ダム基礎岩盤の調査として実施された799試験体の原位置岩盤せん断試験を対象として, 試験面の岩盤分類について「修正共通岩級」を提案して, 共通の基準で再区分, 評価して整理を行った。最小自乗法によるせん断強度 (粘着力, 内部摩擦角) の検討を行い, このうち, 粘着力に対する岩盤分類要素 (岩石の硬さ, 割れ目の間隔, 割れ目の状態) の影響度を, 数量化理論I類を適用して定量的に評価した。粘着力は, 要素組合せに応じて系統的な変化を示しており, 三要素の中で, 岩石の硬さが最も影響していることが明らかとなった。本結果は, せん断強度の予測, また, 要素組合せ方式による岩盤分類に対して, 重要な情報を与えると期待される。
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