ダム工学
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14 巻, 1 号
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  • 大矢 通弘, 角 哲也, 嘉門 雅史
    2004 年 14 巻 1 号 p. 4-19
    発行日: 2004/03/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    細粒分からなるダム堆砂を河川還元材としてリサイクルする場合の環境影響を室内試験により調べた. 河川還元手法として, より一般的な浚渫-運搬-下流仮置の方法を取り上げ, 処理方法はセメント系固化材を用いた粒状化処理を中心に脱水処理についても検討した. 環境影響としては, 水域の濁度発生およびセメント添加によるアルカリ溶出の2つを主な対象とし, 室内試験として水中でのすりへり試験および流水による侵食試験を行い, その結果をもとに実際のダム堆砂を河川還元する場合の設計の考え方について考察した. その結果, 簡易な処理により濁度発生を抑制でき, 細粒材の河川還元リサイクルの可能性が高まることなどを明らかにした.
  • 豊田 光雄
    2004 年 14 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 2004/03/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    粗粒材料は, 粒径数百mmの岩や砂礫から細粒分までさまざまな粒径をもつ岩石や土粒子を含む粒度範囲の広い材料である. 設計および施工管理に用いられる設計密度や締固め品質管理の密度などは, 一般に実粒度の大粒径部分をカットして縮小粒度に調整された材料を用いた室内試験で得られた密度を礫率補正して求められている. しかし, 室内試験と現場盛立て試験とでは, 使用材料の粒度や締固め方法などが異なるために, 信頼できる実施工の現場密度を予測することは現状では難しいと考えられる. 本論文では, まず, 室内試験において, モールド径と材料の最大粒径を変えた試験を行い, 礫率補正の有効性について検討した. そのあとに2種類の粗粒材料を対象にして, これらの材料に適用できる多点数測定に適し, しかも測定容積の大きい走査型のRI密度計 (SRID) を用いて, 室内試験と同様に試験含水比を変えた現場締固め試験を行い, 室内と現場の締固め特性を比較検討した結果を述べる.
  • 永山 功, 佐々木 隆
    2004 年 14 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 2004/03/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    近年, 新しい土木材料としてCSGの研究が進められており, CSGは仮設構造物にとどまらず, 永久構造物にも活用されようとしている. CSGは, その製造の特徴上, 品質のバラツキが大きな材料であり, 構造物に要求される所要の強度を満足するにはどの程度の材料安全係数を確保するのが適切であるかが大きな課題となっている. 本論文は, 統計確率学的な手法を用いてCSGに要求される材料安全係数の大きさについて考察を加えたものである.
  • 川崎 秀明, 長原 寛, 山下 武宣, 安仁屋 勉
    2004 年 14 巻 1 号 p. 39-48
    発行日: 2004/03/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    振動弦型計器は, 応力やひずみなどの物理量を周波数信号に変換して測定する方式であり, 遠隔測定の手段として電気的な変換法を採用しているが, 電気抵抗の変化とは無関係であるため, 絶縁不良等による影響が小さく, 経年変化, 耐湿性に優れ土木用の計器として長期に信頼性の高いデータ収集の可能性が高いと考えられる方式である. しかし, わが国ではすでに他形式の計器が普及しており, 振動弦型の計器がそれらの計器の利便性や経済性を追い越すだけの優位性を有していなかったこと等から普及しなかった. 近年, 簡便に扱えるようになったことや, 安価になったことから, 振動弦型計器に対する期待が増している. 本研究では, 長期計測の必要のあるダムへの本格的な適用を目的として, 実際にフィルダムにおいて従来型の計器に振動弦型計器を併設し, 2年半にわたって試験湛水時の間隙水圧計測を行う現地性能試験を実施し, 長期信頼性評価のための基礎実験を行った. その結果, 従来から使用されている土木用観測計器と同等以上の長期信頼性があることを確認した.
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