。
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竹田 峰子, 清水 智明, 荒井 章臣
原稿種別: 症例報告
2020 年24 巻1 号 p.
183-187
発行日: 2020/08/01
公開日: 2020/09/10
ジャーナル
フリー
解離性大動脈瘤食道穿破により出血性ショックとなり,緊急開胸術となった症例を経験した。手術室入室後,S-B tubeの挿入により一時的に循環動態の改善が得られた。患者は不幸にも術中死したが,大動脈瘤食道穿破の出血コントロールに対し,S-B tubeの利用が有用であると考えられた。
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