デジタルアーカイブ学会誌
Online ISSN : 2432-9770
Print ISSN : 2432-9762
4 巻, 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
特集:ジャパンサーチ
  • 大向 一輝
    2020 年 4 巻 4 号 p. 329-332
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル オープンアクセス

    国内に存在するあらゆる種類の文化資源を対象とするジャパンサーチは、日本のデジタルアーカイブの系譜におけるひとつの到達点である一方、「すべての資料が集まるデジタルアーカイブ」が2019年にはじめて実現された理由、ならびに国立国会図書館を中心とした体制が構築された理由は自明ではない。本稿では、ジャパンサーチ誕生の経緯に関する公開情報を整理するとともに、社会的な文脈を含めた議論を通じて本特集の各論を補足する。

  • 向井 紀子, 高橋 良平, 中川 紗央里
    2020 年 4 巻 4 号 p. 333-337
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル オープンアクセス
    J-STAGE Data

    「ジャパンサーチ」は、我が国が保有する多様なコンテンツのメタデータを検索できる国の分野横断型統合ポータルである。内閣府をはじめとする関係府省及び国の主要なアーカイブ機関等と連携・協力し、国立国会図書館が中心となって2017年から構築を進め、2019年2月の試験版公開を経て、2020年8月の正式版公開に至った。本稿では、まずジャパンサーチに登録されているメタデータについて、分野別、権利区分別等の状況を分析することで、ジャパンサーチで検索可能なコンテンツの内容等を概観する。続いて、ジャパンサーチとアーカイブ機関との連携の現状を紹介した上で、今後の連携拡大に向けて目指す方向性などを示す。

  • 村田 良二
    2020 年 4 巻 4 号 p. 338-341
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル オープンアクセス

    国立文化財機構が運用する博物館所蔵品データベース「ColBase」は、デジタルアーカイブのポータル「ジャパンサーチ」と連携し、データを提供している。本稿ではまず「ColBase」開発の経緯と概要について、ライセンスの扱いや各博物館のデータベースとの連動に触れつつ紹介する。「ColBase」で実施してきた他機関との連携につづいて、「ジャパンサーチ」との連携について詳しく説明する。最近実施した「ColBase」リニューアルに際して生じた問題を検討したあと、今後の課題と期待を述べる。

  • 神崎 正英
    2020 年 4 巻 4 号 p. 342-347
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル オープンアクセス

    ジャパンサーチ利活用スキーマは、多様な領域のデータを集約・提供する統合ポータルのためのRDFモデルおよび語彙である。設計にあたっては、海外の統合ポータル事例も参照しつつ、利用者タスクの観点で扱いやすく、また連携元にもメリットがあることを目指した。その基本として、構造化ノードと単純プロパティを併記する二層記述、ソースとアクセス情報のグループ化などを採用している。基本部分設計の検討ポイントを説明するとともに、時間・場所情報の表現および正規化の細部について、SPARQLの機能を踏まえた工夫を紹介する。

  • 中村 覚
    2020 年 4 巻 4 号 p. 348-351
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル オープンアクセス

    日本国内では、国の分野横断型統合ポータルである「ジャパンサーチ」が公開され、国内の多様なデジタルコンテンツに対するアクセスが容易となりつつある。一方、国外の機関が所蔵・公開する日本文化に関するデータの発見可能性は十分に高くない。そこで筆者らはIIIF/RDFなどのデータ相互運用技術を活用して、世界中の機関が公開する日本文化に関するデータを収集し、それらの発見可能性を高める仕組みである「Cultural Japan」の構築を行っている。本研究ではこの構築において、特に「ジャパンサーチ利活用スキーマ」の利用について述べる。本研究が、他のプロジェクト等での「ジャパンサーチ利活用スキーマ」の利用における参考事例となることを目指す。

  • 大井 将生, 渡邉 英徳
    2020 年 4 巻 4 号 p. 352-359
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル オープンアクセス

    情報化の進展を背景に、学習指導要領では調査や諸資料から様々な情報を調べてまとめる技能や、多面的・多角的に考察する力の育成が教育目標として記されている。この実現のためにMLA資料の活用が推奨されているが、その学習デザインについては十分に議論されていない。そこで本研究では、ジャパンサーチを活用した探究的キュレーション授業を開発し、小学校・中学校・高等学校で授業実践を行なった。これにより、児童生徒が自ら立てた問いに基づいて学びを展開することで多面的・多角的な視座を育む契機を創出する学習デザインの一例を示すことができた。一方で実践を通して、ジャパンサーチの教育活用を進展する上での課題も明らかになった。

事例/調査報告
  • 原田 健一, 数藤 雅彦
    2020 年 4 巻 4 号 p. 360-366
    発行日: 2020/10/01
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス

    デジタルアーカイブ学会法制度部会は2019年9月に「肖像権ガイドライン(案)」を公にした。今回、新潟大学地域映像アーカイブ研究センター「にいがた 地域映像アーカイブデータベース」の写真を用いて、新潟大学の学生にガイドラインにもとづいた採点とコメントをする調査を実施した。本報告は、学生の採点とコメント等から得られたガイドラインへの示唆について、まず、報告する。その上で、ガイドラインを人びとが映像にどういう社会的意味や価値を付与しているのかを計る尺度として用いることで、デジタル以降の若年層における意識の変容が、自らの意識や行動を規定し、肖像権の問題をも浮かび上がらせていることを明らかにする。

動向解説
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