ダム工学
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16 巻, 4 号
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論文
  • 橋本 徳昭, 高田 望, 片岡 幸毅, 池淵 周一
    2006 年 16 巻 4 号 p. 257-268
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2008/06/27
    ジャーナル フリー
    ダムの適切な管理・運用のためには,多くのダムが位置する急峻で複雑な山岳域において,精度の高い降雨予測手法を確立することが重要である。筆者らは,これまでに黒部峡谷を対象として,ダム管理・運用のみならず,防災技術の向上も視野に入れた降雨予測手法の開発を行ってきた。本論文では,山岳域特有の降雨の発生・発達過程を定式化して予測モデルに取り込むとともに,運動学的予測モデルと物理的予測モデルを最適に合成することで,既存のモデルよりも優れた精度を有する降雨予測モデルの開発について述べる。本モデルによる予測結果は,別途開発した分布型流出予測モデルと組み合わせて,実際のダム管理に利用している。
  • 梅田 信, 古里 栄一, 浅枝 隆
    2006 年 16 巻 4 号 p. 269-281
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2008/06/27
    ジャーナル フリー
    富栄養化した貯水池における藍藻類の現存量と成層強度との関係について検討を行った。いくつかのダム貯水池において,成層強度の指標である浮力周波数がO (10-4) からO (10-3) (s-2) を下回る弱い成層状態において藍藻類の現存量が少なく,曝気循環施設が導入されているダムにおいては浮力周波数の低下と藍藻類の減少が生じていた。ダム貯水池ごとの限界浮力周波数に大きな差はみられなかった。浮力周波数は,曝気循環対策の計画設計および管理運用の合理化において有効であることが示唆された。
  • 佐々木 隆, 山口 嘉一, 高藤 啓
    2006 年 16 巻 4 号 p. 282-293
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2008/06/27
    ジャーナル フリー
    大地震時における重力式コンクリートダムの被害の一つとして堤体コンクリートへのクラック発生がある。このクラックの発生および進展現象を精度良く考慮し,ダムの地震時安全性を合理的に照査することが重要な課題となっている。コンクリートの引張クラックを考慮した非線形動的解析を行う場合,線形解析で必要な物性に加え,引張軟化曲線等を合理的に設定することが必要となる。本研究では,無筋コンクリート製の小型模型の振動破壊実験と非線形動的解析による再現解析結果との比較検討から,引張軟化曲線および減衰マトリクスが解析結果に及ぼす影響を把握し,それらに関する解析パラメータの合理的な設定手法について提案を行った。
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