ダム工学
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3 巻, 12 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 森下 郁子
    1993 年 3 巻 12 号 p. 4-12
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    地球環境時代の川とその環境の難問題のいくつかを掲げたい。
    まず、地球環境時代は生物との共生の時代でもあるが、野生生物と共生することは大変難しい。先進国ですら開発と保全がバランスしていない反省が起こっている。
    次に人為的な変化の環境に与える影響が、10年あるいは20年たって初めて現れることである。
    第3に世界の川との付き合いの中で、川の環境問題を難しくしている点に気がついた。
    水は透明できれいでなければならないという感覚は日本文化の特徴である。また、この水に対する日本民族の感覚が急速に進む都市河川の汚濁にプレーキをかけた。
    ガンジス川の流域に住む人々と中国の人々との間には、汚濁に対するブレーキ機能に大きな幅があるように思う。
    川に対してそれぞれの民族がもっているブレーキ機能のレベルの違いが、実は環境問題を国と国との間で解決するための合意の亀裂になっているのではないだろうか。
  • 柳沢 栄司, 菅野 高弘
    1993 年 3 巻 12 号 p. 13-20
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    フィルダムコア材などのような粘性土における水圧破砕の発生条件を検討するために、三軸状態および三主応力状態における水圧破砕条件を理論的および実験的に求めることを試みた。内圧を受ける円筒の応力解と一様圧縮を受ける円孔を有する板の弾性応力解を用いてボアホール周辺の応力を求め、これにモール・クーロンの破壊規準を適用することにより、水圧破砕規準を求めた。この規準の妥当性を検証するために、中空円筒供試体および立方体供試体を用いて、それぞれ二次元および三次元応力状態における水圧破砕実験を行なった。この結果、理論値は実験値をかなり良く近似していることが確認され、理論の妥当性が検証された。
  • 相場 充, 飯塚 晴彦, 土生川 真二, 重永 憲明, 高須 修二
    1993 年 3 巻 12 号 p. 21-34
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    重力式コンクリートダムに埋設されるガーダ補強式放流管の設計は、従来より周囲のコンクリートを無視して単独として行われてきた。本報では、この様な放流管に対し周囲のコンクリートを考慮しない場合および周囲のコンクリートを弾性体として考慮した場合について3次元FEM解析を行い、放流管を梁と見なした時の断面力を放流管とコンクリートとが分担する割合に着目して比較を行った。そして、この結果を基にガーダ補強式放流管の合理的設計法について考察し、今後検討すべき課題を明らかにした。
  • 谷本 親伯, 岸田 潔, 安藤 拓
    1993 年 3 巻 12 号 p. 35-44_1
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究では、ボアホールスキャナシステム (BSS) を用いたボーリング孔壁観察を行い、ボーリング柱状図やコア観察結果との比較をRQD値等をもとに行った。それによると、BSS観察は、乱れの少ない状態で観察でき、より正確なRQD値が得られること、また、観測方向の異なるき裂コンター図を比較することで、き裂頻度や卓越する極に違いがあることが確認された。岩盤不連続面情報のデータベースを構築するための情報取得としては、不連続面の方向性や開口幅等を精度良く観察できるボーリング孔壁観察を行うと同時に、同じ精度で3次元的データ観察が必要であると考えられる。
  • 谷崎 博人, 山田 達郎, 若崎 富男
    1993 年 3 巻 12 号 p. 45-52
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    コンクリートダムの建設工事において、ケーブルクレーンを使用する時、コンクリートの運搬・打設作業は、長時間での単純な繰り返し作業のため人為的なミスが発生しやすい。またコンクリート運搬車やバケットと作業員との接触事故の危険性がある。このような問題点を解消するため安全性の確保・作業の省人化による効率化を図るべくトランスファーカの自動運転システムとバケットの遠隔開閉装置を開発した。これにより、従来の方法と同等以上の能力を発揮し、かつ安全性の向上が図れた。
  • 柴田 義之, 田代 民治, 塚本 克美
    1993 年 3 巻 12 号 p. 53-60
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    RCD工法ダムの上下流面型枠のスライド作業における安全と能力向上を図ることを目的として本機械を開発した。ダム型枠については、縦バタをトラス構造にすることにより、型枠単位面積当たりの重量の軽減を図るとともに大型化することにより、一作業当たりの作業量を増大し、型枠作業の能力を向上させた。一方スライド機械はフォークリフトをベースマシンとし、その前部にダム型枠スライド装置を装備したものであり、これは大型型枠を3点で確実に掴んで固定できる構造となっているため、型枠ボルト脱着等作業時の振れがなく安全に作業できる。本機は現在宮ケ瀬ダムで稼働中であり、好結果を得ているので報告する。
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