ラオス国ナムニアップ1水力発電所(NNP1)の約90 km上流にある建設中のダムが破堤し,高濃度の濁水が下流に流された。これにより一時的に下流域の水生生物の生育環境が阻害されるとともに,NNP1の逆調整ダム貯水池に大量の粘土・シルトが堆積した。この堆積した粘土・シルトが嫌気化し,逆調整発電所の運転開始に伴い下流へ恒常的に流下することが懸念されたため,逆調整ダム貯水池内に堆積した土砂の排砂を実施した。本稿では,上流ダムの破堤による下流のNNP1への影響とその緩和策について報告するものである。
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